韓国の独立運動と再臨摂理シリーズ24


 先回から、真のお父様が金日成という人物をどのように見ていたのかについて、『神の摂理から見た南北統一』を資料としてまとめる作業を始めました。今回はその続きです。「金日成」という言葉を検索してみると、南北統一に対するお父様の決意を語られたみ言がたくさん出てきます。
「私が三十八度線を越えながら祈祷したことは簡単です。『神様、心配しないでください。北韓まで私が統一します』」。(一九八七・一一・一)
「私が一・四後退の時、三十八度線を越えながら神様に祈祷したことがあります。この悪党たちを私の手で捕まえて片づける前に死んではならないので、私が私の故郷、私の祖国を再び訪ねて、神様に勝利の讃揚をお返しできるその日まで私を生かしてくださいと祈祷したのです。そうするために、韓国を経て、アジアを経て、世界を経て、この怨讐の金日成に至ろうと誓いもしました。」(一九八一・一・二六)

 ここで言う「一・四後退」とは、1951年初頭に北朝・中国両軍の攻勢を受けた韓国軍が、1月4日に前線の後退作戦を敢行したことを指します。大邱や釜山へ集団移送されました。このときにお父様は北から避難したのですが、38度線を超えるときに、その38度線に両足をかけて、絶対に南北統一をしますと誓ったという話は聞いておられると思います。それは、「必ず怨讐の金日成に至ってみせる」という決意だったのです。金日成という人物はお父様にとってそのような意識の対象だったのです。

 具体的にどうやって南北統一をするのかについても、お父様は語っておられます。
「韓国が万一どうかしたはずみで北韓の金日成を打倒して南北を統一したとしても、ソ連を、そして中共をどうやって消化することができるでしょうか。できないのです。」(七八―三二二)
「金日成自体よりも、国際共産党の背後の計画と連結された金日成の基盤を破壊するためには、ソ連・中共に対処することのできる韓国の基盤がなければなりません。そうでなければ南北統一は不可能です。私はそう見ているのです。」(一九八一・四・二六)

 これはなぜでしょうか? 金日成は自分の力で北韓の指導者になったのではないのです。ソ連のバックアップがあって北韓の指導者になったわけですから、単に南北の関係ではこの問題は解かれないのです。背後にあるソ連と中共をなんとかする基盤を作らなければ、北韓を解放できないということをお父様は語っておられます。
「大韓民国の解放はいかに力を注いでも一人ではできないのです。アメリカを動かさなければなりません。分かりますか。自由世界を動かさなければなりません。金日成を打つには大韓民国の力をもってしてはできないのです。日本とアメリカの力を借りなければなりません。何の話か分かりますか。共産主義運動が今アメリカの各大学街に浸透しつつあり、ここに金日成もアメリカでの運動を強化・展開させています。・・・このような金日成の工作活動をそのまま座視することができず、私はアメリカにおける勝共運動を大々的に展開してきたのです。」

 ですから、まずアメリカをつかまなければならないと言っています。同時にお父様は、日本もつかまなければならないと言っておられます。
「もし、日本が共産主義の手中に収まろうものなら、極東の平和維持が不可能になるのはもちろん、アメリカまで危険になります。ところが、日本を赤化しようとするのが極東においてのソ連はもちろん、北韓の金日成の秘密戦略です。私は既にはるか以前からこのようなことを看破したので、日本での勝共運動を強力に展開させたのです。私の見解では、日本の首脳部から一般国民に至るまで、全国民が勝共思想によって武装しなくては、日本は滅びるしかなくなるのです。・・・私は命を懸けて、日本国内にとてつもない背景をもっている共産主義と闘ったのです。」(一九八〇・一一・一八)

 日本には朝鮮総連があります。ですから、日本における勝共運動が重要だということでお父様が育てて来られたのです。それでは何によって統一されるのでしょうか? お父様の観点は、統一思想によって南北が統一されるということです。
「南北に分断されているこの国をどうやって統一しますか。統一思想をもって統一しなければなりません。統一思想で備えずしてこの国を解放することはできないのです。北韓が金日成思想で統一することを夢見ていますが、これが問題なのです。もし彼らに統一思想を教え込んだらどうなるでしょうか。金日成が問題ではないというのです。」(四八―二五六)
「キリスト教が我々と一つになって統一思想で武装するようになれば、北韓の金日成は問題ではありません。金日成を霊界で連れていくのです。」(二〇―一三九)
「将来既成教会と一つとならなければならず、それから大韓民国と一つとならなければなりません。三千万民族がキリスト教圏を中心に、神様のみ旨を中心にした思想をもって武装をして団結するなら、北韓は問題ないのです。我々が完全に内外ともに整備したあかつきには、北韓の金日成とは言葉で戦わなければなりません。すべてをさらけ出して白黒をはっきりつける問題が最後に残されているのです。金日成が嫌でも手を握らざるを得ない時がやって来るのです。世界情勢がそのように展開するのです。」(三〇―三〇八)

 軍事力で戦うのではなく、言葉で戦う、思想で戦うんだということです。それではその思想はどのようにして具体化されるかと言えば、北韓に負けない基盤を作ることだと語っておられます。
「北韓共産党が金日成を中心に全人民の武装化、全国土の要塞化など、あらゆる方面において準備を行ったその土台を見れば、我々はそれ以上に準備をしなければなりません。夜も昼も徹してその目標をもって戦っていかなければなりません。金日成が現在、北韓の二千万をしっかりとつかんでいる以上、我々はそれ以上に組織化しなければなりません。そうすれば、金日成の体制は必ず自然に崩壊するのです。それが摂理観です。自然に崩壊するのです。」(一六四―一八三)

 北朝鮮が盤石な組織を作っているので、それに対抗する組織基盤を南で作らなければならないということです。なぜかと言えば、もうすぐ南北統一選挙があるかも知れないからだ、というお話をお父様がされていたのが、1988年ごろでありました。このころのお父様のみ言には、1988年のソウル・オリンピックが終わったら、金日成は南北総選挙を提案してくるかもしれない、という予言めいたみ言が結構たくさんありました。恐らくそのような可能性もあったんだと思います。

 そうなれば北韓の二千万は完全に教育されていますから金日成一色であり、金日成を単一候補者として立ててくることになったと思います。一方、南韓は多党の候補が乱立して出馬することになれば、それは金日成の思うつぼです。票が割れれば負けるだろうということです。そこでお父様は、「南北総選挙では、南韓からも単一候補を出さなければならない。そのために、我々の運動は『統・班撃破』をしなければならない。」ということを、このころ語っておられました。

 お父様はご自身の存命中に南北統一選挙が行われる日が来ると予感され、とくに1988年のオリンピック直後が、もしかしたらそういう摂理的時を迎えていたのかもしれません。そのために、南側に運動の基盤を作ることを一生懸命に指導されました。実際にはそのときに総選挙は行われませんでしたが、そういう備えをしておられたということです。

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