BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ74


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本の最高裁と統一教会「宗教虐殺」の許可証? その2

03/27/2025 Tatsuki Nakayama

数十年の判例を変更し、刑事犯罪ではない民事不法行為が宗教法人の解散理由になる論理的な理由はない。

弁護士 中山達樹

2本の記事の2本目(1本目の記事を読む)

2024年7月、統一教会・家庭連合メンバーによる信教の自由を求める新潟の街頭デモ

本シリーズ「その1」では、犯罪のみならず民事不法行為によっても日本の宗教法人を解散できるとした2025年3月3日の最高裁決定が、東京地裁で係属中の統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求訴訟にどう影響するかにつき述べた。

2022年10月、岸田元首相は一夜にして見解を変え、刑事犯罪のみならず民事不法行為が宗教法人の解散事由の「法令に違反」といえると述べた。2025年3月3日、最高裁はこの岸田元首相による「心変わり」を支持した。

しかし、法律的に精査してみると、民事不法行為が「法令に違反」(宗教法人法81条)にあたるという最高裁決定は全く論理的ではない。最高裁は、単に解散への道を開きたいだけのようだ。

日本では、「法令」は「法律、条例または命令」と定義されている。岸田元首相の変節後2年半、「法令」という用語が、信教の自由の甚大な侵害を正当化できるほど十分に具体的なものか否かが、罪刑法定主義の見地から議論されてきた。このような制限を正当化するには、漢字2文字の「法令」は広汎すぎるように思われる。実際、1995年のオウム真理教事件高裁判決は、「刑法等の実定法規の定める禁止規範または命令規範」に限定すべきと判示した。

しかし、2025年3月3日、最高裁は、民法709条の「不法行為を構成する行為は、不法行為法上違法と評価される行為、すなわち、一定の法規範に違反する行為であ(るから、『法令に違反』する)」と判示した。これは論理的でなく、間違っている。

なお、日本では、不法行為が「違法」であることは争いがない。それゆえ、今回の最高裁決定の要旨は以下である。

  1. 違法な民事不法行為は、「法規範」に違反し
  2.「法令」にも違反する

「法規範」及び「法令」の違反は、ともに「違法」であるが、同一ではない。

まず、「法規範」は法律用語ではない。とても曖昧でどこにも定義されていない。この不明瞭な用語を用いて、最高裁は、明文のルールのみならず、社会規範、不文律や衡平法をも意味するようだ。

このように、「法規範」という表現は、「法令」という表現よりはるかに広い。

それゆえ、たとえ不法行為が「法規範」に違反するとしても、だからと言って「法令」に違反するとはいえない。最高裁は、法学部生でさえすぐ間違いだと分かるような三段論法を用いて、論理の飛躍をした。最高裁は、岸田元首相の見解に反対する勇気がなかったようだ。

最高裁判所 出所

最後に、この最高裁決定は、家庭連合の解散への道を大きく開くと解釈され得る不気味な言葉を使った。

最高裁は、民事不法行為が著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる事態を招き、その宗教団体に法律上の能力を与えたままにしておくことが不適切となることも「十分に有り得る」と判示した。

本シリーズ「その1」で説明したとおり、今回の最高裁決定は、家庭連合の行為が解散の主原因たる「公共の福祉を害するか否か」につき、審理も判断もしなかった。それにもかかわらず、不法行為に基づく解散が「十分に」可能と述べた。単に可能性があると言うだけでよかったはずである。

このように、「十分に」という言葉が追加されたことは、家庭連合の解散のために最高裁が広く道を開いたと否定的な解釈をすることもできる。

安倍元首相暗殺犯 山上徹也。スクリーンショット

安倍暗殺事件後、暗殺犯の山上容疑者は、安倍氏が懇意にしていた家庭連合に恨みを抱いたために暗殺したと報じられた。もっとも、彼の真の動機は、遅々たる刑事手続のため、3年近くにわたり不明のままである。

これにつけこんだ反カルト派グループは、家庭連合が非難されるべきという奇妙なストーリーを広め、マスメディアがこれに飛びついた。岸田元首相も続いた。

今、人権の最後の砦として、この狂奔を食い止めるべき最高裁判所でさえも流されてしまったようだ。しかしながら、日本の統一教会・家庭連合がその60年の歴史の中で1つも刑事犯罪を犯していないという事実は銘記されるべきであろう。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ73


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本の最高裁と統一教会「宗教虐殺」の許可証? その1

03/26/2025 Tatsuki Nakayama

最高裁決定は、数十年の判例を覆して宗教団体の解散への道を開くかもしれない。

弁護士 中山達樹

2本の記事の1本目

日本の最高裁判所 出所

2025年3月3日、日本の最高裁判所は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中会長に対し、政府からの質問に十分に回答をしなかったとの理由で過料に処するという最終決定を下した。

この決定において最高裁判所は、統一教会の不法行為が宗教法人法81条に定める宗教法人の解散事由「法令に違反」に該当するかという争点につき、肯定的な判断を下した。この決定は、日本政府が東京地裁に申し立てている統一教会の解散命令請求に関連する。

歴史的に見て、この決定は、民事上の不法行為を解散事由から除外してきた判例の大きな変更である。国際的に見ても、宗教団体の解散にこれほど広い門戸を開いた民主主義国は、私の知る限り他に存在しない。

この最高裁決定は、安倍元首相暗殺後、反カルト団体全国霊感商法被害対策弁護士会や鈴木エイトなどのジャーナリストが家庭連合を非難する全国的なキャンペーンと軌を一にする。安倍元首相は、家庭連合と懇意にしているため罰せられるべきと思い込む男に暗殺された。

全国霊感商法被害対策弁護士会の主要メンバーである紀藤正樹弁護士(左)、ジャーナリストの鈴木エイト(右)。出所:X

この最高裁決定を精査すると、家庭連合の解散に向けた「広い道」を開いたようにも見受けられる。3つの不吉な兆候に注目する。

まず、宗教法人法81条によると、宗教法人は以下の場合に解散させられる。

(1) 著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした

(2) 法令に違反する

今回の最高裁は、上記(2)の「法令」の解釈についてのみ判断し、上記(1)の家庭連合の行為が公共の福祉を害するか否かについては判断しなかった。(1)の公共の福祉違反については、別途東京地裁(鈴木謙也裁判長)に係属する解散命令請求訴訟で判断される。

今回の最高裁決定は、信教の自由の尊重という見地から大きく後退した。宗教法人解散後、その法人の存否にかかわらず個人は信仰を続けることができる。そのため、宗教法人の解散は、法律上及び形式的には、個々の信者の信教の自由に間接的に影響するにすぎない。

とはいえ、法人の解散に伴い法人の財産は全て奪われるため、事実上、個々の信者の信教の自由は大きな制約を受ける。実際、過去の2つの先例はこの点に細心の注意を払っていた。しかしながら、今回の2025年3月3日付け最高裁決定は、その注意を払わなかった。

まず、29人を殺害したオウム真理教は、1996年に最高裁判所で解散された。ただ、当時の最高裁は信者の信教の自由に対し十分かつ親身な注意を払った。最高裁は、オウム真理教の解散後には礼拝施設等の教会の資産が処分されるため、「信者が宗教上の行為を継続するのに何らかの支障を生ずることがあり得る」と指摘した。

結局、最高裁は、「憲法の保障する精神的自由の一つとしての信教の自由の重要性に思いを致し、憲法がそのような制限(註:解散)を許容するものであるかどうかを慎重に吟味しなければならない。」と判示した。

1995年3月20日のオウム真理教テロ事件後、サリンに汚染された東京地下鉄車の除染を行う自衛隊員 出所

次に、2024年3月26日、家庭連合田中会長に対する過料訴訟の第一審において、東京地裁は1996年オウム真理教最高裁決定をほぼ文字通り踏襲した。

この東京地裁決定は、「憲法が保障する信教の自由の重要性にも鑑みて、当該宗教法人に対して解散命令がされることが、当該宗教法人のした行為に対処するために必要でやむを得ないものであるかという観点からも、法81条1項1号を含む同項所定の解散命令事由の該当性は、慎重かつ厳格に判断されるべきものといえる。」と判示した。

このように、2つの先例は信者の信教の自由を十分に考慮した。しかし、2025年3月3日の最高裁決定は考慮せず、「解散命令は、宗教法人の法人格を失わせる効力を有するにとどまり、信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を一切伴わない。」と判示した。

2024年7月、信教の自由を求めて三重で抗議する家庭連合信者。

これは残念であり、不気味だ。日本の判例は、憲法が保障する信教の自由の重要性を宗教法人の解散の文脈で明確に尊重してきた。しかし、3月の最高裁は、信者の信教の自由に全く注意を払わなかったのである。ここから、東京地裁の鈴木謙也裁判長に対して家庭連合を解散させるという最高裁の意思を読み取ることもできる。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ72


