BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ02


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。これらの記事を書いたマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。これらの記事の著作権はマッシモ・イントロヴィニエ氏にあるが、私が日本語訳を担当したこともあり、特別に許可をいただいて私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。昨年7月8日に起きた安倍晋三元首相暗殺事件以降の日本における家庭連合迫害の異常性を、海外の有識者がどのように見ているかを理解していただくうえで大変有益な内容であると思われたので、私の個人ブログでシリーズ化して紹介することにした。

安倍暗殺:弁護士たちは「霊感商法」に反対なのか、信教の自由に反対なのか?

08/29/2022MASSIMO INTROVIGNEA

犯罪の後、メディアは反統一教会の弁護士たちの発言を額面通りに受け取った。弁護士たちとその過去について調査しようとする者は一人もいなかった。

マッシモ・イントロヴィニエ

7本の記事の2本目

全国弁連の記者会見
安倍暗殺の後に全国霊感商法対策弁護士連絡会が開いた記者会見。スクリーンショット。

突然、安倍晋三暗殺の後、海外のメディアでさえ「全国霊感商法対策弁護士連絡会」と呼ばれるグループについて知るようになった。現在約300名の弁護士を擁するこのネットワークは、1987年に統一教会と戦うために日本で設立されたが、ときには他の宗教運動を標的にすることもある。

安倍の暗殺犯の主張によれば、元首相が統一教会・家庭連合の関連団体が行った二つのイベントに(ビデオと書簡を通して)出席したことを理由に、彼を殺害したのだという。殺人犯は、彼の母親が教団に多額の献金を行ったことが彼女を破綻させたと非難した。実際には、母親が破産したのは2002年であり、彼が安倍の暗殺を実行したのは20年後であった。敵対的な弁護士たちのキャンペーンが殺人犯の弱い心を刺激したのではないかと批判される可能性を封じるため、弁護士連絡会は先制攻撃に出た。彼らは記者会見を開き、事件に対する責任は統一教会にあると非難して、加害者と被害者を逆転させたのだ。

山口広
山口広:弁護士連絡会の中心的弁護士の一人。スクリーンショット。

海外メディアの大多数が、この弁護士たちが誰であるのかを正確に調査することもなく、弁護士連絡会の説明を受け入れた。彼らはまた、かつて人権活動家たちの国際的な注目を集め、さらに宗教の自由に関する年次報告書で米国国務省までも言及している前例を無視した。1966年から2015年にかけて、約4300名の成人した統一教会の信徒たちが、彼らの両親の手によって拉致され、アパートに監禁され、「ディプログラミング」を受けさせられた。ディプログラミングは米国で発明された手法だが、米国では法廷で違法判決を受けている。

両親が認めない宗教の信者たちは拉致され、秘かに監禁され、彼らが信仰を棄てることを受け入れるまで、極度の身体的・心理的プレッシャーにさらされた。ディプログラミングは世界の民主主義国家のほとんどで禁止されたが、日本と韓国においてのみ生き残っている。

日本におけるディプログラミングは、エホバの証人とその他の少数派の宗教もターゲットにしており、とりわけ乱暴であった。ある統一教会の女性信者は、ディプログラマーが彼女を「棄教」させようとしていた数か月の間に自分をレイプしたとして、彼を訴えた。(しかし、彼女は後に恐ろしくなって告訴を取り下げた。)彼女の父親はレイプの事実を知って、自身がディプログラマーを雇ったことを恥じて自殺している。

後藤徹
栄養失調でほとんど動けない。12年間にわたる監禁とディプログラミングの試みを受けた後の後藤徹

統一教会の信者である後藤徹は、アパートに12年以上にわたって監禁され、ディプログラミングを試みられたが、それは成功しなかった。2015年に最高裁がディプログラミングを違法であると判断し、相当額の損害賠償を認めたのが、後藤徹のケースであった。(彼以前にも二人の統一教会信者が勝訴しているが、認められた損害賠償はわずかな額であった。)この判決の後にこうした行為は停止されたが、2021年に新たな事件が起きた。統一教会信者の親がアパートではなく自宅で子供を監禁したのだが、彼らは、それは家族の問題に過ぎないと主張したのである。

