BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ54


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の二つの報告書「法的分析」が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本における統一教会訴訟:法的分析5:伝道活動と献金勧誘の権利

11/15/2024 Patricia Duval

伝道活動を行い、献金を募る権利は、宗教または信念の自由の不可欠な要素である。これを不当に制限することは国際法に違反する。

パトリシア・デュバル著*

5つの記事の5つ目。

家庭連合・統一教会に対する解散命令請求訴訟を起こした文部科学省(東京)への入口。Credits.

自らの信仰を広め、伝道する権利は、宗教的信仰を表明する権利に内在する権利であり、保障されることを、ここで強調する必要がある。

宗教または信念の自由に関する特別報告者であったハイナー・ビーレフェルトは、人権理事会への2012年中間報告書の一部を「非強制的な説得によって他者を改宗させようとする権利」に充て、「一部の国は、コミュニケーションによる啓蒙活動に厳しい立法上または行政上の制限を課している。こうした事態は、それ自体が宗教または信念の自由の不可分な一部を構成している非強制的な説得によって他者を改宗させようとする権利を不当に制限する可能性がある」と報告した。(太字強調は筆者)

特別報告者はさらに、「こうした制限の多くは、甚だしく差別的な形で概念化され、実施されている」とし、「一般的に布教活動に従事しているという評判の宗教団体の会員はまた、妄想にまでエスカレートし得る社会的偏見に直面する可能性すらある」と述べた。(2012年8月13日付 A/67/303、太字強調は筆者)

文科省が解散命令請求の根拠として引用した32件の不法行為事件のうちの一つである平成15年5月13日付東京高等裁判所の判決は、以下のように判示した:「原告らを段階を踏んだセミナー(修練会)やトレーニング等に参加させ、統一原理に対する理解を徐々に浸透させ、さらには教義の実践と称して具体的な伝道活動や経済活動に従事させ、その過程で自らが勧誘された過程や、自らが現に行っている活動に多少の疑問を呈するようになっても、信仰を止めることによって自己及び家族の現世での救済が得られなくなるという心理を持たせることによって統一協会からの離脱を困難にする契機を有するものであったということができる。」(東京高等裁判所〈6頁〉は新潟地裁平成14年10月20日〈147頁〉を支持、太字による強調は筆者)

前述の通り、地獄や救いの概念は伝統的な宗教にも見られるものであり、これらの信仰によって宗教を離れることが困難だとしても、信仰の伝播における強制にはならない。

罪人を地獄に送ろうとする悪魔。北マケドニア、クリヴァ・パランカのオソゴヴォ修道院のフレスコ画。撮影: マッシモ・イントロヴィニエ。

統一教会信者が新規来訪者をセミナーや研修セッションに招き、「教義である統一原理に対する理解を徐々に浸透させる」ことが、「非強制的な説得」に該当し、正当な伝道活動であることは疑いようがない。

したがって、これらは自由権規約第18条の下で、宗教や信念の表明の一部として保障されている。

また、宗教機関を設立・維持するために献金を募る権利も同様である。

国連総会は1981年11月25日、「宗教または信念に基づくあらゆる形態の不寛容および差別の撤廃に関する宣言」において、この権利を明示した。(国連総会決議36/55)

宣言は次のように述べている:「第6条(b):思想、良心、宗教または信念の自由の権利には、『適切な慈善または人道機関を設立し、維持する自由』が含まれる。第6条(f):思想、良心、宗教または信念の自由の権利には、『個人や機関からの自発的な財政的その他の貢献を求め、受け取る自由』が含まれる。」

したがって、統一教会の信者が教会の運営のために寄付その他の貢献を求めることは、強制や暴力を伴わない限り、完全に正当である。

実際、本件で暴力を行使したのは統一教会ではなく、信者を棄教させ、教会を訴えることによって脱会の証を立てるよう強制した強制的脱会説得専門家らだ。

裁判所は教会に対する判決において、偏見に基づき、献金勧誘を利益獲得動機だけに基づくものとし、信仰の伝播を精神操作の手段とみなし、献金勧誘対象者を欺くための隠れ蓑だと決めつけた。

2024年7月13日から15日にかけて、日本国内および海外合わせて130か所で、日本の信教の自由を求める街頭演説が家庭連合の信徒によって一斉に行われた。

そして、日本政府は文部科学省による解散命令請求を通じて、中立義務に違反し、統一教会信者の信仰表明の権利を、「社会的相当性」を欠くとして故意に侵害した。

結論として、詳述した理由により、文部科学省が提起した世界平和統一家庭連合に対する宗教法人解散命令請求は却下されるべきである。

同請求は多くの点で国際人権法に違反しており、基本的な権利・自由を保障するために日本が締結した条約を侵害するものである。

注:この法的分析は、著者が以前に「Bitter Winter」で5回に分けて発表したレポート「日本と統一教会:デュバル・レポート」と併せて読む必要がある:

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e8%a8%b4%e8%a8%9f%ef%bc%9a%e6%b3%95%e7%9a%84%e5%88%86%e6%9e%90%ef%bc%95%ef%bc%9a%e4%bc%9d%e9%81%93%e6%b4%bb/?_gl=1*1fj2zup*_up*MQ..*_ga*NDIzNDI4Mzc2LjE3MzQyMzI4Njg.*_ga_BXXPYMB88D*MTczNDIzMjg2Ny4xLjAuMTczNDIzMjg2Ny4wLjAuMA..

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ53


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の二つの報告書「法的分析」が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本における統一教会訴訟:法的分析4:偏向した不法行為判決

11/14/2024 Patricia Duval

政府は32件の民事訴訟を根拠としているが、その判決は統一教会に対する偏見に汚染されている。中には、ディプログラミングという犯罪行為を容認した判決もある。

パトリシア・デュバル著*

5つの記事の4つ目。

東京の文部科学省の旧庁舎 (手前) と新庁舎。Credits.

文部科学省が統一教会の解散を求める訴訟で依拠した32件の裁判所の判決には、審査手続きに明白な欠陥があり、公正な裁判を受ける権利を侵害している。

文科省が依拠する日本の民事裁判所の主な認定は、統一教会が地獄、因縁、贖罪の必要性について不安を煽ることで、献金勧誘行為の対象者に不当な影響を及ぼしたというものである。

文科省によれば、統一教会信者は、「原罪についての教義を教え」、献金者ないしその家族の因縁への「不安」を抱かせることで、献金者の「自由な意思決定」を制限し、「正常な判断を妨げた」という。

しかし、このような信仰は、キリスト教や仏教などの他の伝統宗教にも共通しており、人間の贖罪はすべての宗教の主要な目的の一つとなっている。

カルマの法則を描いたブータンの壁画 (credits). 同様の概念はほとんどの宗教に共通している。

カトリック教会による贖宥状の販売はその解散を招かなかったし、煉獄の脅威も同様だ。

「不当な影響」や「精神操作」というのは曖昧で恣意的な概念であり、統一教会に対して差別的に用いられている。

どんなときに宗教的説教が「不当な影響」や「精神操作」とみなされるのか? それは統一教会によって行われたときだというのが裁判所の回答である。これは、「社会規範」という世論に基づいて作出した無効かつ差別的基準に違反しているから、という偽りの判断によるものだ。