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本と宗教、「公共の福祉」というスキャンダル:2. 統一教会への攻撃

03/27/2025 Patricia Duval

「公共の福祉」の原則は、多数派が不快に思う宗教は排除され得ることを意味する。それが現在、統一教会に起きている。

パトリシア・デュバル

2本の記事の2本目(1本目の記事を読む)
2024年7月、茨城県で統一教会の解散請求に抗議する信者たち。

本シリーズの第1回の記事では、日本の法律における「公共の福祉」という概念が、信教の自由を制限し、宗教法人を解散させる根拠として用いられていることが、自由権規約に基づく日本の国際的義務に反していると論じた。また、「公共の福祉」を持ち出すことは、ある宗教が国民の多数派に気に入られなければ、それを排除できることを意味する。

これはまさに、かつて統一教会として知られ、現在は「世界平和統一家庭連合」と称する団体(以下、「統一教会」、「教会」または「UC」と表記)に対して起きていることである。

2022年7月、安倍晋三元首相が銃撃された事件では、実行犯が統一教会に対する個人的な恨みを動機としていたとされている。しかし、統一教会に強硬に反対していた人物によって犯されたこの殺人事件を機に、スケープゴート化とヘイトスピーチがメディアで蔓延した。不思議なことに、この事件の刑事捜査は最後まで完了することなく、教会に対する激しい敵意を持っていた者が殺人を行ったにも関わらず、教会が責任を負わされた。

それ以来、教会を犯罪組織として描く継続的なメディアキャンペーンの波に乗り、日本政府は統一教会の解散命令請求を行った。

2023年12月、宗教問題を扱う文部科学省は、統一教会が「社会規範」に従わず、「多数の者の生活の平穏を害した」として、著しく公共の福祉を害したと主張し、解散命令請求を行った。

それは、「ディプログラミング(政府黙認で全国的に展開された、家族による信者の拉致・監禁を伴う強制棄教)」の後に、その脱会者によって提起された、32件の民事上の敗訴判決に依拠していた。これらの各訴訟において、民事法廷は教会が「社会規範」に違反したという主張に基づいて不法行為を認めた。

しかし、「社会規範」という概念も曖昧で恣意的であり、宗教的信仰や実践に関わる問題に適用されるべきものではない。「公共の福祉」と同様に、日本が宗教問題において保持すべき中立性を損ない、自由権規約第18条に対する日本の義務に違反している。

この解散請求は現在、東京地方裁判所で審理中であるが、最高裁判所ではこの解散請求に関連するが付随的な案件について、2025年3月3日判決を下した。

日本の最高裁において、民事・行政訴訟の最終上訴が認められるのは、憲法違反または下級審で手続き上、重大な法令違反があった場合である。

2024年7月、統一教会による信教の自由を求める街頭抗議の告知ポスター

今回の裁判で、最高裁判所は教会側弁護士による二つの上訴を審理する必要があった。

– 1つ目は、宗教法人法第81条の違反について(政府の解散命令請求では民法上の不法行為が法令違反に該当すると主張しているため)。

– 2つ目は、憲法違反、特に信教の自由の侵害および自由権規約第18条の違反について(解散の根拠として「公共の福祉」や「社会規範」を用いることが問題であるため)。

1つ目の上訴について、最高裁は「民法上の不法行為は法令違反と見なすことができる」と判断し、それ以上の議論は行わなかった。

2つ目の上訴について、最高裁は次の一文で片付けた。「本件抗告の理由は憲法違反をいうが、その実質は単なる法律違反を主張するものにすぎず、特別抗告の事由に該当しない。」

このような回答によって、最高裁は憲法違反や国際人権法違反の主張について、一切の議論を行わなかった。

これは、現在審理中の地方裁判所での解散命令請求審理にとって悪い兆候であるだけでなく、日本が締結した国際条約を意図的に無視し、国際社会を軽視しているさらなる証拠となっている。

日本の最高裁判所の外観。Credits

国連自由権規約(ICCPR)によって設置された自由権規約人権委員会は、1975年に規約が発効して以来、加盟国によるその履行を監視する役割を担っている。日本は1979年にこの規約を批准し、それに伴い委員会の監視権限を受け入れた。

1980年以降、日本政府は憲法における人権の「公共の福祉」による制限について、自由権規約人権委員会に対し、次のように端的に説明してきた。「公共の福祉の概念は厳格に解釈されており、人権に不合理な制限を加えるものではない。」(外務省国際連合局報告書、1980年11月14日、CCPR/C/10/, Add.1, page2)

それ以来、自由権規約人権委員会は日本の規約履行状況を審査するたびに、「最終見解」で日本を厳しく非難し、次のような強い要求を行ってきた。「委員会は『公共の福祉』の概念は曖昧で制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容し得ると懸念する。」「委員会は前回の最終見解(CCPR/C/JPN/CO/5, para.10)を想起し、規約第18条及び第19条の各第3項に規定された厳格な要件を満たさない限り、思想、良心及び宗教の自由あるいは表現の自由に対する、権利への如何なる制限を課すことを差し控えることを促す」と勧告している。(2014年8月20日 最終見解CCPR/C/JPN/CO/6, §22)
(参照: 2008年12月8日 最終見解CCPR/C/JPN/CO/5, §10、2022年11月30日 最終見解CCPR/C/JPN/CO/7, §37)

このことから、日本政府は45年間にわたり、自由権規約に適合するよう国内の法制度を見直す必要があると認識しながら、一貫してそれを拒否し、国際社会に対する義務を果たしてこなかったことが明らかである。

国連の政府間人権機関である人権理事会の特別報告者は、特定のテーマや国ごとの視点から、人権に関する報告や助言を行う権限を持つ、独立した人権専門家である。

この職務の一環として、彼らは各国を訪問し、人権侵害の通報があった個別の事案や、より広範な懸念について、国連加盟国に「コミュニケーション」を送る形で対応を行う。

エホバの証人からの報告を受け、「宗教または信条の自由」に関する特別報告者は、2024年4月30日、「教育を受ける権利」に関する特別報告者、「意見及び表現の自由」に関する特別報告者、「平和的集会及び結社の自由」に関する特別報告者と連名で、日本政府に対する「共同コミュニケーション」を送付した。

4名の特別報告者は、日本政府が2022年12月に採択したガイドライン、「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」について懸念を表明し、これが自由権規約第18条に対する重大な違反であると指摘した。

同時に、「宗教または信条の自由」に関する特別報告者は、2024年3月28日付で日本政府に対し公式な訪問要請を行い、国内の宗教的少数派の現状についてさらなる情報収集を求めた。

日本は、国際社会の人権政策と矛盾することを避けるため、2011年3月11日に「スタンディング・インビテーション(特別報告者を招待しいつでも調査を受け入れること)」を発出した。(実際には、2025年3月11日現在、193の加盟国のうち128カ国がこの「スタンディング・インビテーション」を表明している。)

「スタンディング・インビテーション」とは、政府が国連人権理事会のすべての特別報告者に対し、いつでも訪問を受け入れることを宣言する制度である。これを表明することで、各国は特別報告者の訪問要請を常に承認することを約束する。

しかし、日本政府は現在、一年前に送られた「宗教または信条の自由」に関する特別報告者の訪問要請に一切回答しておらず、その結果、訪問が実施されることは事実上不可能な状況となっている。

ナジラ・ガネア氏、国連「宗教または信条の自由」特別報告者。Credits

驚くべきことではないが、さらに厳しい状況に置かれているのが、「少数派問題」に関する特別報告者である。

日本における少数派の待遇に関する報告を受け、歴代の少数派問題特別報告者は、2005年にこの職務が設立されて以来、一度も日本を訪問できていない。

彼らは、2016年10月、2024年2月、2025年1月などに訪問要請を繰り返し送付してきたが、日本政府は一切回答しないままである。

実際には、日本政府は「公共の福祉」という名の独裁体制を維持しながら、自由権規約人権委員会による度重なる勧告を無視し、人権理事会の特別報告者からの訪問要請にも応じないまま、国連の国際会議では「善きサマリア人」を演じ続けている。

さらに日本は、2020年に米国国務省(当時のポンペオ国務長官主導)の提唱で設立された「国際宗教または信条の自由同盟(IRFBA)」への加盟まで申請した。

しかし、これは単なる欺瞞にすぎず、日本は「人権・民主主義国家」というイメージを維持することには熱心だが、実際にそうなる努力はしていない。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ71


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本と宗教、「公共の福祉」というスキャンダル:1. 日本の国際的義務への背反

