CESNUR2024シリーズ05


2024年6月12~15日にかけて、フランス西部ボルドーで「新宗教研究センター」(CESNUR)の国際会議が開催された。6月13日に行われた、第8セッション「統一教会と日本・まさに起きていることは何か?」では、宗教法人・世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)が解散命令を請求されている日本の事案に焦点が当てられた。このシリーズでは、第8セッションの7つのプレゼンテーションの内容を紹介する。第5回目の今回は、世界平和女性連合の堀守子会長のスピーチである。

 日本で信じられない恐ろしいことが起きています。今日は、私が会長を務める世界平和女性連合に関する事件についてご報告します。パワーポイントを準備しました。

 世界平和女性連合(WFWP)についてご説明します。WFWPは、1992年に文鮮明師と韓鶴子夫人によって設立された国連NGOで、信仰基盤組織です。WFWPが世界160カ国に1600人の海外ボランティアを派遣して今年で30周年を迎えます。人道的な活動だけでなく、貧困地域に多くの学校を建て、ボランティア活動を行ってきました。しかし、これらのプロジェクトは破壊され、私たちの尊厳は傷つけられました。WFWPに対する迫害とその被害についてご報告します。

 WFWPは1997年に国連NGOになりました。国連の経済社会理事会(ECOSOC)において総合協議資格を有します。このステータスを取得できた国連NGOは多くありません。WFWP Japanは、WFWP Internationalの一支部に過ぎませんが、WFWP Internationalは発展途上国の家庭支援など様々なプロジェクトを通して、40万人以上の女性や子どもの支援を行ってきました。

 安倍晋三元首相の暗殺事件後、WFWPとFFWPUが同じ創設者であるため、WFWPは厳しい迫害を受けました。

 2022年11月共産党の穀田恵二議員は、宝山晶子WFWP議長に外務大臣賞を授与した外務省を攻撃し続けました。この賞は外務省が授与する最高の賞です。穀田議員による攻撃後、外務省は外務大臣賞の授与を取り消しました。在モザンビーク日本大使館が宝山氏を推薦したのでした。宝山氏は、モザンビークの子どもたちに良い教育を与えるために生涯を捧げてきました。

 宝山氏に聞くと、宝山氏の家族は日本におり、4人の子どもがいるのに、30年間アフリカのモザンビークに住んでいたとのことでした。事情を聴いてみると、日本にいる子どもたちは日本政府や地方自治体が支援してくれるから死ぬことはないが、モザンビークの子どもたちは、自分が今すぐ何かして上げなければ死んでしまうからだと理由を述べました。それが宝山氏の精神です。しかし、外務省は宝山氏から賞を取り上げました。何も悪いことをしていないのに、外務大臣は公的に受賞を取り消すことを決めました。外務省が、共産党やメディアからのさらなる攻撃を避けるため、自己保身のために受賞を取り消したのは明らかです。

 その結果、メディアによるネガティブな報道のために2000人の有料会員を失い、私たちのプロジェクトは2万人の受益者の生活を直接脅かす危機的状況に陥りました。WFWPは会費によって運営されています。私たちは2,000人の会員を失いましたが、彼らは年間30ドルを会費として納めていました。私たちは組織の運営は無理だと思っていました。しかし、お陰様で1年で2,000人の会員を獲得することができました。そのような奇跡が起きたのです。

 セネガルにもプロジェクトがあります。フランスとセネガルはとても近い国です。JAMOOという職業訓練学校があります。JAMOOは女性が自立するための職業訓練学校です。これまでに1,500人以上の女性がこの学校に通い、その半数が卒業証書を手にしました。その多くが経済的に自立することに成功しています。私たちは1995年にこのプロジェクトを開始しました。セネガルの“Support Women”プロジェクトは、2008年に国連から「ベスト・プラクティス」の一つに認定されました。このプロジェクトは重要なものとなり、WFWPの最も有名なプロジェクトとなりました。

 外務省は、このプロジェクトがWFWPに属することを知っていました。セネガルには学校が2つありました。最初の学校は手狭になったので、自分たちの学校を建てることにしました。日本大使館のスタッフは、プロジェクトへの資金提供を日本政府に申請することを勧めてくれました。日本大使館のスタッフの助けもあり、日本政府から資金援助を受けることができました。当時、外務大臣は岸田氏でした。岸田氏は、私たちの学校建設に資金を提供してくれた当事者なのです。