しかし、司法裁判所においては世論を考慮すべき余地はない。公正な裁判を受ける権利が認められる以上、裁判所には、否定的先入観や有罪推定なく判断すべき義務がある。

「不当な影響」や「精神操作」という概念は、学者や法律専門家、そして裁判所によって国際的に否定されている。

欧州人権裁判所は、2010年6月10日のエホバの証人モスクワ支部対ロシア政府の事件で、「『マインド・コントロール』とは何かを巡り、一般に受け入れられた科学的定義は存在しない」と判示し、ロシア政府が主張する原告宗教法人の解散事由の根拠にはなり得ないと判断した。

日本の民事裁判所でも同様の「マインド・コントロール」理論が使われ、元信者が当時強い信仰心に基づいて献金したという被告側の証拠は退けられた。裁判官は、信仰心に関する証拠は考慮せず、「精神操作」という曖昧で恣意的概念を用いて献金を無効化し、信者の「自由意思を侵害」したとして教会に損害賠償を命じたのだ。

同じ前提に基づき、裁判所は統一教会側が主張した時効の抗弁を退けた。

これらの事件の事実関係は非常に古く、約20年から40年前のものであり、被告側はそれらが時効にかかっている(3年以上前の出来事)と主張した。しかし、裁判所は時効の適用を拒否し、「被害者」は教会の「不当な影響」を受けていたため、自分達が被害者であることを弁護士に会うまで認識していなかったと判示した。

これは、法律の差別的な適用であり、公正な裁判を受ける権利の重要な要素である原被告間の平等原則を侵害している。

さらに、裁判所の多くの判決には、「被害者」が「救出」または「保護」を受けたと記載されているが、これらは強制的脱会説得のソフトな表現である。つまり、彼らは棄教を強制され、教会を訴えるよう説得されたのだ。

従って、これらの事件自体が、反統一教会弁護士や強制的脱会説得専門家らが、強制的脱会説得を受けた元信者らに脱会の証として統一教会を訴えさせることで、意図的に作出したものだと言える。

さらに、彼らを棄教させるために強制が必要であったことから、彼らが献金時点では信仰心があったことが明らかだと結論づけられる。

神戸地方裁判所。 Credits.

神戸地方裁判所における尋問は、この点に関して参考になる。この事件で原告の家族らは親族である原告を統一教会から棄教させるために強制的脱会説得専門家であるプロテスタント牧師を雇い、信者を拉致監禁して強制棄教を行った。裁判所はその強制的脱会説得専門家に対する尋問を行ったのだ。同人は、強制下での「保護」や「強制的脱会説得」が当時全国で行われており、統一教会信者の「信仰的確信」を打ち砕くためには強制的な脱会説得が必要だったことを認めた。(神戸地方裁判所平成8年5月21日付証言調書25頁、平成8年3月26日付証言調書81頁~82頁)

強制的脱会説得の実態に関する詳細な報告を受けた自由権規約人権委員会は、2014年8月に日本に対して次のような勧告を行った:「21. 委員会は、新宗教運動の回心者を棄教させるための、彼らに対する家族による拉致および強制的な監禁についての報告を憂慮する(2条、9条、18条、26条)。締約国は、全ての人が自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない権利を保障するための、有効な手段を講ずるべきである。(2014年8月20日付総括所見、CCPR/C/JPN/CO/6)

数か月後の平成26年11月、そのような悪行の被害者である後藤徹氏が、家族および2人の強制的脱会説得専門家を提訴した民事訴訟で、東京高等裁判所から初めて多額の損害賠償を認められた。後藤氏は12年間にわたる違法な監禁と、棄教強要のための強制的な脱会説得に遭ったが、その試みは失敗に終わったのであった。裁判所は、被害に見合った損害賠償を認め、松永堡智牧師による「強制的脱会説得」が違法であると判断した。この判決は、まもなく最高裁でも支持された。

後藤徹氏は、2024年7月20日に開催された「信教の自由と人権を守るシンポジウム 新潟県民集会」における講演者の1人であった。

この後、強制的脱会説得活動が終わったように見えたが、統一教会とその信者を排除しようとする試みは続いており、現在に至っては、日本政府が申し立てた解散命令請求という形で具現化している。

文科省が教会の宗教法人解散を求めるために依拠している32件の不法行為訴訟のうち、裁判所の認定によれば、121名の原告は「強制的脱会説得」を受けたか「保護」されている。

民事裁判所は、強制的脱会説得専門家の証言を聞くか、あるいは少なくとも強制的脱会説得の事実を知っていながら、下した判決においてはこれらの強制的活動について沈黙を守った。しかし、統一教会が平和的な布教活動を行って信者を入信させたことに対しては、そもそも強制など行われていなかったにもかかわらず、「自由意思の侵害」があったと認定したのだ。

公正な裁判を受ける権利に対する侵害であるとの弁護団の主張に対して、唯一、札幌高等裁判所だけが判決理由中で強制的脱会説得に言及した。弁護団は、多くの被控訴人ら(元信者ら)が、身体的自由を拘束されるなどの手段によって棄教に至っていることは重大な問題であり、これを無視した判断は司法の公平・公正に反すると主張した。

高等裁判所は平成15年3月14日付判決で、以下のとおり判示した:「上記認定のとおり、被控訴人らはいずれも控訴人を脱会(棄教)した者であり、脱会に至るまでの過程において親族らによる身体の自由の拘束等を受けた者も多く、このような拘束等は、当該被控訴人らとの関係においてそれ自体が違法となる(正当行為として許容されない)可能性がある。しかし、それは上記のような行為をした者と当該被控訴人らとの関係であり、必要に応じて別途処理されるべきことがらにすぎず、このような事情が存在することは控訴人の被控訴人らに対する責任に何ら消長を来すものではない(むしろ、その終期をもたらしたものといえる)。」(判決文24頁)

札幌高等裁判所。Credits.

そして裁判所は、弁護団による「裁判の不公正性」に関する主張を退け、教会の献金勧誘行為によって献金者の自由意思が侵害されたと判断した。

裁判所は、献金者の信仰が元々強く、彼らの意思を変えるために暴力や強制が必要だったという事実を考慮に入れることを拒否した。

さらに驚くべきことに、監禁や強制的脱会説得が違法であるとしながら、それを別の私的な問題として片付けたのだ。裁判所は、この問題は事件とは無関係であり、むしろ「教会の責任の終期をもたらした」と述べ、教会が信者に対して不当な影響を及ぼすことを終わらせたと判断した。

これらのことから、裁判所が明らかに偏見を持っており、「強制的脱会説得」活動がどれほど違法であっても、暗黙の承認を与えていることが明らかだ。

また、こうした裁判例を根拠に教会の解散を求める日本政府(文科省)もまた強制的脱会説得を承認していることが、明らかである。

これは明らかに、自由権規約第18条第2項に違反している:「2. 何人も、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない。」

また、これは公正な裁判を受ける権利を保障する第14条にも明らかに違反する。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e8%a8%b4%e8%a8%9f%ef%bc%9a%e6%b3%95%e7%9a%84%e5%88%86%e6%9e%90%ef%bc%94%ef%bc%9a%e5%81%8f%e5%90%91%e3%81%97/?_gl=1*dcpq10*_up*MQ..*_ga*MTIxODc0MDk4My4xNzM0MjMxOTc3*_ga_BXXPYMB88D*MTczNDIzMTk3Ny4xLjEuMTczNDIzMTk4OC4wLjAuMA..