03/24/2025 Patricia Duval

日本が憲法および法律において、「公共の福祉」の名のもとに宗教の活動を制限し、さらには抑圧できるという原則を維持することは、国際的義務に違反する。

パトリシア・デュバル

2本の記事の1本目

論争の的となっている「公共の福祉」への言及を含む日本国憲法の原本。Credits

第二次世界大戦後に採択された世界人権宣言を受け、国際社会が保護するさまざまな人権をさらに詳述するため、国際連合は一連の人権条約を採択してきた。

その代表的な例が、1976年に発効し、日本が1978年に署名した「市民的及び社会的権利に関する国際規約」(ICCPR、以下「規約」)である。

しかし、日本政府はこの約束を無視し続け、日本国内のほとんどの日本人がその存在を認識していない中、国際社会を静かに裏切り続けている。

規約第18条第1項には、「すべての者は、思想、良心及び宗教の自由についての権利を有する」とあり、「この権利には、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由並びに、単独で又は他の者と共同して及び公に又は私的に、礼拝、儀式、行事及び教導によってその宗教又は信念を表明する自由を含む。」とされている。

したがって、規約により保護される権利には、宗教団体の設立や維持を通じて、他者と共同で自らの宗教や信仰を表明する権利も含まれる。

さらに、第18条第3項では、この権利に対し国家が立法上の制限を加えることが許される場合を限定的に規定している。「宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。」

この制限の範囲は厳格に解釈されるべきものであり、「公共の福祉」の保護はその正当な理由には含まれていない。

2016年に発表されたICCPR 50周年記念のポスター。出典:X。

しかし、宗教的少数派に対する抑圧を正当化するために「精神的安全保障」という新たな概念を生み出したロシアの様に、日本は規約の規定に明白に反する形で、この自由に対する新たな例外を作り出した。それが、「公共の福祉」の保護と「社会規範」の尊重である。

日本が1946年、第二次世界大戦後に新憲法を採択した際、ナチス政権との同盟や広島の悲劇的な惨状の後、国際社会における名誉を回復したいという願いを表明していた。以下は日本国憲法の冒頭の文章である。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

こうして日本は、憲法第20条に基づき、特に信教の自由に関する国民の基本的権利を保護することを約束した。

しかし、日本国憲法には、この権利を尊重する義務に対する重大な例外規定があり、これは国際人権法における日本の義務と矛盾している。

憲法第12条には次のように記されている。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」

この規定は、特に宗教または信念の自由が、「公共の福祉」に違反する場合には制限され得ることを示唆している。

実際に、日本が1951年に宗教法人の地位や運営を規制するために制定した「宗教法人法」においても、この自由に対する公共の福祉に基づく制限が含まれている。

同法第81条は、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」場合に、裁判所が宗教法人の解散を命じることができると定めている。

このように、宗教法人としての地位に対する権利は、「公共の福祉」の保護を理由に制限され得るが、この概念は曖昧かつ恣意的であり、宗教や信念に関する事項において適用されるべきものではない。特に宗教団体の法的な「死」を決定する際は尚更そうである。

1946年の憲法および1951年の宗教法人法におけるこれらの制限を考慮すると、日本政府は1978年に国際規約に署名し、制限を厳格に規定した第18条第3項を受け入れた時点で、国内法をそれに合わせて修正すべきであった。

特に、日本国憲法第98条には、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守する」と規定していることを考えると、その必要性はより一層明白である。

1978年5月30日、日本を代表してICCPRに署名した福田赳夫首相(1905‐1995)。Credits

したがって、日本が規約に署名し批准した際には、憲法第12条を改正して「公共の福祉」に関する例外規定を削除し、宗教法人法第81条においても「公共の福祉」の侵害を解散の根拠から削除すべきであった。

そうしなければ、日本国憲法第98条が対外的な見せかけに過ぎず、日本が条約の共同署名国を完全に無視し、国際的な約束を守る意図がなかったことを示すことになる。

憲法および宗教法人法において「公共の福祉」を宗教法人の解散の根拠として維持することは、多数派の人々が不快に感じる宗教であれば、それを排除できると言っているのも同然である。

「公共の福祉」の保護は、規約のもとで許容される制限である「公共の秩序」の保護とは大きく異なる。例えば、1995年にオウム真理教による地下鉄サリン事件の首謀者を厳しく処罰したことは、「公共の秩序」の保護に基づく正当な措置であった。

「公共の福祉」は、市民全体の福祉を保護することを目的とするが、それは治安の維持とは異なる。宗教に適用される場合、それは公共の秩序や安全保障上の問題がないにもかかわらず、少数派の信仰や慣習から市民の福祉を守ることを目的としている。

これは、規約第18条と明らかに相容れない。規約の締約国による実施を監視する独立専門家たちの組織である国連の自由権規約人権委員会は、第18条について総評22号で次のように説明している。「2. 第18条は、 有神論的、 非有神論的及び無神論的信念、 さらには宗教又は信念を告白しない権利をも保護している。 『信念』及び『宗教』という語は広く解釈されなければならない。第18条の適用は、伝統的な宗教又は伝統的な宗教のそれと類似する制度的に確立された性格又は慣行を有する宗教及び信念に限定されない。従って委員会は、 あらゆる理由に基づく宗教又は信念に対する差別の傾向を懸念している。あらゆる理由の中には、それらが新宗教であるという事実又は支配的な宗教集団の側からの敵意の対象となりうる宗教的マイノリティであるという場合も含まれる。」

このように、第18条の本質そのものが、加盟国に対して宗教への中立性を保つ義務と、「支配的な」敵意にさらされる宗教的マイノリティを保護する義務を課している。

「公共の福祉」の保護はその対極にある。それは実際には、日本政府が宗教的マイノリティに対する抑圧的措置を講じるための極めて便利な手段となっている。「公共の福祉」という手段を利用し、政府の承認のもと、数年にわたりメディアでのヘイトスピーチが広がり、社会全体が特定の宗教団体に対する憎悪を抱くよう扇動されてきたのである。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ70


2025年6月4日

信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本における統一教会の子どもたちのディプログラミング2. 精神科病院が宗教的信仰を「治療」する可能性

03/13/2025 Patricia Duval

フランスの弁護士パトリシア・デュバル氏が、国連の4人の特別報告者に送った報告書の第2部:日本の「取組」によれば、宗教的信仰は精神疾患の一種と見なされる。

パトリシア・デュバル

2本の記事の2本目(1本目の記事を読む

日本の「宗教の信仰等に関係する児童虐待」政策に懸念を表明した4人の国連特別報告者たち:左上から順にナジラ・ガネア(宗教または信条の自由)、ファリダ・シャヒード(教育を受ける権利)、イレーヌ・カーン(意見及び表現の自由に対する権利)、クレマン・ニャレツォッシ・ヴーレ(平和的集会及び結社の自由に対する権利)。出典:国連。

親の統一教会に対する信仰によって子どもたちに生じたとされる問題を「救済」するために、日本の文部科学省は、以下のイニシアチブを「取組」の一環として提示した。「悩みや不安を抱える子供の相談体制を確保するため、令和5年度予算においてスクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)の配置を充実(82億円、それぞれ、SC:全公立小中学校27,500校、SSW:全中学校区10,000校区への基礎配置に加え、重点配置を措置)。」するとされている。

国連特別報告者から懸念が示された「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」のガイドライン(日本語リンク)は、カウンセラーやソーシャルワーカーに広く配布され、どのような虐待を探すべきかが周知された。さらに文部科学省の取組には、「また、『宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A』について(通知)」(令和4年12月28日)を各教育委員会等に通知し、宗教に関係することのみを理由として消極的な対応を行わないこと、Q&Aの内容が適切に周知されるよう、SC、SSW等を対象とする研修等においてQ&Aについて扱うように周知した。」、「Q&Aに関するSC・SSWや教職員の認知を高めるため、令和5年1月,6月,9月に文部科学省が開催した行政説明等において上記Q&Aの内容について周知」するとされている。

「ガイドライン」に加え、「取組」では統一教会の元信者や脱会者を講師として、各種カウンセラーの研修を実施することが次の様に定められている。「各相談窓口の相談対応者が被害者等の心情等の理解を深めるために元信者や宗教2世等の方々に研修講師になっていただくなど、元信者や宗教2世等の方々と連携。」

つまり、カウンセラーに対する研修は、統一教会の「犯罪行為」や、その信者に対する「精神的操作」とされるものについて、教え込みをすることであると結論づけられる。

この「研修」と、宗教における児童虐待への「ガイドライン」に基づき、カウンセラーやソーシャルワーカーは、子どもを親の信仰から「保護」するための判断を下す。

また、「取組」では「日本司法支援センター(法テラス)を中核としたワンストップ型相談体制」も実施するとされている。

このワンストップ型相談体制とは、「弁護士、心理専門家、福祉専門家などが参加するセッションを全国で順次開催」することを指す。

この法律相談サービスは、「全国霊感商法対策弁護士連絡会(反統一教会弁護士ネットワーク)」によって提供され、国家予算で全額賄われる旧統一教会の被害者「救済」の一環として、日本司法支援センターを通じて実施されている。「取組」に基づき、「無料法律相談や弁護士費用等の立替え」が提供された。