 しかし、ひどいことが起こりました。とんでもない事件が起きたのです。同じく共産党の穀田議員が、岸田首相に対して、反社会的組織と言われるWFWPに日本政府が資金援助した責任を追及したのです。外務省は校舎を徹底的に調査しました。日本からわざわざ外務省の代表4人をセネガルに送り込みました。彼らは、学校がWFWPに属する痕跡を一つ残らず消そうとしました。

 まず、制服を変えろと言いました。まず、ロゴを変えろと言ったのです。その通りにしました。しかし、校長はそれらの要求を呑む必要はありませんでした。日本政府にはそのような変更を命令する権限はなかったからです。しかし、外務省は圧力をかけました。校長は学校を失い、女性たちが勉強する場所を失うことをとても恐れました。

 校長は彼らの言うことをみな聞いてしまいました。彼らとは日本政府のことです。制服を4回も変えるように言ってきました。学校の名前も変更せよと言ってきました。学校に貼られたWFWPのロゴをすべて消すように言ってきました。


 最終的に、私たちはこの学校を失い、2つの学校を失いました。30年近く支援してきたにもかかわらずです。そのような被害を受けました。WFWPのボランティアは、世界中の女性と子どもたちを支援するために人生を捧げてきました。しかし、共産党とその傘下の弁護士が私たちのプロジェクトを攻撃したことで、WFWPのボランティアの評判と尊厳が傷つけられました。それは、WFWPとFFWPUが同じ創設者だからに他なりません。

 昨年、左翼系弁護士団は、WFWPに抗議する声明を出しました。私たちの女子留学生日本語弁論大会というプロジェクトに関連して、弁護士団は、私たちが家庭連合のダミー団体で、家庭連合への献金を目的とした金儲けの団体だと主張しました。

 また、弁護士団は、私たちが家庭連合のフロント団体として、家庭連合の会員を布教していると主張しました。その結果、家庭連合の会員ではない多くの女性を含めてWFWPの女性たちは、非常に厳しい状況に置かれています。

 彼女らの人生は破壊され、日々様々ないじめや差別を受けています。例えば、花屋で花を買うことができません。印刷もできません。3つの印刷会社が私たちの雑誌やチラシの印刷を拒否しました。いくつかのホテルは会場の利用を拒否しました。

 地方の共産党員は、各地方自治体に出向き、WFWPの団体登録を取り消すよう求めました。登録を取り消した自治体もありました。つまり、私たちは地元の人々を支援しコミュニティ活動を行ってきたのに、公共施設を利用できないのです。これは実際に日本で起こっていることです。私は日本を愛しています。日本は非常に民主的な国だと思っていましたが、これが現実なのです。これが日本で起きていることなのです。

 結論を申し上げましょう。これは人権侵害だと思います。WFWPだけのことではありません。他の受益者にも起こり得ることだと思います。日本でこんなことが起こることにショックを受けています。残念なことに、私たちの主張はメディアでは限定的にしか報道されていません。日本で私たちに起きている状況について報道してくれたのは、『Bitter Winter』誌だけです。マッシモさん、素晴らしい記事を書いてくださりありがとうございます。コピーを持ってきました。ぜひ一度お読みください。さらに詳しいことが書かれています。

 私たちは状況を打開し尊厳を取り戻すために闘ってきましたが、私たちだけではできないことを実感しています。同様の迫害に苦しむ他の宗教団体と同盟を築く必要があります。私たちはサイレント・マジョリティでしたが、共にノイジー・マイノリティになる必要があるのです。多くの学者がこの状況を異常だと考えていますが、社会的制裁を恐れて声を上げることをためらっています。政府やメディアが反宗教的な手段で国民の支持を得ている間、私たちは黙っていてはいけません。

 誠実さを守り、真実を報道する勇気を示せない国には希望がありません。私は、宗教は人々が自律と倫理を獲得するために重要な役割を果たしていると思います。この状況は、セキュラリズム(世俗主義)とスピリチュアリズム(精神主義)の戦いです。メディアと政治は物質主義の先兵で、宗教は道徳の最後の砦です。共に闘いましょう。日本で何が起きているのかを人々に知らせてください。ありがとうございました。

このスピーチの英語のオリジナル動画日本語字幕付きは、以下のサイトで見ることができます:https://www.youtube.com/watch?v=pv5CFTOEQKs&t=2s

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