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ52


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の二つの報告書「法的分析」が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本における統一教会訴訟:法的分析3:「公共の福祉」と「社会規範」

11/13/2024 Patricia Duval

日曖昧に提示された社会的基準に対する違反は、自由権規約第18条第3項に基づく宗教または信念の自由の制限を正当化するものではない。

パトリシア・デュバル著*

5つの記事の3つ目。

2024年9月にジュネーブの国連欧州本部で家庭連合のメンバーと共にいるパトリシア・デュバル氏(右から2番目)と著名な人権活動家アーロン・ローズ氏(右から3番目)。

国際自由権規約第18条第3項によれば、すべての制限は「公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要」でなければならない。

1.公共の福祉

この制限事由は限定列挙であり、他の事由は許されない。「公共の福祉」はこの事由として列挙されていない。

委員会は、規約第18条第3項に基づく宗教または信念の自由に対する可能な制限に関する一般的意見第22号で、以下のように述べている:「 課される制限は法律によって規定されなければならず、また、第18条で保障された権利を侵害する形で適用されてはならない。委員会は、第18条第3項は厳密に解釈されるべきであると考える。同条項に明記されていない事由による制限は許されず、それがたとえ規約で保護された他の権利(例えば、国家安全保障)に対する制限として許される場合であっても、許されない(第8条)」

「公共の福祉」の保護に関しては、自由権規約人権委員会は、この概念があまりにも曖昧であり、第18条第3項に列挙された制限事由のいずれにも該当しないと認定している。

2014年、委員会は日本に対して非常に明確な勧告を行った。:「22. 当委員会は、『公共の福祉』の概念が曖昧かつ無限定であり、規約(第2条、第18条及び第19条)で許容される範囲を超える制限を許す可能性があることに対する懸念を、もう一度繰り返し表明する。当委員会は、前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、第10項参照)を踏まえ、締約国に対し、第18条第3項および第19条に定められた厳格な要件を満たさない限り、思想、良心および宗教の自由または表現の自由に対していかなる制限も課さないよう強く求める。」(総括所見、2014年8月20日、CCPR/C/JPN/CO/6、太字による強調は筆者)

ジュネーブで開催される自由権規約人権委員会。出典: 国連。

本件において、統一教会に対する解散命令請求は、宗教法人法第81条1項に基づき、著しく公共の福祉を害したことを理由に求められている。

この宗教法人法の条項は、上述した要件を充たしておらず、解散の根拠とすべきではない。

さらに、文部科学省は、統一教会の信者が献金を勧誘し、その勧誘によって「親族を含む多くの人々の平穏な生活を害した」ため、公共の福祉を害したと主張している。

しかし、「市民や親族の平穏な生活」は、自由権規約第18条第3項のもとでは保護されておらず、信仰の表明に対する制限、特に教会の解散、を正当化する他者の基本的な権利とはみなされていない。

制限は、国が信仰または信念の表明を制限しなければならない極端な状況でのみ認められる。例えば、健康が危険にさらされる場合(例:宗教儀式における薬物使用)、公共の安全や秩序に対する脅威(例:テロ行為)、道徳(例:ポルノに関する制限)、あるいは他者の基本的な権利に関わる場合などである。

1985年に国際法専門家の国際会議で採択され、この分野における権威となった「市民的及び政治的権利に関する国際規約における制限および逸脱条項に関するシラキュース原則」は、個別の人権制限条項に関する解釈原則を含んでいる。

特に、「他者の権利・自由」や「他者の権利や社会的評価」に関して、同原則は以下のとおり述べている:「36. 自由権規約で保護されている権利と、保護されていない権利とが対立する場合、自由権規約が最も基本的な権利・自由の保障を目的としているという事実を認識し、このことに配慮すべきである。」

これは、宗教または信念の自由という基本的な権利が、基本的な権利ではないところの他者の権利に優先することを意味する。他者が、幸福や平穏な生活を乱されないことは基本的な権利ではなく、宗教団体の解散を正当化しない。

1985年の「シラキュース原則」の表紙。

2.社会規範

文科省は、統一教会による害悪の根拠として、日本の裁判所が、「社会通念」違反、あるいは、「社会的相当性」の逸脱を理由に、信者による献金勧誘行為を不法行為と判断した32件の認定を挙げる。

しかし、自由権規約人権委員会は、日本が締約している自由権規約のもとでは、新宗教ないし少数派宗教の信仰や宗教活動が、たとえ支配的な主義と相容れず、社会から受け容れられなかったとしても、保護されるということを極めて明確に示している。

委員会は、一般的意見第22号において、自由権規約第18条の解釈について次のように詳述している:「2. 第18条は、有神論、無神論、非宗教的な信仰を保護すると同様に、宗教や信仰を表明しない権利をも保護する。「信仰」や「宗教」という用語は広く解釈されるべきである。第18条の適用は、伝統的な宗教や、伝統的な宗教類似の組織的特徴を持ち活動を行う宗教や信仰に限定されるものではない。したがって委員会は、いかなる宗教や信念であっても、新しく設立されたから、あるいは、支配的宗教共同体と敵対する可能性のある少数派宗教だからなど、いかなる理由によるのであれ、差別を受ける傾向に対して懸念を抱く。」(太字による強調は筆者)

新宗教やその表現は、たとえ多数派と敵対するものであっても保護される。

また、「社会通念」や「社会的相当性」は、宗教的信仰や宗教活動の分野においては正当な基準とならない。

宗教組織を維持するための献金勧誘のような宗教活動は、この分野において、多数派の意見や多数派の活動と比較して評価されるべきではない。

さらに、国家は宗教問題における中立義務の一環として、少数派に対する敵意や嫌がらせから少数派を保護する義務がある。

2024年4月30日、4人の国連特別報告者が日本政府に対して公式文書を送った。特別報告者は、各加盟国における特定の人権問題を監視し、国連人権理事会に報告するために任命された独立の専門官である。今回の4人の特別報告者は、宗教または信念の自由、教育の自由、結社の自由、表現の自由をそれぞれ担当する者達であった。

日本に書簡を送った4人の国連特別報告者:左から右、上段:ナジラ・ガネア、ファリダ・シャヒード、下段:アイリーン・カーン、クレマン・ニャレツォシ・ヴール。出典:国連。

これらの報告者達は、エホバの証人からの報告を受け、日本における憂慮すべき状況を警戒するようになった。そして日本の首相に公式文書を送り、その中で彼らは「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」の発行などを通して、日本において少数派宗教に対して「攻撃と脅威のパターンの現出」が見られることに対し、「深刻な懸念」を表明した。

特に、彼らは以下の点を強調した:「ガイドラインのいくつかは、『社会慣習』、『社会通念』ないし『社会的相当性』からの逸脱といった曖昧な概念をもって虐待の認定基準としており、このことは、多様な宗教・信仰の自由な表現に対する本質的制約となる。」

この公式文書作成に際して4人の特別報告者は、このような概念による信者の権利制限の禁止に適用可能な国際人権文書や先例を全面的に検討した。

日本のような国家は、宗教や信念の分野で、多様性を維持し保護する義務を負っている。国家は、宗教的信念の表現に関して「規範」を定立する権利を有していない。そのように解釈しなければ、新宗教や少数派の信仰はすべて違法とされてしまう。

したがって、国内の裁判所は宗教活動に対して「社会的相当性」や「社会通年」に反するとの評価をすべきではなく、国際人権基準の下では、そのような判決に基づいて宗教法人に解散命令を下すことはできない。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e8%a8%b4%e8%a8%9f%ef%bc%9a%e6%b3%95%e7%9a%84%e5%88%86%e6%9e%90%ef%bc%93%ef%bc%9a%e3%80%8c%e5%85%ac%e5%85%b1/?_gl=1*10cueb6*_up*MQ..*_ga*NzM0MjIzODg0LjE3MzQxOTEyNzU.*_ga_BXXPYMB88D*MTczNDE5MTI3NC4xLjAuMTczNDE5MTI3NC4wLjAuMA..