紀藤正樹弁護士。「全国霊感商法対策弁護士連絡会(反カルト弁護士ネットワーク)」の中心メンバー。出典:X。

「民事法律扶助の積極的な活用」 は、「ガイドライン」に含まれる勧告を実施するために用いられている。ガイドラインの「問4−2」の回答によると、特に、経済的ネグレクト(子どもに十分な経済的支援を提供しないこと) の場合、子どもは親が統一教会に行った献金の取消しを次のように請求することができる。「児童が、児童の保護者に対する扶養請求権等を保全するため、保護者に代わって、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律第8条第1項の規定による取消権等を行使できる場合がある。実際に児童が権利を行使するためには、児童が保護者に対して扶養請求をして扶養義務に係る債権を確定した上で、取消権を行使しなければならない。」

「取組」ではさらに次のように定められている。「申立てをするためには、弁護士が児童のために活動することが手続の円滑に資するため、児童相談所等が対応するに当たっては、弁護士会等の関係機関と連携して対応することが必要である。弁護士会においては、一定の要件を満たせば児童が費用を負担することなく、弁護士に委任をすることができる制度がある。」としている。

この制度により、未成年の子どもは保護者に対して経済的請求を行い、親が統一教会に行った献金の取消しを求めることが可能となる。

さらに「取組」では、「ガイドライン」の適用を推奨しており、特にガイドラインの「問6−1」では次のように述べている。「宗教等に関する児童虐待を受けている可能性のある児童については、保護者から宗教等の教義に基づく考えや価値観の影響を強く受けている場合があるため、自らの置かれている状況を問題として認識し訴えることが難しい場合がある。置かれている状況を客観的にアセスメントし、児童虐待があると疑われる場合には、児童本人や保護者に対して、児童虐待の定義に基づいて説明、指導を行うことが必要である。」

ただし、「ガイドライン」では次のように追記している。「宗教等の教義に基づく児童への親の行為や考えについて指導によっても改善することが困難である場合も想定され、また、指導等を行ったことを契機として、保護者による児童虐待行為がエスカレートすることや、宗教団体等から家庭に対する働きかけが強まること等も懸念されることから、児童の安全の確保を最優先とし、必要な場合には躊躇なく一時保護等の対応を取ることが必要である。」

つまり、親が指導に従うことを渋った場合、たとえば子どもを宗教活動に参加させることをやめるよう求められても応じない場合、一時保護が「救済策」として検討されるべきだと示唆されている。

子どもが上記の日本司法支援センターによるワンストップ相談型相談会を利用するために、フリーダイヤルを通して相談を申し込むと、「弁護士、心理専門職、福祉専門職等によるワンストップ相談会」が実施され、その後、取組に基づいて関係機関等と連携しながら適切な相談窓口へと紹介される。取組では次の様に記されている。「法テラスを中核としたワンストップ型相談体制において、 被害者等からの相談を幅広く受け付けて適切な支援機関等を紹介し、ニーズに応じた相談対応を実施。」

さらに、「取組」の一環として、厚生労働省では以下の方策を発表している。「法テラスに設置される相談窓口からの案内を含め、精神保健福祉センターに旧統一教会を背景とした心の健康に不安がある等の相談があった際には、相談内容が宗教に関わることのみを理由として消極的な対応をしないよう御留意いただくとともに、必要に応じて 精神科医療機関を紹介するなど関係機関とも連携して適切にご対応いただき、相談支援の推進をお願いいたします。」と協力を依頼している。

この指導は令和4年11月10日付け事務連絡、および令和5年3月17日開催の「令和4年度社会・援護局関係主管課長会議」において周知された。また令和5年8月、各都道府県・指定都市の障害保健福祉担当部局にQ&A資料を配布し、上記対応方針についても改めて周知した。

つまり、子どもが日本司法支援センターのワンストップ相談を利用し、心理専門家と話をした場合、その心理専門家の判断により、精神科医療機関へ紹介される可能性がある。

保健医療機関は「ガイドライン」を受け取り、それに従うよう指示されている。

日本政府によって策定・実施されたこの抑圧的な「取組」 は、統一教会信者の子どもたちを、親の意思に反して国家が「ディプログラミング」することを目的としている。

この「取組」は、科学的根拠がなく既に否定された理論である「マインド・コントロール(洗脳)」に基づいている。すなわち、信仰を不当な影響とみなし、「ディプログラミング」と称して、いわゆる「プログラミング」された精神状態から元に戻そうとするものである。

大衆メディアが新宗教運動の指導者による「洗脳」をどのように想像するか。AI生成。

この理論に基づけば、国家が親に代わって子どもの宗教的教育の選択を行うことになり、それは全体主義国家と同様の状況を生み出す。これは、日本が宗教的中立性の義務に違反し、宗教または信念の自由の保護という国際規約を侵害するものである。

この「取組」は、親が自己の信念に従って児童を教育する権利を侵害しており、日本が署名及び批准している「市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)」第18条に明確に違反している。規約には「4. この規約の締約国は父母及び場合により法定保護者が、自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。」と記されている。

さらに、この「取組」は、「子どもの権利条約(CRC)」第14条に基づく親の権利をも侵害している。日本政府はこの条文を意図的に曲解しているが、本来の内容は以下の通りである。「2. 締約国は、児童が1の権利(思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利)を行使するに当たり、父母及び場合により法定保護者が児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利及び義務を尊重する。」

日本政府が実施するこの「取組」と方策は、統一教会信者にとって深刻な状況を生み出しており、国連の人権機関による早急な対応と行動が求められる。

また、この「ガイドライン」は、特定の宗教運動だけでなく、宗教全般を標的にしている。何の対応もなされなければ、統一教会向けに策定されたこの計画が、将来的には他の宗教団体にも拡大されるであろう。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
日本における統一教会の子どもたちのディプログラミング2. 精神科病院が宗教的信仰を「治療」する可能性

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ69


2025年5月28日

信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本における統一教会の子どもたちのディプログラミング1. 新たな「取組」

03/10/2025 Patricia Duval

フランスの弁護士パトリシア・デュバル氏が、国連の4人の特別報告者に送った報告書。日本の反カルト運動の中で、特に深刻な問題を指摘している。

パトリシア・デュバル

2本の記事の1本目

統一教会の家族と教会創設者の韓鶴子博士 (出典:Facebook)

児童の宗教または信条の自由を保障している「児童の権利に関する条約」(以下「条約」という)第14条1項を、悪意をもって歪めた解釈に基づき、日本は少数派宗教の信者の子どもたちを保護し、親の信仰から救出する必要があると決定した。なぜなら、日本当局は「児童の場合には必ずしも自由意思によって宗教等を信仰しているとは限らない」と主張しているからである。

条約第14条2項、および市民的及び社会的権利に関する国際規約(自由権規約)第18条4項で保護されている、親が自らの宗教的信念に基づいて子どもを教育する権利を完全に無視し、日本政府は特に統一教会(現在の正式名称は「世界平和統一家庭連合」だが、いまだに旧名称で呼ばれることが多い)とその信者を標的とする新たな支援の充実・強化策を立案した。

この新たな取組は『「旧統一教会」問題に係る被害者等への支援に関する関係閣僚会議』と題され、2024年1月19日に首相官邸で開かれた関係閣僚会議で正式に採択された。その内容には、未成年の子どもたちを親の信仰から引き離し、対立を煽る一連の「支援策」が含まれている。その結果、子どもたちは新たな後見人の任命を請求できるようになり、さらに、国家が資金を提供する弁護士を通じて、親が統一教会に献金した資金の返還を裁判で求めることが可能になる。

2024年1月に採択された政府の措置(以下、「取組」)では、次の方策が実施される。

1. 小学校の子ども向けに、イラストやインターネット上のチャットボックスを通じて、宗教的信念に関連する児童虐待について教える。この虐待には、子どもを宗教活動に参加させること、地獄の概念を用いた厳格な道徳観の押し付け、信仰告白などが含まれる。

2. 人権教室の啓発セッションを通じて、宗教団体への献金に関する「消費者教育」を行い、特に統一教会の「違法な経済活動」を強調することで、子どもたちに対し、親の献金によって自分たちが陥るかもしれない経済的影響について認識させる。