連絡会でもっともよく知られた弁護士である山口広(後藤を苦しめた中心人物である宮村峻の代理人)、渡辺博、および紀藤正樹は、ディプログラミングを行ったとして訴えられている者たちの弁護人として関わっていた。連絡会の弁護士の中には、ディプログラミングの被害者を送ってもらう形でディプログラマーたちに依存している者もいる。そこで被害者は統一教会を訴えるように説得され、それが弁護士たちにとって重要な収入源となっているのだ。

渡辺博
渡辺博弁護士。スクリーンショット

連絡会の弁護士の全員が拉致を支持していたわけではない。彼らの一人である伊藤芳朗が1996年に、連絡会は宮村との協力をやめるべきだと提言したことは称賛に値する。しかしながら、2021年のケースに至っても、連絡会の弁護士である川井康雄は、違法行為であるディプログラミングを復活させようとした両親の手助けをしているのである。

山口(広)の場合には、彼の統一教会に対する敵対心は連絡会の設立にまでさかのぼる。1979年にソ連のKGBエージェントで日本におけるトップスパイのスタニスラフ・レフチェンコが米国に亡命した。彼は著名な日本の政治家が報酬をもらって働くソ連のエージェントであったと証言したが、そのほとんどが日本社会党の関係者であった。レフチェンコの暴露は、後にソビエト連邦の崩壊後にロシアの公文書の中から発見された文書によって事実であったことが確認されているが、1983年に日本社会党はこれに対して、統一教会の関連団体である国際勝共連合がCIAを通して画策した陰謀であると非難した。国際勝共連合は日本社会党を訴えた。山口は日本社会党の代理人であったが、裁判で敗訴し、この訴訟は後に日本社会党が国際勝共連合に対して200万円の解決金を支払うことによって和解した。

ススタニスラフ・レフチェンコ。
ワシントンDCで証言する元KGBエージェントのスタニスラフ・レフチェンコ。スクリーンショット

連絡会の一部弁護士たちにとっては、その最も中心的な者たちも含め、反統一教会キャンペーンは、ディプログラミングおよびそれに続いて行われる棄教した元信者たちが教会を訴える訴訟という、ともに儲かるビジネスを守るための道具だったのである。それ以上に儲かる冒険的事業が、弁護士たちによって献金を返してもらえるとそそのかされた篤志家たちの代理人となって、統一教会を訴えることである。連絡会の弁護士たちは、これらの献金の額を提示することには熱心だが、彼らが弁護士としてこれらの訴訟によってどれだけのお金を儲けたのかについては開示していない。

また彼らは必要とあらば、いかがわしい戦術に頼ることもいとわない。2021年3月1日に東京地裁で、統一教会(現在は家庭連合)が元信者と争った訴訟で勝訴したケースでは、判事は原告(元信者)が統一教会を訴えるための証拠を偽装するため、個人ノートの日付を実際よりも前のものに修正したことを見抜いたのである。

紀藤正樹
連絡会の弁護士紀藤正樹。スクリーンショット

全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士は、彼ら自身のプロパガンダが主張するような、「カルト」というドラゴンを退治している、光り輝く武具を身にまとった騎士などでは決してない。しかし、これがあまりに簡単に日本のメディアと海外メディアに受け入れられてしまっている。彼ら自身の中にもディプログラミングの問題に対しては異なる立場が存在するが、連絡会の主要メンバーの一部は暴力的な拉致を行う人々や、ソ連のスパイまでも擁護している。また、彼らの顧客によって偽造された偽の文書を判事に提出し、彼ら自身が真実でないことを知りながら、統一教会を誹謗中傷する情報を拡散しているのである。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができる。
https://bitterwinter.org/%e5%ae%89%e5%80%8d%e6%9a%97%e6%ae%ba%ef%bc%9a%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%af%e3%80%8c%e9%9c%8a%e6%84%9f%e5%95%86%e6%b3%95%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%8d%e5%af%be%e3%81%aa%e3%81%ae/

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