『世界思想』巻頭言シリーズ03:2020年4月号


 私がこれまでに平和大使協議会の機関誌『世界思想』に執筆した巻頭言をシリーズでアップしています。巻頭言は私の思想や世界観を表現するものであると同時に、そのときに関心を持っていた事柄が現れており、時代の息吹を感じさせるものでもあります。第三回の今回は、2020年4月号の巻頭言です。

UPFの平和運動を支える6つの構成要素

 去る2月3日~5日にかけて韓国ソウルで行われたUPF主催の「ワールドサミット2020」は参加者の量と質の両面において過去最高の国際会議となった。この度のサミットの大きな特徴は、今後UPFが世界平和実現のために活動を展開していく6つの構成要素が明確に示され、それぞれが分科会で戦略的行動計画を立てる作業に入ったことである。以下、6つの構成要素について簡単に解説したい。

 世界平和頂上連合(ISCP)は、ワールドサミット2019で韓鶴子総裁が創設を提唱し、このたびのサミットで正式に発足した、国家元首・政府首脳の集まりである。韓総裁は2018年から世界を巡回し、その国の最高指導者が参加する国際会議を何度も開催してきたが、その集大成がISCPの創設である。

 この度のサミットには、カンボジアのフン・セン首相とニジェールのラフィニ首相が現職の政府首脳として参加し、4名の現職副首脳、2名の現職ファーストレディ、2名の現職国会議長、34名の現職閣僚が参加した。さらに32名の元職政府首脳と14名の元職ファーストレディが参加するなど、まさに世界の「頂上」が一堂に会する中でISCPの創設が宣言されたのである。この組織は今後、首脳級の指導者たちがその知恵と経験を集めて世界の諸問題を解決するためのプロジェクトを推進する母体となるであろう。

 世界平和議員連合(IAPP)と平和と開発のための宗教者協議会(IAPD)は、6つの構成要素の中でも先駆けて設立され、実績を積んできた組織である。人間に心と体があるように、平和を構築する運動にも政治家と宗教家の両方が参加しなければならない。そして今回は昨年12月に創設された世界聖職者指導者会議(WCLC)も総会を行った。

 国際平和言論人協会(IMAP)は世界各国の良心的な言論人が集まり、世界平和に貢献するためのネットワークである。文鮮明総裁は、メディアの自由と責任を擁護するために世界言論人協会を設立し、日本の世界日報、米国のワシントン・タイムズ、韓国のセゲイルボなどの言論機関を設立した実績がある。IMAPはそれらを基盤とするUPFの言論部門のプロジェクトとして立ち上げられた。

 国際平和学術協会(IAAP)は、世界平和に貢献する学者たちの集まりである。文総裁はこれまで世界平和教授アカデミー、科学の統一に関する国際会議などの学術部門に力を入れてきたが、IAAPは時勢に流されずに真理と普遍的価値を探求する学者たちによる平和運動を推進する母体となるであろう。

 国際平和経済開発協会(IAED)は、平和と開発のために貢献するビジネス・リーダーたちの集まりである。経済活動の目的は私利の追求にあるのではなく、真の愛による富の公平な分配と人類全体の福祉のためにあるという思想に基づき、経済人による平和のプロジェクトを推進していく組織である。

 世界平和は特定分野の指導者のみによってなされるものではない。これら6つの分野の指導者が力を合わせ、「共生共栄共義」世界実現に向けてUPFは活動を推進していく。

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