3. 子どもが記入できるSOSミニレターや、相談窓口の電話番号が記載されたリーフレットを配布し、子どもがさらなる質問をしたり、相談員と話せるようにする

4. 統一教会の脱会者によって訓練を受けたカウンセラーによる相談サービスの提供。

5. 「親の宗教に不安を感じる」子どもへのカウンセリングを実施し、必要に応じて精神医療機関へ紹介。

6. 生活困窮や「普通の社交活動」ができないと訴える子どもを弁護士に紹介し、親の教会への献金の取り消しや損害賠償請求を支援する。

7. 「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」に基づき、虐待と判断された場合に親権の停止や一時的な保護措置を求め、親の影響から子どもを「保護」する。

日本で子どもたちに配布されているパンフレットでは、「宗教活動等への参加を強制すること」や「『地獄に落ちる』などの言葉で脅される」ことが虐待に当たる可能性があると説明されている。

本取組の目的は、「虐待等の被害を受けていることを認識しづらい、声を上げづらい宗教2世等のこども・若者が相談しやすい環境の整備」である。

子どもたちが、信仰を持つ親によって「虐待を受けている」と「認識」できるようにするため、以下の措置が強化される。「学校等を訪問して行う『人権教室』の実施先の拡大(小学校から中学・高校へ)、小中学校の生徒への『こどもの人権SOSミニレター』の配布」。(法務省)

本取組では、「学校現場における教育はもとより、これとの連携の下に行われる法務省の人権擁護機関による『人権教室』、出前講座等の消費者教育は、こども・若者が視野を広げ、多角的なものの考え方を身につける上で、極めて重要である。」とされている。

つまり、「人権擁護」機関の役割は、子どもたちに対して親の信仰に対する「批判的思考」を育てることにある。

本取組では、「保護者等による信仰を理由とするものであっても、その行為によっては、こどもに対する人権侵害に当たる場合もあることを理解させ、啓発活動の強化」するとしている。

この方針は、2024年4月30日に4人の国連特別報告者が日本政府に対して正式な書簡を送るきっかけとなったガイドラインに基づいている。このガイドラインは、厚生労働省が2022年12月27日に発表した「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」(以下「ガイドライン」または「Q&A」)と題された文書である。

このガイドラインには、以下のような内容が含まれている。
・ 宗教活動等への参加を強制することは「心理的虐待」に当たる。
・ 児童に対して自身の性に関する経験を他者に開示することを強制する行為は「性的虐待」に該当する。
・ 激しい言葉での叱責や「地獄に落ちる」などの言葉を用いての脅し等により幼少期からの継続的な恐怖の刷り込み等は児童虐待に当たる。

要するに、法務省の人権教室で提供される「教育」は、子どもたちに宗教のせいで幼少期から親に虐待されてきたと認識させることを目的としている。

東京にある法務省赤レンガ棟 Wikimedia Commons

本取組によると、「宗教との関わりに起因した潜在的な悩みについて、こどもたちが法務省の人権擁護機関に相談できることや学校等を通じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに相談できることを伝える」ことも目的の一つとされている。

この取組では、これまでに行われた施策の実績として次の数字を示している。「令和4年度における人権教室の実施回数(大人の人権教室を除く。)は約12,300回」

また、2024年1月以降の「法務省の取組」として、以下の施策が挙げられている。「こどもが気軽に法務省の人権擁護機関に相談することができるよう、相談ツールの利用機会の拡大。」「毎学期に全小中学生に配付しているSOSミニレターの設置場所の拡大(児童相談所、児童養護施設、放課後児童クラブ等への新規設置)」。

また、相談事例も表記されており、その一例として 「親の宗教のことで悩んでいる。」 という相談が挙げられている。さらに、本取組は次の配布実績も示している。「令和5年度第1・第2四半期のSOSミニレターの配布枚数は約1125万枚。」「LINE人権相談周知用カードの配布や設置」。

つまり、ここで問題となることは、実際の虐待や「被害者」の存在が確認されていないにもかかわらず、親が「精神的操作」を受け、それが子どもにも及ぶ可能性があるという曖昧かつ恣意的な概念に基づいて、未成年の子どもたちを標的とした大規模な、家庭を不安定に陥らせるキャンペーンが実施されているという点である。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
日本における統一教会の子どもたちのディプログラミング 1. 新たな「取組」

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ68


2025年5月21日

信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:次はPL教団(パーフェクト・リバティー教団)が標的に

03/08/2025 Massimo Introvigne

日本の裁判所の判決により、宗教団体への多額の献金を疑わしく思う風潮が、数百もの団体を潜在的な標的にする可能性があることが確認された。

マッシモ・イントロヴィニエ

大阪府富田林市にある「大平和祈念塔」は、戦争犠牲者を追悼するために、1970年にPL教団によって建立された。Credits

2022年7月、日本の安倍晋三元首相が暗殺された。犯人の男は、安倍氏が統一教会(現在の「世界平和統一家庭連合」)と親しい関係にあったことを理由に、彼を罰したかったと主張した。また、犯人は統一教会を憎んでおり、その理由として、彼の母親が統一教会の信者として過度な献金を行った結果、2002年に破産したことを挙げた。なお、その破産は事件の20年前に起きたものである。

この事件をきっかけに、反カルト運動と弁護士団体の扇動により、統一教会や「カルト」に対する全国的な社会的パニックと魔女狩りが発生した。その結果として、新たな法律や規制が制定され、宗教団体に対して「社会的相当性を逸脱する」献金を行った信者やその家族が、たとえ何十年経っていても、その献金を取り戻せるようになった。この法律は、宗教団体が信者を「洗脳」して献金させているという理論を前提としている。しかし、この「洗脳」理論は前世紀以降、ほとんどの民主主義国家の学者や裁判所によって疑似科学的として否定されている。

日本では多くの宗教団体が、新しいこの法律に対して公然と批判することはなかった。それらの法律が主に統一教会を「罰する」ことを目的としていると考えていたからだ。しかし、『Bitter Winter』は一貫して、この法律がすべての宗教にとって危険であると警告してきた。なぜなら、献金を募る際に団体が信者に与える「困惑」や「威迫」といった概念が曖昧で定義されておらず、反カルト活動家や貪欲な弁護士によって悪意ある解釈がなされ、気に入らない宗教団体を破壊するために利用される恐れがあるからである。法律は遡及適用されることはないが、その存在自体が、宗教団体への大口献金を疑わしく思わせる風潮を生み出し、新法が直接適用されない場合でも、献金に対する否定的な判断を助長する可能性がある。

2月14日、日本のメディアは、高知地方裁判所がPL教団の2世信者である女性の訴えを認めたと報じた。彼女の弁護士は、明らかに統一教会の裁判例に触発され、宗教団体に対し、寄付金986万円の返還と損害賠償を求め、総額1100万円の支払いを請求した。裁判官は、この女性が「反社会的な」献金の勧誘の被害者であると認定し、特に彼女が精神的に不安定な状態にあり、ストーカー被害の妄想を抱いていたこと、また「社会通念上相当な範囲を逸脱する」献金を行い、それによって「経済的困窮を引き起こし、家庭の財政を混乱させた」と判断した。報道によると、判決では2023年の新法には言及されていないものの、2024年の最高裁による統一教会に関する判決の基準に従っているようである。

この判決は、市民的及び政治的自由に関する国際規約(ICCPR=自由権規約)に違反する可能性がある。なぜなら、「社会的相当性」という概念に基づいて宗教の自由に制限を課しているからだ。パトリシア・デュバル弁護士が統一教会事件に関する研究で示したように、「社会的相当性」は、自由権規約の下で信教の自由の制限を正当化する基準に含まれていない。さらに、この判決は、宗教団体に対し、献金を受け入れる前に、それが「家庭の財政を混乱させるかどうか」を確認する義務を課している。しかし、これは寄付者の財務状況を調査することを意味し、宗教団体がプライバシー法を侵害せずに行うことは不可能である。実際には、これらの判決は、大口の献金を一般的に禁止する結果を生み出しているのである。

左から順に、御木徳一(1871–1938)、御木徳近(1900–1983)、御木貴日(1957–2020)。出典:PL教団。

私は1980年代、日本とブラジルにおいて、PL教団を訪れた最初の非日本人研究者の一人である。そして1989年、私のイタリア語の百科事典『Le nuove religioni(新宗教)』にPL教団についての項目を執筆した。PL教団は、日本の「山岳宗教」の長い伝統を受け継ぐ宗教団体であり、その起源は1912年に大阪の商人・金田徳光が神道系の御嶽教の分派として創設した「御嶽教徳光大教会」にさかのぼる。金田の主な信奉者の一人が、教祖の御木徳一であった。彼は1931年に教団の名称を「ひとのみち」と改め、信者数を約100万人にまで増やした。1938年に御木徳一が亡くなると、その息子である御木徳近が後を継いだ。しかし、戦時中の軍国主義政権を支持しなかった他の宗教団体と同様に、「ひとのみち」は解散させられ、御木徳近は逮捕された。彼は1946年に釈放され、その後、教団を再編し、「PL教団」と改称した。1983年、御木徳近が亡くなると、養子の御木貴日が教団を継承し、2020年に彼が亡くなるまで、PL教団の信者数は約300万人に達していた。特に中南米で大きく発展し、アメリカ、カナダ、その他の国々にも信者を持つようになった。