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ51


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の二つの報告書「法的分析」が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本における統一教会訴訟:法的分析2:「法律で定める」

11/12/2024 Patricia Duval

日本政府による教会の信教の自由に対する制限は、自由権規約第18条第3項で認められている制限には含まれていない。

パトリシア・デュバル著*

5つの記事の2つ目。

2024年9月25日、ジュネーブで開催された国連人権理事会第57回会期のサイドライン・イベントとして行われた日本の信教の自由の危機に関する特別ブリーフィングで聴衆に語りかけるパトリシア・デュバル氏。撮影:ピーター・ゾーラー。

自由権規約第18条第3項によれば、統一教会(UC)信者がその信仰を表明する権利を(解散によって)制限するには、その制限は、先ず、法律によって規定されていなければならない。

宗教法人法第81条1項は、宗教法人が「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」場合に、裁判所が宗教法人の解散を命じることができると規定している。

1.日本の法律

本件では、文部科学省の解散命令請求において、社会規範違反を理由にいくつかの日本の民事裁判で献金勧誘行為に違法性(民事上の違法行為。不法行為を構成)が認定されたことが法令違反に該当するとされた。

しかしながら、解散命令請求申立書における文科省の主張とは逆に、私人間の民事訴訟における不法行為(損害)認定は、法令違反を構成しない。

日本民法709条は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定する。

この法律の条文は、不法行為を行った者に対し、他人に及ぼした損害の賠償を義務付けている。この法律に違反するのは、不法行為者が損害賠償を支払わない場合である。統一教会は、判決で認められた損害賠償責任を履行して支払ったのだから、709条を遵守している。

米国の法律家らにとっての法律用語参照の際の定番文献である「ブラック法律辞典」は、不法行為を「契約違反以外の民事上の違法行為で、通常、損害賠償の形で救済を得ることができるもの」と定義付けている。

由緒ある「ブラック法律辞典」の最新版。

民事上の不法行為は法律違反ではない。

文科省は、統一教会に対する不法行為の認定は、統一教会が民法第709条に違反したことを意味すると主張している。その主張の要点は、この条文の不法行為規定が、故意または過失による他人の権利の侵害を禁止しているということである。

しかし、全ての人に対して他者に対するいかなる不法行為をも禁止するような法条項は、以下のような性質を持つことになる。

・完全にユートピア(理想論)である。
・あまりにも広範囲に適用され、全体主義国家のように、完全に恣意的かつ独断的な方法で適用され得る。
・あまりにも曖昧であり、日本が遵守義務を負うすべての国際人権基準と直接対立する。

法律の精細性と予測可能性の必要性については、以下の章にある国連人権委員会の法的見解および判例を参照して頂きたい。

したがって、民事上の不法行為が認定されたとしても、不法行為による損害賠償を規定する民法の条文に違反したと解釈することはできない。

本件では、統一教会は、宗教法人法第81条(i)が適用され解散の効果が生じるような成文法違反は犯していない。

その証拠に、政府は「不当な勧誘」を抑制するために新法を制定した。令和4年12月には、「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律」が制定され、「寄付の不当な勧誘」を犯罪化した。(令和4年12月16日制定法律第105号)

したがって、不法行為を理由とする解散命令請求が行われはしたものの、裁判所による不法行為判決当時には、献金を規制する成文法は存在していなかったことになる。元より、新法は遡及適用できない。

日本は成文法の国であるが、判例法も「法律違反」に含まれるとの主張があるかも知れない。しかし、日本の最高裁判所はこれとは反対の判断を下している。判例違反を法令違反とみることはできない。

オウム真理教に対する解散命令請求事件では、検察官と東京都知事によって提起された解散命令請求訴訟において、東京高等裁判所が「法令違反」の意義について判示した。裁判所は、「法令違反」とは、刑法等の実定法規の定める禁止規範又は命令規範に違反するものとしている。この解釈は、平成8年1月30日付最高裁判決によって支持されている。(最高裁判所平成8年(ク)第8号事件)

よって、日本政府が申し立てた解散命令請求に宗教法人法81条1項を適用することはできない。

そして、この解散命令請求は自由権規約第18条第3項の「法律で定める制限」の要件を充たしていない。

以上より、解散命令請求は、日本国が締結した自由権規約18条3項が要求する「法律によって規定」との要件を充たしていない、と結論づけることができる。

2.自由権規約人権委員会の法的見解及び先例法

いずれにしても、自由権規約の元において、「法律によって規定」との要件がある以上、ここで言う法律は、市民が制裁を予測し、それに応じて行動を制御できる程度に十分に精細でなければならない。

自由権規約人権委員会は、加盟国による自由権規約の適正な適用を監督し、この点に関する指針を提供している。特に、規約によって保護される権利に対する制限全てに共通する「法律によって規定」との要件について、詳細に述べている。

自由権規約人権委員会のセッション。出典: 国連。

これら各権利に対する制限は、すべて法律によって規定されていなければならない。そして、この要件に関する委員会の先例(委員会に付託された個別通報事件における判断)は、これらの権利全てに適用される。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e8%a8%b4%e8%a8%9f%ef%bc%9a%e6%b3%95%e7%9a%84%e5%88%86%e6%9e%90%ef%bc%92%ef%bc%9a%e3%80%8c%e6%b3%95%e5%be%8b/?_gl=1*1cgnw8o*_up*MQ..*_ga*MTQ5MjA0NTE2MS4xNzM0MTkwNjkz*_ga_BXXPYMB88D*MTczNDE5MDY5Mi4xLjAuMTczNDE5MDY5Mi4wLjAuMA..

