BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ82


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:統一教会解散決定における法的問題点 2.信教の自由

04/23/2025 Nobuya Fukumoto

裁判所は、判断が信教の自由を侵害するものではないという説得力のない見解を示し、さらに寄付に関する新法を遡及的に適用した。

福本修也

4本の記事の2本目

解散決定後の記者会見に臨む、日本の家庭連合の田中富広会長。

この連載の第1回では、日本が「公共の福祉」を理由に人権を制限しないよう求める国連の3つの勧告について触れた。

しかし、文科省は、この勧告を無視して、「公共の福祉」を理由とする解散命令を申し立てた。即ち、文科省が解散命令申立の根拠条文として挙げた宗教法人法81条1項1号は、「法令違反」のみならず、「著しく公共の福祉を害することが明らかに認められる行為」との要件を含んでおり、「公共の福祉」を理由に解散命令を申し立てたものである。

宗教法人を解散すれば、その宗教施設等を利用し続けることができなくなり、信徒らは、当該施設において宗教的表現を行うことができなくなる。従って、「公共の福祉」を理由に宗教的表現を制約することになり、明らかに国連勧告に違反している。

東京地裁は、解散命令は、信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を一切伴わないものと判示しつつ(最高裁決定踏襲)、法人格の喪失により事実上生ずる影響は、法人格を有していたことに伴う反射的利益だと判示した(103頁)。反射的利益だから、制約しても信教の自由や宗教的表現の自由の制約にはならないとの趣旨のようである。

2024年7月21日、長野で宗教の自由を求めて行進する家庭連合のメンバー。

なお、東京地裁は信教の自由に一切の配慮を示していないわけではなく、信教の自由に対して事実上の支障が生じることは認める。その結果、宗教法人を解散するには「必要やむを得ない」ことが必要であるとする(102頁)。しかし、実際には、後記のとおり、必要やむを得ないとは到底言えない本件事案において解散事由を認定しており、これも、信教の自由に対する配慮が欠如しているとの批判をかわすための表向きの判示だと考えられる。

解散事由とされた不法行為を認定する際の違法性認定基準について、東京地裁は昨年最高裁が献金を巡る事件で示した基準を採用した。しかるに、この基準は、最高裁判決自体が明示したとおり、2022年12月に家庭連合に対する批判的な世論の高まりを受けて国会が制定した献金新法(法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律)を参考にしたものであった。

東京地方裁判所が入っている建物。

新法は、献金を受領する法人等に対して、献金を行う者又はその配偶者等の生活の維持を困難にすることがないよう配慮すべき義務を課すという異例のものであった。しかるに最高裁は、同法を参考にした結果、献金により寄付者又はその配偶者等の生活の維持に支障が生じるなどの事情の有無・程度まで考慮して社会通念上相当な範囲を逸脱する場合には違法とする違法性認定基準を採用したのであった。

ところが、こうした高度の配慮義務は新法によって新たに設けられたものであり、新法が設定した義務を過去の行為に遡及させて適用することに対しては、海外の識者からも批判があった。しかるに東京地裁は、この最高裁が判示した違法性認定基準を用いて解散事由の有無を判断したのである。

法律を遡及的に適用

なお、同基準は、法定されていない社会規範である「社会通念」を判断基準としており、こうした違法性認定基準を採用すること自体、前述のとおり国際自由権規約18条3項違反である。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%ef%bc%9a%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e8%a7%a3%e6%95%a3%e6%b1%ba%e5%ae%9a%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e6%b3%95%e7%9a%84%e5%95%8f%e9%a1%8c%e7%82%b9-%ef%bc%92-%e4%bf%a1/?_gl=1*1saipec*_up*MQ..*_ga*NDk3MDkzNzIxLjE3NDg5MTAwNDQ.*_ga_BXXPYMB88D*czE3NDg5MTAwNDQkbzEkZzEkdDE3NDg5MTAwNjkkajM1JGwwJGgw

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