PL教団は、「人生は芸術である」という理念で知られており、人間のあらゆる真の自己表現が、美を通じて幸福を生み出すと考えている。その一環としてスポーツも重視しており、PL教団は大阪にあるPL学園高校の野球部の卓越した実力でも広く知られていた。しかし、この野球部の活動は2016年に終了している。

PL教団における献金は、その中心教義を通じて理解されるべきものである。創造的で芸術的な自己表現は、神の計画と一致しており、人間が日常生活において十分な注意と責任を持って行動することが求められる。しかし、残念ながら、それが常に実践されるわけではない。その場合、人間は神の世界から「警告(みしらせ)」を受け取る。これは事故、病気、不運といった形で現れることがある。これらの警告は厳しいものではあるが、最終的には人間が自らの人生を正しい道に戻すための有益なものである。信者は、自らの不運の根本的な原因を探るため、「神示(みおしえ)」を求めるよう勧められる。通常、これはPL教団の本部に書面で相談を送ることで行われる。私が1980年代にPL教団を調査した際、信者が「みおしえ」を求める手紙を送っただけで、まだ返答を受け取る前に問題が解決したという話をいくつも聞いた。

しかし、この相談には、神霊(みたま)の前での祈り(おやしきり)と、信者の誠意(まこと)を示すための献金(宝生・ほうしょう)が伴うべきとされている。特別に聖別された封筒に包まれた献金は、PL教団の信仰の道において重要な役割を果たしている。この献金への干渉は、宗教または信条の自由に対する重大な侵害である。統一教会に対する反対キャンペーン後の日本においては、もはやどの宗教も安全ではないことが証明された。そして今、その矛先はPL教団に向けられている。次に標的にされるのは、いったいどの宗教だろうか。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
日本:次はPL教団(パーフェクト・リバティー教団)が標的に

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ67


2025年5月14日

信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:反カルト活動家がMIVILUDESのような反カルト機関の設立を提案

03/07/2025 Massimo Introvigne

驚くべきことに、彼らは安倍氏暗殺後に導入された「カルト」に対する厳しい措置では不十分だと主張している。

マッシモ・イントロヴィニエ

日本の国会Credits

2025年2月25日、日本弁護士連合会(長年にわたり反カルトキャンペーンに関与してきた団体)は、全国統一教会被害対策弁護団、日本政治弁護士連合会と協力し、日本の国会で「カルト」に対する一連の措置を支持するイベントを開催した。

配布された資料には、以下の3つの提案が含まれていた。①カルトの「被害者」救済のための法制度を強化し、宗教法人が解散した場合、その資産が現在および将来の「被害者」に渡るようにする。②「意思決定の自由を侵害することを防止するための新たな法的枠組み」の策定。③「カルト」との闘いを担う「省庁横断的な組織の設立」。本記事では、3つ目の提案(以下、「本提案」または「提案書」)についてのみ取り上げる。

本提案では、2022年に発生した安倍晋三元首相の暗殺事件に言及している。この事件では、旧統一教会(現在は「世界平和統一家庭連合」と改称されたが、依然として旧名称で呼ばれることが多い)と安倍氏の関係を問題視した犯人が、教団への報復として彼を襲撃した。この事件を受けて、日本政府は旧統一教会を宗教法人として解散させるための訴訟を起こし、宗教団体への寄付や子どもの宗教教育に関する新たな法律や指針を制定した。

これらの措置は、国連の4人の特別報告者を含む国際的な専門家から、信教の自由を深刻に制限するとして広く批判された。しかし、本提案によれば、これでもまだ不十分だという。提案書では、より広範な「カルト問題」の存在を主張し、その対策のモデルとして「フランスの反カルト法」を挙げている。提案書の脚注では、2001年に制定された「反セクト法(アブ・ピカール法)」に言及している。なお、この提案は2023年に作成されたため、2024年に導入された反セクト法の改正(これにより法律はさらに厳しくなった)については考慮されていない。しかし、本提案にはすでに「カルト」対策の対象を宗教団体にとどまらず、「政治、経済、教育関連のセミナー、心理療法、医療、カウンセリング活動を行う組織」にまで拡大することが盛り込まれている。これは、フランスにおける「セクト(カルト)的逸脱(dérives sectaires)」の概念が最近拡張されている流れと一致している。

本提案は、「カルト」が「精神的依存」や「マインド・コントロール」(つまり「洗脳」)を生み出すとする、すでに否定された理論に基づいている。提案書では、「マインド・コントロール下で財産的被害を受けるだけではなく、職業キャリアを途絶させられたり、適切な医療を受ける機会を逸したり、団体によって決められた結婚を強いられたり、結婚生活においてDV等を受忍させられたりしている」と主張されている。

さらに、「マインド・コントロール」は、「カルト」で生まれ育った二世信者の人生において支配的な要因であるとされている。提案書によれば、「宗教二世は生まれながらにして、あるいは幼少期から信仰を強制され、精神面はもとより、場合によっては経済的・肉体的にも虐待を受ける等(過度な恐怖や罪意識の植え付け、友人や恋人を作るなど団体外部の人や社会との交流をさせない、布教活動等への強制的な従事、貧困、就学・就労機会のはく奪、体罰等の身体的暴力等)」と述べられている。

この提案は、特定の教義を弾圧するものでないため、信教の自由に反するものでなく、提案書で「被害者」と見なす人への 「被害」を防ぐためのものだと主張し、いつもの偽善文句を持ち出している。しかし、実際には、信者が外部の人々に教義を広めることや、自らの子どもに信仰を継承することさえも「被害」と見なしており、結局のところ、提案の本質は教義そのものを標的にしていることが明らかである。

提案書では、「カルト研究センター」の設立構想は1990年代からすでに提唱されていたが、「設置の実現には至らず、被害が再び顕在化したのである。」と指摘している。実際には、日本の反カルト団体は非常に活発であり、特に安倍氏暗殺事件以降、メディアの議論を主導してきたにもかかわらず、提案書では「日本にはこの問題に継続的・総合的に取り組む組織等が欠如している。」と主張している。また、提案書は、全国霊感商法対策弁護士連絡会や日本脱カルト協会などの民間の反カルト組織の存在を認めつつも、「これら民間団体は、その構成員の無償のボランティア的活動によって支えられているという実情があり、そのマンパワーは有限であって、永続性も担保されていない。」と嘆きながら、この問題を「民間団体のみに任せるのではなく、国として継続的に取り組む必要性が存することは明らかである。」と訴えている。

さらに提案書では、政府はこれまで消費者保護の観点から対策を講じてきたものの、「カルト被害は、前述のとおり、社会に対して様々な形で継続的に甚大な被害を及ぼし続けており、消費者被害にとどまるものではない。」と主張している。

日弁連の事務所が入っている弁護士会館 Credit

提案書では、「国は、カルト被害に特化した注意喚起・予防のための広報も行うべきである。殊に若者に対する注意喚起・予防が肝要となるところ、カルト問題対策に取り組む大学は増加しているものの未だ十分ではない」とし、国においては、「義務教育その他の教育の機会、公共放送等を通じて、カルト被害を紹介し、若者を中心とした一般市民に対して、カルト被害に通じる勧誘からの抵抗力をつけるための施策等も検討されるべきである。」と主張している。しかし、「布教の自由」を含む信教の自由を制限することなく、これをどのように行うことができるのか、その点については明確に説明されていない。

また、提案書は「被害者への支援体制」を求めており、その対象には「カルト」を離脱した者と留まっている者の両方が含まれる。しかし、後者に対する「支援」の内容は曖昧な表現にとどまる。明記されてはいないが、実質的には脱会を促す「ディプログラミング」を合法化しようとしていると考えられる。

結論として、日本政府に対し、フランスのMIVILUDES(セクト的逸脱行為関係省庁警戒対策本部=フランスの反カルト政府機関)と似たような、省庁横断的な反カルト組織の設立を求めている。さらに、この機関を通じてカルト問題に取り組む民間団体への「財政支援」を行うことを提案している。しかし、皮肉なことに、フランスでは現在、反カルト・反過激派対策に充てられた税金の使途について不正疑惑や調査が相次いでおり、実際には存在しなかったイベントへの資金提供など、資金の流用が問題視されている状況である。

