Web説教「信仰による家族愛の強化」08


 3月31日から「信仰による家族愛の強化」と題するWeb説教の投稿を開始しましたが、今回はその8回目で、最終回になります。前回は恋愛というものが究極的には自己中心的な動機に基づくものであることを指摘したうえで、真の愛に基づいた結婚、神様を中心とする結婚である「祝福結婚」について説明しました。そして「祝福結婚」を体験したあるカップルの証しを通して、ごく普通の人が、信仰を持って夫婦関係を築いていくなかで次第に幸せになっていった姿を紹介しました。

 「共通の信仰」を出発点とした結婚ほど、強固な基盤の上に立つものはないと私たちは考えています。なぜでしょうか? それは夫も妻も共に畏敬の念を持ち、信頼を寄せることのできる存在、すなわち神様を真ん中においているからです。

 それは、たとえ夫婦の意見が食い違った場合でも、両者を仲介することのできる中心が存在するということです。そして共通の目標を生み出し、二人が努力しながら共に築き上げていくものを提供することができるのです。結局、夫婦というものは横を向いてお互いの短所や欠点を見るよりも、むしろ二人とも前を向いて、共通の目標に向かって手を取り合って歩んだほうがうまくいくのだということです。

 自分の夫あるいは妻を「自分のもの」であると考えるよりも、神様の大事な息子あるいは娘をいただいたと思えば、粗末にすることができないのです。逆に所有観念が強くなり、自分のものだと思うと、不満が多くなるのです。

 私の夫は、すべての男性の中から自分に最もふさわしい人を神様が選んでくださったのだと信じることが重要です。また私の妻は、すべての女性の中から自分に最もふさわしい人を神様が選んでくださったと信じることです。そのように思ってお互いを貴重視することが、夫婦愛が成長していく基盤となるのです。

四位基台と家庭における四大愛

 このようにして夫婦になるわけですが、夫婦になって私たちの愛は終わりではありません。やがて夫婦の間に子どもが生まれてきます。そうすると、神様から始まって、二つに分かれて、合成体として子どもができます。このようにして四つの部分からなる一つの基台ができるわけでありますが、これを私たちは「家庭的四位基台」と呼んでおります。

 そしてこの家庭という場の中で、私たちは四つの大きな愛について学びます。まず初めに学ぶのが「子女の愛」です。これは子として親を慕う愛です。次に兄弟が生まれてくれば「兄弟姉妹の愛」、そしてやがて結婚すれば「夫婦の愛」、子どもが生まれれば「父母の愛」を学んでいくことになります。

 実は神様の愛というのは、なにか観念的で抽象的なものではなくて、家庭における父母の愛、夫婦の愛、兄弟姉妹の愛、子女の愛という四つの愛を通して具体的に現れてくるものなのです。その背後にあるより根本的な愛が、神の愛なのだということになります。そしてこの四つの愛の中で最も神の愛に近いのが、父母の愛であるということになります。このような愛について学ぶ学校が、家庭なのです。

 私たちは、自分自身が親となって、子育てをすることによって、神の愛を知るように造られているのです。それはなぜでしょうか? 神様はもともと人間の親でありますから、その愛の世界を追体験し、相続させるために、子供を生んで育てるように人間を創造されたのです。この我が子を生んで育てるという行為は、すべての生物が経験するものではありません。

 下等動物の場合には、細胞分裂によって繁殖しますので、そもそも親子というものはありません。魚類の場合には大量に卵を産卵しますが、その大部分が淘汰されてしまいます。その卵の一つ一つを育てるということはしないのです。

 鳥類になってようやく、親鳥が雛を育てるという「親子関係」が生じてきます。哺乳類になりますと、母親が母乳で子供を育てることを通して、親子の関係がもっと強くなっていきます。その哺乳類の中でも人間がどういう存在かというと、子育てに最も多くの時間と労力をかけ、苦労して子供を育てる動物なのです。

 人間の場合には、子供が一人前になるのになんと20年もかかります。なぜこれほど長く苦労して子供を育てなければならないのでしょうか? そして人間は、繁殖を終えてからの生存期間が非常に長いというのも、生物としての特徴です。たとえば鮭などは、自分が生まれた川を遡って行って、そこで卵を生んだらすぐに死んでしまいます。それは、次世代を残すこと、繁殖することだけが目的だからです。

 ところが、人間の場合には子どもを産んですぐに親が死んでしまったら困るわけです。その後も長い時間をかけて育てなければなりません。その育てるという行為を通して、神様が親として人間を愛しているその心情を追体験して、神様に似たものになるのです。そのことのために私たちは、苦労して子供を育てるのです。ですから、子育ての苦労というものは、自分の成長のためだということで、感謝しなければならないのです。

信仰による家族愛の強化

 さて、この説教のまとめです。家族とは一体何かといえば、それは「親子の愛」と「夫婦の愛」によって構成されています。その愛が強ければ強いほど、「絆」というものが生まれてきます。この「親子の愛」と「夫婦の愛」を、信仰によって強化して、本当の愛に満ちた家庭を造っていくのが、家庭連合の目的なのです。

 以上で説教を終わります。ありがとうございました。

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