神道と再臨摂理シリーズ06


 「神道と再臨摂理」シリーズの第6回目です。今回は記紀に記された神話に基づき、古代日本人が天地の始まりと神々についてどのように考え、自分たちの住む世界をどのようにとらえていたのかを解説します。

<天地の創造と神々>

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 古代の日本人は、自分たちの暮らす島々を「葦原中国(あしはらのなかつくに)」と呼んでいました。「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)」と呼ぶこともあります。そしてその上には「高天原(たかまのはら)」という天空の神々の世界があると考えていました。そして地下には「黄泉国(よみのくに)」と呼ばれる死者の世界があると考えていました。このように、世界を三層構造であるととらえていたのです。

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 記紀の神話には天地開闢の様子が描かれており、それには五柱の別天津神(ことあまつかみ)が関わったとされています。以下の神々がそれに当たりますが、そのうち最初の三柱を「造化三神」と言います。
①天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ):至高の神
②高御産巣日神(たかみむすびのかみ):創造、征服、統治の神
③神産巣日神(かみむすびのかみ)生産・生成の「創造」の神
④宇摩志阿斯訶備比古遅神(うまし あしか びひ こぢ のかみ)活力の神
⑤天之常立神(あめのとこたちのかみ)天の神

 その後「神世七代」の時代が訪れ、神々が生まれては消えるということを繰り返すのですが、最初の二代は男女の性別のない神であり、続いて男女二神が対になった五代の「双つ神」が続きます。そして最後に誕生したのが、伊邪那岐神と伊邪那美神です。このように、記紀の神話における神々は、時代を経るごとに抽象的な神から具体的な姿を持った神へと変化していることが分かります。このように、一神教と多神教という違いこそあれ、記紀の神話の中には旧約聖書の創世記に匹敵するようなコスモロジーがあるのです。

<神話に登場する神々>

 続いて、記紀の神話の登場する個々の神々を紹介します。天地開闢に関わった五柱の「別天津神」や「神世七代」の神々は抽象的な神々であり、あまり人間的な姿をしていませんでした。その最後に誕生した伊邪那岐神と伊邪那美神からは、非常に人間らしい姿で生き生きとしたストーリーが描かれるようになります。

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①伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)
 多くの国土と神々を生んだ夫婦神で、最後は別れ別れになってしまうのですが、伊邪那岐は天空の父神となり、伊邪那美は大地の母神として人間の死を司ります。

②天照大御神(あまてらすおおみかみ)
 伊邪那岐の子供で、伊邪那岐から高天原の統治を任された太陽神です。天照大御神は、神道の最高神とされており、神々の総支配神の立場にあります。皇室の先祖の神であるとされています。伊勢神宮の内宮に祀られている祭神です。

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③月読命(つくよみのみこと)
 伊邪那岐が生んだ三貴子の一人で、夜の国を統治することになった、月のような男性神です。平塚らいてうは「元始、女性は実に太陽であった」と言いましたが、女性である天照大御神が太陽神で、男性である月読命が月の神であるのが面白いところです。

④須佐之男命(すさのおのみこと)
 須佐之男命は荒々しい乱暴な神で、「荒ぶる神」という言葉がふさわしい存在です。姉の住む高天原で乱暴・狼藉の限りを尽くし、それが原因で天照大御神は天岩戸に引きこもってしまいます。出雲では八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する活躍をします。

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⑤大国主神(おおくにぬしのみこと)
 須佐之男命の六代目の孫にあたる神様で、「因幡の素兎」を助けた話で有名です。葦原中国を統治して国づくりに着手しますが、天照大御神が使者を派遣して大国主神に「国譲り」を要求します。大国主神の息子と建御雷神が力比べをし、その結果として出雲に宮殿を建てることを条件に国を譲りました。その宮殿がいまの出雲大社であるとされます。この物語は、九州の邪馬台国が武力によって出雲を併合した出来事を神話化したと解釈できます。

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⑥邇邇芸命(ににぎのみこと)
 天照大御神の孫にあたります。母は高天原の主導者であった高御産巣日神(たかみむすびのかみ)の娘であり、彼は芦原中国を継ぐべくして登場したエリートの神様でした。南九州の高千穂峰(宮崎県と鹿児島県の境)に降臨し、そこを拠点として統治の足掛かりとしました。神武天皇の曽祖父に当たります。

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