実況:キリスト教講座02


キリスト教について学ぶ意義(2)

 ちなみに、私の名前には「魚」と言う文字が入っています。魚というのは、実はキリスト教徒の象徴なんですね。聞いたことありますか? 「クォ・ヴァディス」という映画があります。これは初期キリスト教の迫害時代の物語なんですが、地面に魚のマークを描くという暗号が出てくるんです。これでもって、「自分はクリスチャンです」ということを表して、お互いに信徒であることを迫害の中で確認し合うというシーンが出てきます。

 そう言う意味でこの「魚」というのはキリスト教のシンボルだったわけですけど、なんで魚なのかというと、当時ギリシャ語が使われていまして、ギリシャ語で魚のことを”ΙΧΘΥΣ”と言ったんですね。この”ΙΧΘΥΣ”というのは暗号になっていまして、英語に直しますと、ΙはJesus、ΧはChrist、ΘはGod、ΥはSon、ΣはSaviorとなり、”Jesus Christ God’s Son Savior”つまり、「イエス・キリスト、神の子、救い主」という言葉の頭文字をとると、”ΙΧΘΥΣ”という単語になって、それがギリシャ語ではたまたま「魚」という意味だったんですね。この言葉は何かというと、キリスト教の信仰告白そのものです。イエス・キリストが神の子であり、救い主であるということを信じる宗教がキリスト教ですから、その信仰告白の頭文字をとるとちょうど「魚」という単語になったので、「魚」が暗号になって、キリスト教徒たちが迫害の中で自分たちのアイデンティティーを確認し合ったということです。

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 「その『魚』という文字が自分の苗字の中に入っている、これは何か秘密があるんではないだろうか? たとえば日本における隠れキリシタンの末裔だったとか。そう思って、自分の先祖について調べてみました。戸籍謄本や除籍謄本で調べるとだいたい4~5代くらい前までは分かるんですけど、それより昔のことは「日本苗字大辞典」みたいなものが図書館にあってですね、この「魚谷」というのはどんなに由緒正しい隠れキリシタンの血統なのかと思って、苗字辞典を調べてみました。それで分かったことがあったんです。それは何かというと、「魚谷」という名前が苗字辞典に載っていないということが分かったんです。(笑)

 つまり、日本の由緒ある苗字というのは江戸時代よりもずっと前にさかのぼるんですけど、ほとんど苗字は明治以降になって、それまで苗字帯刀を許されていなかった武士以外の平民たちが苗字を許されるようになってから、適当に作られたものがいっぱいあるんですね。その一つが「魚谷」なのかなということで、隠れキリシタンとは一切関係がないということが分かったわけであります。(笑)そういうわけで、キリスト教と関係のある功労のある血統ではなかったかもしれないのですが、どういうわけかこのような立場でお話をさせていただいております。

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 実は、私は本を書いております。一冊目が『神学論争と統一原理の世界』という本で、光言社から1997年に出ている本ですが、私が統一神学校を出てまだ間もない頃に、神学校で学んだ内容をなんとか日本の皆様にご紹介したいということで書いた本です。この本の目的は、既成のキリスト教神学において言っている内容と統一原理の内容を比較してみて、どのように違っているのか、どういう点が似ているのか、そしてどういう点で統一原理が優れているのかということを、神学を勉強したことがない人にも分かりやすいように説明するということでした。と言っても、読んでみて「難しい」という方もときどきいらっしゃるんですが、本格的なキリスト教神学の本を読むよりははるかに易しく、キリスト教の世界に触れることができる内容になっていますので、興味のある方は読んでいただければと思います。

 2番目に書いた本が、『統一教会の検証』という本です。タイトルだけ見るとあたかも反対派の本みたいですね。(笑)統一教会を検証するというわけですから。私も食口ですから、当然、統一教会を批判するために書いた本ではありません。一冊目の著書が教義・神学に関する内容を扱っているのに対して、こちらはどちらかというと社会問題といわれている部分を扱っている本です。たとえば統一教会が訴えられているとか、「青春を返せ裁判」なんていうのがありますね。それから「献金を返せ」という献金返還訴訟とか。それから「合同結婚式で自分の意思に反してマインド・コントロールされて結婚させられてしまった」と、離れた元食口が主張して訴訟を起こす、「婚姻無効訴訟」なんていうのもあります。こういう裁判が起こっていることをもって、多くの人々は「統一教会は反社会的な団体である」と主張しています。

 それに対して、「そんなことはない。これはすべて反対派が捻じ曲げていろんなことを言っているに過ぎないんだ」ということで、社会的な批判に対して答えようという動機で書いた本が、『統一教会の検証』という本です。これを書くときにどういうことをやったかというと、いろんな図書館に行きまして、宗教社会学とか、宗教学とか、ちょっと神学とは違った学問の文献をいっぱい調べました。

 この宗教社会学とか宗教学といった学問は、統一教会の教えが真理であるかどうかにはほとんど関心がない学問で、社会的に見て、統一教会はどういう人たちが信じている宗教で、どういう特徴を持っているのかということを客観的に分析するタイプの学問です。そのように学問的に扱いますと、反対派が言っているような批判よりははるかに公正に客観的に私たちのことを見てくれる文献がたくさん存在するんです。そういうものを根拠として、反対派が言っていることはものすごく偏っている、悪意に満ちている、捻じ曲げられているんだということを世間に対して説明して、統一教会に対する誤解を解こう、というのがこの本の目的でありました。

 ですから神学的な観点と社会的観点の二つから、理論的に私たちの信仰の正しさというものを世の中に訴えて行こう、ということを自分の一つのライフワークと考えて活動をしております。

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 それから翻訳もいくつか手がけております。最初に訳したのが『理想家庭の指標』という本で、ジュンヒョン・パク先生とアンドリュー・ウィルソン博士の英語の本(原題:True Family Values)を日本語に訳しています。光言社から出ていて、訳者として名前が出ています。これは「家庭盟誓」の解説本として英語で出されたものの邦訳です。

 もう一つ、朴普煕先生が『証言』(世界日報社)という、朴先生の自叙伝を書いています。これは1997年に出ておりますが、上下巻合わせると結構分厚いですけれども、朴先生は原稿を韓国語で書かれて、それを私が日本語に訳して出たものです。原稿用紙にして2000枚くらいになる大量の原稿でしたが、私がそれを訳させていただきました。

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 もう一つは編集協力といって、他人が書いた本の最終的な編集を行うこともやっております。大塚会長は元CARPの会長で、統一教会の会長でもありましたが、私は統一神学校時代に一時期一緒に勉強させていただきました。大塚会長が統一教会の会長だった頃に、「神学的な本を書きたい。特に私はモーセが好きなんだ。出エジプト記研究を書きたい」と言われまして、もちろん大塚会長が原稿を書かれましたが、私がさまざまなリサーチやお手伝いをして出来上がったのがこの本です。それが編集協力という意味です。

 もう一つの編集協力が、増田善彦先生の『マインドコントロール理論:その虚構の正体』という本です。増田先生の専門は宗教社会学で、統一教会に対して言われている「マインドコントロール理論」がいかに非科学的な概念であるかを説明するために書いた本です。このときにもいろいろなリサーチや翻訳のお手伝いをしました。このように、書籍関係の仕事もやってきました。

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