フランスでのMIVILUDESに対する抗議

当然、日本のこの提案書の問題点は、フランスのMIVILUDESが直面してきた問題と同じであり、フランス当局に対する国際的批判を招いている点でも共通している。フランスでは、「secte(カルト)」の定義が曖昧である点に対して、「カルト」という用語の代わりに「dérives sectaires(セクト的逸脱)」という表現を使うことで、この問題を回避しようとしてきた。提案書によれば、フランスでは「その活動に参加する人の精神又は身体において強度の依存状態を作り出し、維持し、利用することを目的又は効果とする活動を行う団体」が「カルト」と見なされるとされている。しかし、フランスの法律自体の解釈が曖昧であることに加え、宗教団体が「被害者」を物理的に監禁するケースは稀である(むしろ、「脱カルト」を目的とした強制的な「ディプログラミング」においてはよく見られる)。また、「心理的依存」という概念も、「カルト」の定義と同様に曖昧であり、その根拠となる洗脳理論は、20世紀以来、学術的にも司法的にも非科学的なものとして退けられている。

結局のところ、この議論は循環論法に陥る。ある団体が「洗脳」を行っていることが分かるのは、それが「カルト」だからである。そして、その団体が「カルト」であることが分かるのは、「洗脳」を行っているからである、という様に、「カルト」とラベル付けされた団体が生み出す「心理的依存」と、主流の宗教、心理学者、政治団体、さらには反カルト団体が生み出す「心理的依存」との間には明確な線引きは存在しない。さらに本提案では、「カルト」の親から宗教2世へ「心理的依存」を植え付けられるとされているが、実際には、どのような家庭であれ、宗教的信念の有無にかかわらず、親が子どもに対して何らかの心理的依存を生じさせるのは自然なことであり、夫婦間においても同様の現象が見られる。

日本で提案されている制度は、すでにフランスで機能している典型的な反カルト論理に基づいている。それは、「心理的依存」を生じさせ、「洗脳」を行う団体を「カルト」とみなすが、その「カルト」とされる団体は、民間の反カルト団体が独自の文化的・政治的アジェンダに基づいて指定する、というものだ。提案書は、日本政府に対し、こうした反カルト団体の理論やブラックリストを無条件に受け入れるよう求め、国家主導のプロパガンダを通じてそれを広め、差別を助長し、さらに反カルト運動を日本の税金で支援するよう求めているのである。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
日本:反カルト活動家がMIVILUDESのような反カルト機関の設立を提案

カテゴリー: BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ

BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ66


2025年5月7日

信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本、統一教会解散命令訴訟における虚偽の主張3 疑わしい戦術が訴訟の弱点を露呈

02/24/2025 Nobuya Fukumoto

統一教会の代理人を務める弁護士の一人が訴訟の説明を締めくくり、いくつかの一般的なコメントを述べる。

福本修也

3本の記事の3本目。1本目2本目を読む。
東京の文部科学省の新旧庁舎。Xより。

W1、W2の陳述書作成に見られる文科省の悪質性

W1、W2ともに、以下の経過を辿っているが、①⇒②⇒③と段階を経るごとに虚構が増し加わっていることで共通している。
 ①弁護士抜きでの交渉
 ②全国弁連の弁護士による通知書送付
 ③文科省担当者による陳述書作成

こうした虚構に関し、W1は自身が陳述書に署名捺印した際、細かくは読んでいなかったと供述し、W2は、陳述書には記憶にないことが書かれていることを認めた。これでは、文科省による捏造の事実を認めるにも等しい。

文科省提出陳述書全般に見られる虚偽内容

W1、W2以外の者の陳述書について、文科省の担当者が勝手に内容を書き加えたものや、本人の知らないところで勝手に作成されたものがあることが別途判明している。

(1)W3の陳述書

 家庭連合信者W3(当時65歳の男性)によると、文科省担当者は陳述書作成の意図を告げずにW3から体験談を聞き出し、その内容を元に2023年9月20日付でW3名義の陳述書を作成し、裁判所に提出した。W3は後日、家庭連合側からの連絡で、このことを知った。W3が陳述書を読んだところ、W3が実際には話していない記載が複数書かれていた。即ち、実際には、W3は自由意思によって信仰し、献金を行い、祝福式に参加するなどの活動を行ったものであったが、陳述書には、「先祖因縁で不幸になる」「地獄に墜ちる」などと言われ、恐怖心から多額の献金をしたり、物品を購入したり、合同結婚式に参加するなどしたと虚偽の事実が書かれていた。

そこでW3は、家庭連合側から陳述書を提出し、文科省が勝手に書いた箇所の削除を求めた。

(2)W4の陳述書

W4は91歳の元女性信者で、信仰心に基づき自由意思によって統一教会に入会し、献金等を捧げ、娘や夫を伝道し、長年熱心な信仰生活を続けた。ところが、安倍元総理銃撃事件後のメディア報道によって扇動された息子達から強い反対を受けた際、高齢のために抵抗できず、家庭連合を脱会した。しかし、信仰は失わなかった。

文科省は、34頁に及ぶW4名義の陳述書(2023年12月23日付)を裁判所に提出した。また、息子達の主導でW4による献金返還請求手続が行われた。このことを知った娘がW4に会って話を聞いたところ、W4は、陳述書を作成したことはないし、献金返還も望んでいないと答えた。陳述書も、息子らと文科省の担当者とで作成したものだろうとのことであった。
 
陳述書内容は、事実と全く異なるものであった。特に、陳述書には、W4の夫が先祖の因縁で鬱病になったと言われてビデオセンターに勧誘され、壺を購入させられたとの記載があったが、夫の鬱病は1959年のことで、2ヶ月で回復しており、W4が家庭連合の信者に勧誘された1985年の26年前のことだった。

家族の鬱病が先祖の因縁のせいだと説かれたと虚構する点は、W1の陳述書における事実捏造と同様の手口だった。

(3)W1~W4以外の陳述書について

W1~W4以外の陳述書も、判で押したように「先祖因縁」「地獄」「アダム・イブ」(家庭連合では「エバ」と言う)といった言葉が繰り返されており、文科省が意図的・組織的に本人の認識と異なる内容虚偽の陳述書を捏造した事実は明らかである。そもそも通常の成人が、「先祖因縁」「地獄」といった話に怯えて大事な意思決定をすることはあり得ない。

これは、元々、天のため、世界人類のためという動機から自由意思によって行った献金等を巡り、元信者が損害賠償請求を行う際に、殊更に請求を理由あらしめるために全国弁連が用いていた手法に他ならず、こうした悪質な手法が宗教法人解散命令申立事件で用いられることはあってはならない。

2024年7月、新潟での家庭連合/統一教会信者による抗議活動。

英国裁判との比較検証

本件で明らかになった虚偽陳述書の捏造に関連し,本件と比較して考察すべき海外の裁判事例として,英国政府が統一教会を訴えた事件がある。

1984年,英国政府は,「統一教会は宗教ではない」という理由で英国統一教会の慈善団体としての地位剥奪を求める訴訟を提起した。しかし,統一教会側証人として証言に立った国際的に著名な大学の著名な宗教学者らにより,

1.統一教会の教理には宗教性が認められる
2.洗脳,強要,マインド・コントロールは存在しない
3.背教者,特にディプログラミングされた者の敵対的証言は適切な証言とは見ることができない

という専門的知見に基づく反証がなされ,政府側証人であったディプログラミングを受けた背教者やディプログラマーらの証言が全く信用できないことが明らかにされた。

そのため,英国政府は,訴訟の取下げを余儀なくされ,訴訟費用の支払いが政府に命じられた。

英国の事件では,背教者らが行った証言内容の具体的虚偽性の立証以前に背教者らの属性として一律に証言の信用性が否定されたものであったが,本件で証明された事実はそれに留まるものではない。本件では,申立人側証人であるW1とW2が全国弁連介入によって背教者と化し,全国弁連から申立人に紹介されて後,申立人の手により悪質な虚偽陳述書が捏造された具体的事実及び事実捏造経緯が証明され,他方で,申立人が別途作成したW3及びW4陳述書の名義人本人の暴露証言により虚偽陳述書捏造の悪質な舞台裏が明らかになり,本件各証人尋問の結果から,上記舞台裏と全く同様のことがW1の陳述書作成においても行われたことが証明されたのである。

すなわち,本件は,申立人側証人である背教者が行う具体的な証言の虚偽性及び虚偽捏造過程までもが証明されている点において,英国裁判でなされた反証のレベルを遙かに凌いでいるのである。

英国政府においては,反カルト勢力の悪魔の囁きに乗ってしまったことに気づき,自らの誤りを潔く認めて訴えを取り下げた。

しかるに,申立人においては,虚偽捏造事実が白日の下に明らかにされたにもかかわらず,厚顔無恥にも,自らが犯した犯罪ともいうべき誤りを認めて反省する気配もなければ,本件申立てを取り下げる勇気もないようである。

いずれ,日本政府は,国際社会から,英国政府との比較において国家としての品格を問われることになるであろう.

