世界の諸問題と統一運動シリーズ08


食糧問題解決の道を開いた文鮮明総裁御夫妻

 食糧問題は人類の直面する重要課題ですが、今回は今後の人類の食糧事情を展望したうえで、文鮮明総裁御夫妻がこの問題解決のために取り組んでこられた内容を紹介します。

<食糧問題の本質は不公正な分配の問題>

 国連の「ミレニアム開発目標」の中の、目標1のターゲット1は、「飢餓に苦しむ人口の割合を半減させる」でした。ミレニアム開発目標は2015年までの目標でしたが、その結果はどうだったのでしょうか? 1990-92年の時点で飢餓に苦しむ人々の割合は23.3%でしたが、これが2014-16年の時点で12.9%に減少しました。ですから、約半分に減ったということで、この項目に関して「ほぼ達成」と言っていいでしょう。

 ただし今なお、約8億人が栄養不良状態にあると言われ、これは世界人口の9人に1人に当たります。ですから、飢餓の問題に関しては、さらなる努力が必要です。

 では世界的に見て、果たして食料は不足しているのでしょうか? 実は、世界の穀物総生産量をカロリー計算し、これを世界の総人口で割ると、一日当たり3000キロカロリーを超えています。これは大人が1日に摂取する食料エネルギーとして十分な量に相当します。従って食料問題の一つのポイントは、食料の公平で効率的な分配にあります。

 現在、世界中でおよそ5人に1人は必要なエネルギー量に比べて食べ物を食べ過ぎており、その結果、肥満症になっています。一方で、ほぼ5人に1人が飢えているか、または一定の栄養素が不足した食事を余儀なくされています。そこで、食糧不足に対する一つの考え方は、食べ過ぎの人々の食糧を、食糧不足の人々に分けるべきだというものです。

<科学技術の発達による食糧問題の解決>

 食糧問題を解決するもう一つのポイントは、科学技術の発達です。とりわけ、増え続ける地球上の人口に対して、食糧生産の増加が追いついていけるのか、という問題です。人口問題の専門家たちは、2050年までに地球上の人口は90億人を超え、100億人に迫るだろうと予想しています。果たして90億人の食糧を確保できるのかが、当面の重要な課題なのです。

 過去において、人口の急激な増加によって発生する可能性のあった飢餓から人類を救ったのは、科学技術の発達でした。その一つが農業における化学肥料の開発で、代表的なものがハーバー・ボッシュ法による窒素肥料の生産です。これは大気の78%を占める窒素を水素に結合させてアンモニアを作る方法ですが、窒素肥料の導入により穀物の生産量は2~3倍に増えました。

 もう一つが「緑の革命」であり、これは①植物の品種改良、②灌漑、③農薬、④機械化の4つの組み合わせにより農地の生産性を飛躍的に向上させることです。特にこの影響はアジアで大きく、アジアでは1961年~2001年までに穀物の全生産量が3倍近く増加しました。

 それでは21世紀前半の食糧事情はどうなるのでしょうか? 果たして90億人を超える人々を食べさせていけるのでしょうか? 現時点では「イエス」とも「ノー」とも言えません。確実に分かっていることは、これからの数十年間で世界の食糧需要が急激に増える、ということです。専門家は、2010年を基準として、食糧需要が2030年までに50%増加、2050年までに倍化すると試算しています。それは2つの理由によります。一つは、食べさせなければならない人口が増加することで、もう一つは開発途上国が豊かになることにより、人々の食事コストが上がることです。

<海に解決策を見出した文鮮明総裁のビジョン>

 こうしたなか、文鮮明総裁は海に活路を見出そうとして、開拓の道を歩んできました。
「食糧問題は、今後人類に非常に深刻な危機をもたらすでしょう。なぜならば、限りある陸地で生産されるものだけでは地球上の人類をすべて食べさせることはできないからです。ですから、海にその解決策を見いださなければなりません。海は未来の食糧問題を解決できる鍵かぎです。私が数十年前から絶えず海を開拓してきた理由もここにあります。食糧問題を解決しなければ理想的な平和世界を建設することはできません。」(『平和を愛する世界人として』p.317-8)

 具体的には、魚を粉にした「フィッシュ・パウダー」の開発によって貧困の撲滅に取り組みました。

 こうした文総裁の遺志を受け継ぎ、韓鶴子総裁は世界平和の実現に貢献した個人または団体の功績を表彰する韓鶴子総裁を創設し、その第1回受賞者に食糧問題解決に貢献した人物を選ぶように提言しました。

グプタ

韓鶴子総裁から鮮鶴平和賞のメダルを授与されるモダドゥグ・グプタ博士

 2015年8月28日に韓国ソウル市内のホテルで行われた「鮮鶴平和賞」第1回授賞式では、受賞者の一人に南アジア・東南アジアの極貧地域に魚の養殖技術を普及させ、人々の栄養状態の改善と経済的自立に貢献したインドのモダドゥグ・グプタ博士が選ばれました。

 グプタ博士は、比較的低コストで良質な動物性タンパク質が得られる水産養殖が、貧しい人々の栄養摂取を改善する上で重要な役割を果たし得ると予見し、貧しく飢えた人々に魚を与えるのではなく、彼らに魚を育てる方法を教え、自立と自給自足という奇跡を起こすのを助けました。彼が開発した水産養殖の方法と技術は、今日「青い革命」として知られる爆発的な増産を実現しました。今後もUPFをはじめとする統一運動は、人類の食糧問題解決に継続的に取り組んでいきます。

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