カテゴリー: BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ

BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ50


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の二つの報告書「法的分析」が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本における統一教会訴訟:法的分析 1:序論

11/11/2024 Patricia Duval

日本政府は宗教法人の解散を請求することで、明らかに国際法に違反した。

パトリシア・デュバル著*

5つの記事の1つ目
2024年9月25日、ジュネーブで開催された国連人権理事会第57回会期のサイドライン・イベントとして行われた日本の信教の自由の危機に関する特別ブリーフィングに出席したパトリシア・デュバル氏(矢印で表示)。撮影:ピーター・ゾーラー。

このシリーズでは、日本政府が宗教法人世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会;以下、理解しやすいように「統一教会」または「教会」または「UC」)の解散を求めて提訴した訴訟が、日本の国際人権公約に適合しているかどうかを検証する。

私はこの事件を、個人の宗教や信念を表明する権利の制限とみなし、以下の点について述べたいと思う:

・「法律で定める制限」という要件に適合していないこと
・この基本的権利を制限するための「公共の福祉」及び「社会規範」の概念が不明確かつ不適切であること
・解散命令請求が根拠とする不法行為裁判では、強制的脱会説得を受けた元信者らが提訴した事件に対して、民事裁判所が、宗教法人による精神操作や不当な影響が存在するとの先入観に基づいて判決を下しており、不公正であること

2023年10月13日、日本で宗教法人を監督する文部科学省(文科省)は、統一教会に対する解散命令請求を申し立てた。

文科省の解散命令請求は、宗教法人法第81条1項に基づくものである。同条項は、宗教法人が法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為を行った場合、裁判所はその宗教法人の解散を命じることができる旨規定している。

文科省は以下の主張を行っている:「昭和55年頃から令和5年頃までの間、統一教会信者が、多数の者に対し、相手方の自由な意思決定に制限を加えて、相手方の正常な判断が妨げられた状態で献金又は物品の購入をさせて、多数の者に多額の損害を被らせ、(対象者である新規信者の)親族を含む多くの人々の平穏な生活を害する次のような違法行為をした。」

文部科学省東京本省。Credits.

この主張に続けて、統一教会信者による献金勧誘行為について、信者が因縁について話して対象者に不安を抱かせ、過度の影響を与えて彼らの自由意思を侵害し、「社会規範」に違反する金額の献金を勧誘したと主張している。

文科省の主張の根拠は、統一教会が敗訴した32件の不法行為事件に基づいている。これら判決において裁判所は、統一教会の献金勧誘行為が社会通念に違反し、または、社会的相当性を逸脱するとして不法行為を認定し、献金した者に対する損害賠償責任を認めた。

文科省は特に、献金勧誘行為について審理し、「社会一般的にその行為者の自由な意思に基づくものとはいえない」と判示した2008年1月15日付東京地裁判決に言及している。

これらの判断に基づいて文科省は、統一教会信者が「親族を含む多くの人々の平穏な生活を害し」、著しく公共の福祉を害した(宗教法人法第81条)と結論付けている。

文科省が主張するこれらの根拠は、国際人権法や日本が締結した条約に反している。

市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下、「自由権規約」または「国際自由権規約」と言う)の第18条3項は、宗教や信念の自由に対する制限可能事由を限定列挙している:「3項 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。」

2024年8月4日、宗教の自由の侵害に抗議する家庭連合信者の福岡でのデモ行進。

第一に、宗教法人を解散することによって統一教会信者の宗教を表明する権利を制限することが法律(上記宗教法人法第81条)に基づいているとするならば、この法律は「法令に違反」という要件を規定しているが、「社会規範違反」は「法令の違反」には含まれない。

したがって、統一教会に対する宗教法人解散命令請求は、自由権規約第18条3項に規定する「法律で定める」との要件を充たしていない。

第二に、「公共の福祉」の保護は、厳格に解釈されるべき自由権規約第18条3項が規定する制限可能事由に含まれていない。公共の福祉は、個人の選択に基づく宗教や信念の自由に関しては、不適切な制限事由である。また、宗教活動は社会規範によって評価されるべきではない。

家族を含む他者の平穏な生活を妨害することは、宗教や信念を表明する権利に対する正当な制限事由ではない。

したがって、特に宗教法人に対する解散命令請求の理由とされることがあってはならない。解散命令請求は、法人にとって死刑に等しい極端な処分なのであるから、宗教団体においてはなおさらである。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e8%a8%b4%e8%a8%9f%ef%bc%9a%e6%b3%95%e7%9a%84%e5%88%86%e6%9e%90-1%ef%bc%9a%e5%ba%8f%e8%ab%96/?_gl=1*10pfrb3*_up*MQ..*_ga*MTY1NjU3Mjg3Ni4xNzM0MTkwMDc5*_ga_BXXPYMB88D*MTczNDE5MDA3OS4xLjEuMTczNDE5MDA4Ny4wLjAuMA..

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ49


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の報告書が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本と統一教会:デュバル・レポート5 国家主導のディプログラミング

10/11/2024 Patricia Duval

Table of Contents

1.両親が新宗教運動のメンバーである子供たちは、学校で反カルトの「カウンセラー」によって対処される。
2.精神操作
3.家族の崩壊
4.国家主導のディプログラミング
5.結論

両親が新宗教運動のメンバーである子供たちは、学校で反カルトの「カウンセラー」によって対処される。

パトリシア・デュバル著*

*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書

5つの記事の5つ目 1つ目、2つ目、3つ目、4つ目の記事を読む

日本の学校で配布されているパンフレットには、子どもたちが「宗教活動等への参加を強制されたり、『地獄に落ちる』などと脅されたり」することも虐待にあたると説明されている。

精神操作

統一教会に対する不法行為訴訟はすべて、不当な影響力と精神操作という概念に基づいている。

これらすべての訴訟において、裁判所は統一教会が不当な影響力を持っているとした上で、献金勧誘行為や伝道が「社会的相当性」を欠き不法行為に当たるとする判決を下すため必要なあらゆる要素を見つけ出そうとして事件を審査する。

この精神操作理論には科学的根拠がなく、欧州人権裁判所が2010年6月10日の判決「エホバの証人モスクワ支部対ロシア」(IC-302/02、2010年6月10日)が詳細に判示したとおり、国際的な学者たちは否定している。

この訴訟では、ロシアの裁判所がエホバの証人に解散決定を下したことに対して、同団体のモスクワ支部が欧州裁判所に申立てをした。

裁判所は、心理的圧力と「マインド・コントロール」の技術を受けたために国民の良心の自由の権利が侵害されたというロシア当局の主張の正当性を特に審査した。

裁判所は、当該宗教団体の信者がロシアの裁判所で、自らの宗教を自由かつ自発的に選択し、したがって自らの意志でその教えに従ったと証言したことに注目し、何が「『マインド・コントロール』を構成するかに関して、一般的に受け入れられている科学的な定義はなく、国内の判決ではその用語の定義は示されなかった」と認定した(§128および129)。

したがって、裁判所は「この点に関するロシアの裁判所の判断は、事実による裏付けのない憶測に基づいている」と裁定し、ロシアがエホバの証人の信教の自由に対する侵害を認定した。

民主主義国家におけるこのような進化にもかかわらず、日本はこの誤りであることが証明された理論を復活させ、ロシアがエホバの証人に対して行ったと同じように、この理論を用いて統一教会を解散させようとしている。

日本当局は今や、統一教会の解散を契機に、宗教界から新宗教運動を排除するために、この理論に基づいて法制度全体を構築した。

これには、将来提訴するかも知れない信者(そうするように説得されたときには、ということを暗に意味)を「被害者」概念に含めたという事実も含まれている。彼らはまだ被害者であることを自覚していないだけだとみなしているのだ。

新宗教運動の信者の自由意思を無効にすることは、彼らが新しい信仰を受け入れる選択の自由を否定し、宗教の選択に関しては、彼らを意思無能力であるとみなすことに等しい。

この理論を用いると、国家は「公共の福祉」を守るという名目で、国民に代わって宗教を選択できることになる。

これは、新しい宗教・信念に対する日本国民の信教の自由、思想信条の自由を侵害するものであり、日本が署名し批准した国際条約の下における宗教問題に関する中立義務に明白に違反する。