文科省が、意図的・組織的に虚偽事実を記載した陳述書を捏造したのは、そうしなければ、家庭連合に対する解散命令申立事件を提起することができず、かつ、同裁判で勝てないと同省自身が判断したからにほかならない。証拠を捏造してまで宗教法人の解散命令を申し立てた文科省の罪は極めて重いと言わざるを得ない。しかも、解散命令申立事件の審理の過程で、解散命令の根拠となる証拠とされた陳述書が虚偽捏造であったという事実が明らかになった以上、本来であれば、統一教会の慈善団体資格剥奪を求める訴えを1984年に提起しながら、国側証人(背教者やディプログラマー)の証言の虚偽性が明らかになって1988年に訴えを取り下げた英国政府のように、文科省も潔く本件申立てを取り下げるべきであった。しかしながら、文科省にそのような態度は全くみられない。虚偽捏造により家庭連合を陥れ、その虚偽捏造事実が明らかになったにもかかわらず,解散命令申立事件をなおも続行する文科省の姿勢は極めて悪質であり、「歴史の審判」を免れないであろう。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
日本、統一教会解散訴訟における虚偽の主張3 疑わしい戦術が訴訟の弱点を露呈

カテゴリー: BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ

BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ65


2025年4月30日

信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本、統一教会解散命令訴訟における虚偽の主張2 証言の崩壊

02/22/2025 Nobuya Fukumoto

統一教会の代理人弁護士の一人が、この事件で政府が用いた非倫理的な戦術について語る。

福本修也

3本の記事の2本目。1本目を読む。

統一教会/家庭連合の解散を求める訴訟が提起された東京地方裁判所

W2の陳述書での供述内容

W2は1955年生まれの女性で2023年7月に陳述書を作成した当時68歳の元信者であった。W2の陳述書には以下の経緯が記されていた。

時期 出来事
2004年頃 K県で働いていた際に職場の同僚からの誘いで家庭連合の教義を学び始めた。


18万円で印鑑購入

2005年9月 Y県U市に転居し、家に尋ねてきた信者らからの勧誘を受け、ビデオセンターで家庭連合の教義を学び、「統一教会に献金をすることで徳を積み、天国に行くことができる」という教義に従って献金した。
2006年頃 W2の兄が自殺していたことを理由にT基台長から以下の因縁話をされて恐くなり、弥勒像を購入した。
・自殺した人は地獄に行く
・兄は霊界で苦しんでいるので、地獄から引き上げなければならない。そのために弥勒菩薩を授かりなさい
・お兄さんを地獄から引き上げれば家族も幸せになる
・弥勒像の値段は180万円だが、既に80万円献金していたので、100万円で良い。


弥勒像購入の1ヶ月後、生活が苦しくなりT基台長に100万円の返還を求めたが拒否された。


T基台長から、兄は地獄で苦しんでいるなどと言われ兄ら3名を特別解怨し献金36万円を支払った(12万円×3体)。

2007年12月 展示会でネックレスとイヤリングを27万円で購入
2013年頃 展示会で磁気ネックレス2本を11万~12万円で購入
2013年7月 展示会でペンダントを30万円で購入
2014年 80万円献金
2016年 訪韓ツアー7万円
2019年 強く勧められて先祖解怨のため30万円献金


T基台長から怒られて父母経のため40万円献金

2021年 7万2000円献金
2010年~2021年 奉献書献金5万円(5000円×10回)
2015年~2022年 体に良いと言われ高麗人参エキス3個購入(合計18万円)

2024年7月、三重県で解散訴訟に抗議する家庭連合のメンバーたち。

W2の陳述書における供述の虚偽性

以下の事実からW2の陳述書における供述の虚偽性は明らかだった。
 ① 現役の信者からの話によると、W2がK県のビデオセンターで見た弥勒像が欲しいと
  何度も言っていたため、信徒らが探してきて献金の記念品として贈呈したが、この
  ときにW2がした献金は100万円だった(180万円ではない)。また、現役の信者
  の誰も、W2の兄が自殺したと聞いた者はいなかった。2023年2月22日付で全国
  弁連の弁護士が家庭連合に送った通知書にも、兄の自殺のことは一切触れられて
  いなかった。
  教会側の記録(証拠有り)によると、兄の特別解怨がされたのは2013年1月であり
  弥勒像の贈呈がされた2006年よりもずっと後のことであり、残りの2名の特別解怨
  を行ったのはさらにその数年後のことで、これらも同時ではなく別々の機会に行わ
  れたものであった。弥勒像贈呈の際の100万円の献金の1ヶ月後に、生活苦になり
  献金返還を求めたと供述するW2が、同じ2006年に重ねて36万円献金したというの
  も矛盾であった。また、そもそも兄の救いのため弥勒像を購入したのであれば、
  何故直後に兄の特別解怨をしたのか説明がつかなかった。
 ② W2は、アベル・カインの教義のために、Tに逆らえなかった(マインド・コントロ
  ール)とか、Tから怒られて献金したと陳述書で述べているが、Tをはじめとする現
  役の信者らの話によると全くの事実無根だった。むしろ、W2は、証言ビデオでは、
  Tのことを深く信頼し、自分が入院中にもTが見舞いに来てくれて本当に良くして下
  さったと言って心から感謝の言葉を述べていたほどである。
 ③ W2が家庭連合の儀式(祝福式等)に参加したとき笑顔で写っている写真が複数
  あった。
 ④ 2008年~2011年の間、W2は家庭連合をやめて創価学会の信仰を持つようになっ
  た。ところが、弥勒像を山中で壊した直後、長男が暴力事件を起こしたことから、
  W2は悔い改めて家庭連合に戻った。そのときの心境を吐露したW2の証言ビデオが
  残っており、その中でW2は、「創価学会」という団体名にこそ触れなかったが、
  「何年も行ったり来たりの繰り返しをしていくうちに自分が病気になってしまっ
  た」、「このぶれない気持ちをしっかり持って行く」、「こうして教会に来させて
  頂くことは、本当にありがたく思っています」と述べている。

W2に対する尋問結果

上記「(2)」の「①」~「④」に関して、W2は尋問で以下の通り供述した。

上記「①」との関係で、兄ら3人に対する特別解怨に向け、T基台長から何と言われたか聞かれたW2は、陳述書に書かれた内容を全く答えられなかった。のみならず、陳述書にはW2自身の記憶にないことが書かれていると供述した。また、W2が弥勒像購入原資とした兄の保険金が100万円であったなど、弥勒像のため支払った金額が100万円であったことを実質上認めた。また、W2は、「統一教会に献金をすることで徳を積み、天国に行くことができる」というのが嘘だったから家庭連合に騙されたと供述した。まだ生きているので天国に入れるかどうか分からないのではとの質問を受けると、細かいことは分からないと供述した。

「②」に関してW2は、カインが何故アベルに従わなければならないかの理由を聞かれ、全く答えられなかった。のみならず、アベルとカインのことが聖書のどこに記載されているか答えることができず、また、アベルとカインの親が誰かと問われても、答えることもできなかった。要するに、アベル・カインの教義のゆえにTに逆らえなかったというのは虚偽であることが判明した。

「③」に関してW2は、儀式(独身祝福、霊肉祝福)に参加したときに笑顔で写っている写真を見せられ、このときは感謝し喜んでいたことを認めた。また、信仰していたときには、祝福に希望を持っていたと供述した。

「④」に関してW2は、創価学会に誘われたことがあることのみを認め、その信仰を持ったことは否定した。また、長男が暴力事件を起こしたことも否定した。しかし、創価学会の人と一緒に弥勒像を壊しに行ったこと、弥勒像を壊した直後に家庭連合に戻ったことは認めた。仏像や仏壇を壊すのは創価学会に特有のことであるため、W2が創価学会の信仰を持った事実を実質認めた結果となった。文科省は、家庭連合を離れると不幸になったり地獄に落ちるという恐怖心のゆえに信者らは家庭連合の信仰を辞められなかったのだ(マインド・コントロール)と主張し、W2の陳述書にも同旨の記載をしていたため、W2が自由意思により家庭連合を離れて創価学会に行った事実及び自由意思により家庭連合に再び戻ってきた事実を何としても隠蔽したかったものと考えられる。W2自身による信仰比較の結果、解散命令申立ての対象となっていない創価学会よりも解散申立ての対象となっている家庭連合の教えの方がW2にとって魂の救済に資する教えであると判断して行動したという事実は、文科省が絶対に裁判所に隠蔽したい事実であったため、W2を指導し、創価学会に行ったことを否定させたものと考えられる(文科省側のW2に対する証人尋問では明らかな偽証教唆と認められる問答がいくつかある)。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
日本、統一教会解散命令訴訟における虚偽の主張2 証言の崩壊

カテゴリー: BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