家族の崩壊

同様の論理と不当な影響力の概念に基づき、寄付に関する新法では、家族は、信者である親族に代わって寄付を取消す権利が認められている。日本弁護士連合会の会長によると、家族は統一教会が家族関係を破壊したと主張して損害賠償を求めて訴訟提起することもできるという。

日本統一教会の「ハッピー・ファミリー・プログラム」は、夫婦と親子の関係を改善することを目的としている。出典:世界平和統一家庭連合。

欧州人権裁判所は、上記の事件において、エホバの証人が家族を破壊していると主張するロシア政府からの同様の主張に直面した。

これに対して裁判所は以下のような判決を下した。「それにもかかわらず、宗教的な事柄への自己献身が信者の独立した自由な決定の所産である限り、そしてその決定について他の家族がどれほど反発していたとしても、その結果生じた不和について、宗教が家族を破綻させたと解釈することはできない。しばしば、真実はその逆である。宗教を信じる家族が自分の宗教を表明し実践することに対して、宗教を信じない親族がこれを認めたり尊重することに消極的であったり、反発することが紛争の原因なのである」(§111)。

これはまさに、家族によって拉致、監禁され、棄教するまで反統一教会の教え込みを強要された何千人もの日本人信者の場合と同じであった。

この活動を何十年も放置した後に、日本は今や、そのような行為を犯した家族に訴訟を起こす機会を提供しようとしている。彼らは、そもそも家族の崩壊は親族が統一教会に入信したことによって引き起こされたのだと主張して、損害賠償を請求するであろう。

そして、これはすべて統一教会の資金でまかなうことが可能である。なぜなら、解散が決定したときには差し押さえられた資産から損害賠償が支払われるのであり、「債権者」、つまり今後数年間に生じるであろうすべての請求者に支払われるからである。

このことは以下の疑問を生じさせる。日本では成人した市民は、家族が反対する場合、新宗教に入信する権利があるのだろうか?

事実は、彼らにはその権利がないことを物語っており、これはまた、国際文書によって保護されている信仰を選択し、それに従って生きる権利に対する露骨な違反となる。

国家主導のディプログラミング

自由権規約第18条第2項は、「何人も、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ、又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない」と規定している。

棄教を強制することは、日本が締結した条約の下では明らかに禁じられている。

違法な拉致及び強制説得というスキャンダルが明るみになり、12年間の監禁から解放された後に衰弱して傷病に陥った後藤徹氏の写真が公開された後、日本政府は現在、拉致という厄介な要素を伴わない新しい形の「ディプログラミング」を計画しようとしているようだ。

ディプログラミングのための12年間の監禁から解放された後藤徹氏

しかし、第18条第2項で述べられている「強制」という言葉は、身体的な拘束を指すだけでなく、信仰に反する強制的な「カウンセリング」などの心理的な圧力を指すこともある。

2024年1月19日、日本の主要新聞の一つである「日本経済新聞」は、同日に開催された「『旧統一教会』問題に係る被害者等への支援に関する関係閣僚会議」と題する閣僚会議について報じた。

会議では、令和5年12月に成立した特別措置法(令和5年法律第89号)に基づく支援策がまとめられた。新たな支援策は、同法にすでに盛り込まれている資産の移動監視や損害賠償請求の法的支援に加え、被害者救済に重点を置いたものとなっている。その後、政府は支援策の骨子をホームページで公表した。

この救済措置は統一教会に特化したもので、二世信者や統一教会信者の子供など、「被害者」または被害者であることをまだ認識していない潜在的被害者に提供される特別な「カウンセリング」に関連するものだ。政府は、統一教会の元信者や批判的な背教者が講師となり、政府の相談窓口の対応者に「助言と指導」を提供するという新しいシステムを確立した。

このシステムは、「マインド・コントロール下にある被害者は悩みに気付かない場合も多い。元信者たちが相談員への講習で自身の経験を踏まえ知見を伝える。」という考えに基づいている。

背教者による研修は、「児童相談所や精神保健福祉センターなどの相談員が問題に取り組みやすくなる」ことを目的としている。

この計画は、統一教会の信者とその子供たち、つまり2世信者にカウンセリングを提供し、彼らに操られていることを気づかせ、教会に敵対するよう仕向けるために特別に練られたものだ。

特に、政府は「宗教2世の子どもや若者が相談しやすいよう学校に配置するカウンセラーやソーシャルワーカーを拡充する」予定だ。

政府のウェブサイトに掲載された計画によると、法務省は「『人権教室』の開催校数(小学校から中学校、高校まで)を拡大し、小中学生に『こどもの人権SOSミニレター』を配布する」としている。

もしこの人権教室が統一教会から脱会した背教者により訓練されたカウンセラーによって行われているのであれば、その内容は推測に難くない。SOSミニレターは子供たちに配布され、当局に「SOS」を送ることができる封筒である。

「SOSミニレター」。虐待の一例は「親から宗教を理由に学校の行事に参加させてもらえない」である。

政府は、児童・生徒からの支援要請を募り、彼らが家を出られるよう支援することを計画している。新たな措置では、彼らに「親など信者から離れて一時的に住める場所を確保したうえで生活の再建をしやすくする」としている。

政府は問題を抱えた子どもたちの救済を口実に、学校で「脱会カウンセリング」を実施し、二世信者に信仰を棄てて家族から逃げるよう圧力をかけている。これが、日本が今年1月に計画した新しい形の「ディプログラミング」である。

親の信仰に反対するよう子供たちに教え込むこの制度化された「カウンセリング」は、自由権規約第18条第1項に基づく信仰の自由の権利の侵害であるだけでなく、児童の権利に関する条約(CRC)の第14条第1項「締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する」に対する違反でもある。

それはまた、自由権規約第18条第4項「この規約の締約国は父母及び場合により法定保護者が、自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する」に従って、親が自らの信仰に基づき子を教育する権利を完全に侵害するものである。

それはまた、CRC第14条第2項「締約国は、児童が1の権利を行使するに当たり、父母及び場合により法定保護者が児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利及び義務を尊重する」に対する違反でもある。

政府が統一教会向けに新調した計画には、こども家庭庁が「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」に基づいて児童相談所で支援を提供することも含まれている。

彼らがここで言及しているQ&Aとは、厚生労働省が2022年12月27日に公表した、宗教的信仰に関連する児童虐待に関するガイドラインのことである。

ここで、これらのガイドラインに関するエホバの証人の報告書と、特別報告者が日本政府に送った、この問題に関する懸念を表明する書簡を参照して頂きたい。

日本における信教の自由の危機に関するエホバの証人の報告。

結論

「洗脳的伝道」は、日本で統一教会の信仰に基づく活動を差別するために作られた概念である。

社会的相当性という基準は、日本の裁判所が、信仰の伝播や教会の制度維持のための献金の勧誘などの統一教会の活動を、「反社会的」で不法行為にあたると判断するために用いてきたし、現在も用いている。

これが、今度は政府が「公共の福祉」の名の下に教会の解散を請求するために用いられた。

解散が差し迫っている中、2つの特別法を新たに制定することにより、日本当局は教会の活動を妨害し、ディプログラムされた信者からの損害賠償請求を促進することで、教会の資産の略奪を計画しようと試みた。

不当な影響力の理論により、信仰に満足している信者らは宗教活動に関する法的能力を否定され、その家族には、彼らに代わって寄付を取り消す権利と、家庭崩壊を申し立てて損害賠償請求訴訟を起こす権利が与えられる。

日本政府は数十年にわたって統一教会信者に対する違法なディプログラミングを是認してきたが、今や全体主義国家のように、子供たちを再教育し、両親から離反させようとしている。

こうした人権侵害はすべて、日本の統一教会信者と二世信者にとって悲劇をもたらす。

もし日本当局による差別的、抑圧的な措置という憂慮すべき傾向を止めるために何も対策が講じられなければ、この宗教運動は消滅し、信者は他国に移住するか、強制されて信仰を放棄することを受け入れざるを得ない運命にある。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a8%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%ef%bc%9a%e3%83%87%e3%83%a5%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%ef%bc%95%e3%80%80%e5%9b%bd%e5%ae%b6%e4%b8%bb/?_gl=1*1oxwwmh*_up*MQ..*_ga*MTMyOTM1NTM1Ny4xNzMwNjQzOTIw*_ga_BXXPYMB88D*MTczMDY0MzkxOS4xLjAuMTczMDY0MzkxOS4wLjAuMA..

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ48


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の報告書が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本と統一教会:デュバル・レポート4 新法の制定

10/10/2024 Patricia Duval

安倍元首相暗殺後、「物議を醸す」宗教が献金を集める自由を制限する法律が制定され、宗教の自由がさらに危険にさらされた。

パトリシア・デュバル著*

*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書

5つの記事の4つ目 1つ目の記事、2つ目の記事、3つ目の記事を読む

日本の岸田首相がフランスのマクロン大統領と会談。日本の反カルト運動はますますフランスのそれに似てきている。Credits.

解散請求ならびに不法行為訴訟と並行して、条文には明記されていないものの、統一教会を特に標的とした2つの新しい法律が可決された。1つは「寄付の不当な勧誘」を防止するためのもので、もう1つは被害を訴える人々の損害賠償請求を支援し、解散請求の対象となった宗教法人の資産を凍結するためのものである。

「不当寄付勧誘」に関する2022年12月の法律

2022年12月16日、既存の消費者契約法の一部を改正し、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(令和4年法律第105号)(以下「不当寄付勧誘防止法」)が施行された。

この法律の第3条第1項は、寄付を募る者は寄付者の「自由な意思を抑圧」しないよう注意する義務があるとしており、これは不当な影響力という曖昧で差別的な概念を法律に明記するために採用された規定である。

新法には、宗教的な寄付に特化した規定が含まれている:「第四条 法人等は、寄附の勧誘をするに際し、次に掲げる行為をして寄附の勧誘を受ける個人を困惑させてはならない。…六 当該個人に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、当該個人又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、又はそのような不安を抱いていることに乗じて、その重大な不利益を回避するためには、当該寄附をすることが必要不可欠である旨を告げること。」

統一教会による「因縁話」など、寄付しようとする個人への説明において地獄やカルマに言及することは、寄付金を募るために個人を困惑させているとみなされる可能性がある。

カトリック教徒や仏教徒にはそのような慣習があるが、言うまでもなくこの規定は伝統的あるいは「社会的に受け入れられた」宗教に適用されるのではなく、侮蔑的に「カルト」というレッテルを貼られた新宗教運動、より具体的には統一教会にのみ適用されるものである

第4条に該当し、寄付者が「困惑」していたことが判明した場合、寄付は取り消される可能性がある。地獄やカルマについて教えられて困惑していた場合、寄付者が寄付の意図を表明したときから撤回できるまでの期限が5年から10年に延長される。

さらに、同法は寄付者が民法上の扶養義務を負う夫、妻、子、または尊属、兄弟姉妹などに対して定期金債務を負う場合、その債権者(扶養を受ける親族)からも寄付の取消ができることを定めている。最後に、新法は日本司法支援センターからの特別な支援(法律相談のあっせん)と、利用しやすい相談システム(これらの特定の被害者のためのホットライン)を通じて、寄付者が取消しと損害賠償を獲得するためのサポートを提供する。

「不当な勧誘」があった場合、所轄省庁は宗教団体にそのような寄付の勧誘をやめるよう命じることができ、命令に従わなかった場合、関係者は懲役刑に処せられる。

これらすべての措置により、新宗教運動が寄付を募るのは非常に危険なものとなる。なぜなら、寄付者が後になってカルマや天罰についての説明で不安になったと訴えた場合、刑事罰の対象となるからである。

しかし何よりも、この国家的制度は、国家が相談料を支払う弁護士の助けを借りて、教会に寄付した人々に、寄付を取り消し、損害賠償を請求するよう扇動することを目的としている。

2017年に東京を訪問した統一教会のリーダー韓鶴子博士。情報源:世界平和統一家庭連合。

2023年12月の「特定不法行為」等被害者特例法

2023年12月30日、令和5年法律第89号が成立した。それは「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律」と呼ばれる。

この法律には、「特定不法行為の被害者」の救済のための日本司法支援センター(法テラス)の運営に関する特別規定と、「宗教法人の財産の処分及び管理」に関する特別規定が含まれている。法律第89号は、日本の当局者によって「特定不法行為被害者法」または「特別措置法」または「特別法」とも呼ばれている。

これは特に統一教会を標的として採択されたもので、以下の2つの目的がある:

– 1つ目は「特定の不法行為の被害者」が損害賠償を求めて訴訟を起こすのを支援すること、そして

– 2つ目は政府から解散請求を受けた宗教法人の資産を監視することであり、つまり、現時点でこの状況にあるのは統一教会だけである。

「特定不法行為」とは、具体的な解散命令請求の原因となった不法行為をいう。すなわち、文部科学省の解散請求につき、「寄付者の正常な判断を妨げる」行為により寄付金を募り、公共の福祉を害するような不法行為である。

法律第89号の規定により、解散請求がなされた宗教法人は、「指定宗教法人」と「特定指定宗教法人」の2つに分類される。

「相当多数の」被害者がいる場合、「指定宗教法人」に指定される:「第7条第1項 所轄庁は、対象宗教法人が次のいずれにも該当すると認めるときは、当該対象宗教法人を指定宗教法人として指定することができる。1 当該対象宗教法人に係る特定不法行為等に係る被害者が相当多数存在することが見込まれること。2 当該対象宗教法人の財産の処分及び管理の状況を把握する必要があること。」

そして、もしある法人が「指定宗教法人」になっており、その財産が散逸するおそれがある場合は、「特別指定宗教法人」となる(第12条)。

「特別指定」のリストに載った団体は、解散前に資産を処分した疑いのある団体である。彼らに対する監視は強化され、被害者側の弁護士が資産や口座にアクセスしやすくなり、債権を担保するための法的措置がとりやすくなる。

歴史的に、すべての宗教は信者から搾取して私腹を肥やしていると反対者から非難されてきた。これはフランス革命時代の版画で、貴族に支えられた司祭が貧しい農民に乗っている。司祭は農民からの寄付によって太った金持ちになった。Xより。

これらの規定に基づく文部科学省による指定宗教法人及び特別指定宗教法人の指定について明確化するため、政府は令和6年2月15日に「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律に基づく指定宗教法人及び特別指定宗教法人の指定に関する運用の基準」を定めた。

同運用基準によれば、「特定不法行為の被害者」とは、損害賠償を請求する法律上の権利を有する、又は有し得る者である。特定不法行為の被害者は、特定解散命令請求の際に請求者が認知した被害者に限らず、請求の時点では把握されていなかった同種の行為による被害者も含まれるという。

また、これには賠償請求等を行う意向がいまだ明確でない者も含まれる。これは、今後名乗り出る可能性のある潜在的な被害者を意味する。

また運用基準は、「相当多数の被害者」については、個々の事案に即して個別具体的に判断するとしているが、一般的には数十人程度で十分であるとしている。

第7条第1項第2号の要件について、運用基準は、被害者が相当多数存在することが見込まれるような宗教法人であれば、一般的には、財産処分・管理の状況の把握の必要性が認められると規定している。

要するに、第7条1項に基づき、解散命令請求の対象となる宗教法人に、まだ請求を行っていない全会員を含め、数十人の被害者または潜在的な被害者がいる場合には、その宗教法人に組織的な資産秘匿の疑いがあることになり、第7条2項に基づいてその財政状況を監視する必要があるということだ。

したがって、統一教会は政府によって指定宗教法人とみなされており、その資産は裁判所による解散命令の決定が出るまで監視下にあることは間違いない。

実際のところ、金融機関は海外送金やその他の送金に消極的になっている。

被害者側の弁護士、すなわち反統一教会の全国弁連は、損害賠償請求に向けて教会の資産の行方を注視している。日本弁護士連合会も、2023年12月14日に施行された特定不法行為等被害者特例法(法律89号)について、「また、法テラスの業務の特例については、既に法テラスを利用して全国統一教会被害対策弁護団等に依頼している方も含めて、多くの方々が公平に償還免除の対象になるように柔軟な運用をすべきである。さらに、特定不法行為等に関する民事事件手続の対象範囲についても、いわゆる献金等による経済的損害の回復に限るのではなく、家族関係の崩壊に伴う家事事件その他関連する民事事件も幅広く対象とするべきである。」との談話を発表している。

したがって、日弁連は反統一教会の全国弁連の闘いを支援しているのである。弁護士の依頼人である潜在的な被害者は、教会を訴えるための費用を免除される。彼らの「負担」が軽減されるのは、教会から資産を奪う原告を増やすためだ。

これらの弁護士は寄付金の返還を求めるだけでなく、親族が新宗教に改宗したことによって家族が分裂したことに対する損害賠償を請求するよう、家族を扇動している。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a8%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%ef%bc%9a%e3%83%87%e3%83%a5%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%ef%bc%94%e3%80%80%e6%96%b0%e6%b3%95%e3%81%ae/?_gl=1*151yat2*_up*MQ..*_ga*MTMyNjQ1NzQ0Ny4xNzMwNjQzMzc5*_ga_BXXPYMB88D*MTczMDY0MzM3OC4xLjEuMTczMDY0MzQwMy4wLjAuMA..

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ47


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の報告書が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本と統一教会:デュバル・レポート3 日本の国際法違反

10/09/2024 Patricia Duval

Table of Contents

1.日本は、自ら署名・批准した国連規約に違反して宗教の自由に対する制限を導入し続けている。
2.社会的相当性と公共の福祉
3.伝道
4.献金の勧誘

日本は、自ら署名・批准した国連規約に違反して宗教の自由に対する制限を導入し続けている。

パトリシア・デュバル著*

*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書

5つの記事の3つ目 1つ目の記事と2つ目の記事を読む
2016年の自由権規約50周年を祝うポスター。Xより。

国連自由権規約人権委員会から繰り返し出される勧告は、日本政府に対し、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)第18条第3項に規定されている、宗教または信念を表明する権利に対して許容される制限の範囲を再認識させている:「3.宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。」

社会的相当性と公共の福祉

自由権規約人権委員会が強調したように、公共の福祉は制限事由には含まれておらず、社会的相当性もまた含まれてはいない。

対照的に、委員会は第18条に関する総評22号において、その解釈について次のようなガイドラインを示した:「第18条では、一神教や非一神教の信仰や無神論、および特定の宗教や信念を持つこと、および持たないことの権利を保障している。「信念」や「宗教」という用語は広義に解釈されるべきだ。第18条は伝統的宗教にだけ適用されるのではなく、それらに類似した組織や実践をする宗教や信念にも適用される。そこで同委員会は宗教や信念の如何を問わず、いかなる理由、例えば創設されたばかりの宗教であるとか、弱小教団でありながら有力教団にとって厄介な存在であるなどの諸事情があっても、それらを差別することに対して監視している。」

したがって、一部の宗教的信念や慣習が「社会的に受け入れられている」とは見なされないという事実は、日本が統一教会を宗教界から排除しようとする試みを正当化する基準にはなり得ない。

また、文科省が解散請求で主張した、統一教会の信者が原告らの「正常な判断を妨げる」ことによって原告らに献金をさせ、その結果「親族を含む多数の者の生活の平穏を害した」という議論も全く的外れである。

国際人権法は、親族が新宗教に改宗したことによって家族の「生活の平穏を害すること」を考慮に入れていない。

それは「公共の福祉」を害することも同様であり、日本が締約している規約第18条3項の、宗教または信念を表明する自由に対する制限事由として記されていない。

実際、公共の福祉を著しく害する場合に解散を規定する宗教法人法第81条第1項は、日本政府に対する様々な国連勧告を受けて、ずっと以前に廃止されるべきであった。

2017年に名古屋でスピーチする統一教会のリーダー韓鶴子博士。情報源:世界平和統一家庭連合。

伝道

さらに、伝道する権利は宗教的信念を表明する権利の一部であり、同様に保護されている。

宗教または信念の自由に関する元特別報告者ハイナー・ビーレフェルト氏は、人権理事会への2012年中間報告書(2012年8月13日、A/67/303)の一部を「非強制的な説得によって他者を改宗させようとする権利」に充て、「一部の国は、コミュニケーションによる啓蒙活動に厳しい立法上または行政上の制限を課している。非強制的な説得によって他者を改宗させようとする権利は、それ自体が宗教または信念の自由の不可分な一部を構成しており、こうした事態はその権利を不当に制限する可能性がある」と報告した。

前記判決が判決中で述べるところの、統一教会信者が新規に対し、セミナーや研修会への参加を勧誘し、「その教義である「統一原理」に対する理解を徐々に浸透させる」ことは、「非強制的な説得」であり、正当な伝道活動に該当することは疑いがない。

特別報告者はさらに、「こうした制限の多くは、甚だしく差別的な形で概念化され、実施されている」とし、「一般的に布教活動に従事しているという評判の宗教団体の会員はまた、妄想にまでエスカレートし得る社会的偏見に直面する可能性すらある」と述べた。

これこそまさに、日本における統一教会の信者たちが置かれている状況である。彼らは社会的な偏見に直面しており、それが妄想にまでエスカレートし、彼らの伝道が「反社会的活動」と見なされるに至っている。

特に、東京地方裁判所は2008年1月15日に次のような判決を下した(政府の解散請求に含まれる判決):「しかしながら、上記のような行為(勧誘や物品販売行為等)が、その行為者をいたずらに不安に陥れたり、畏怖させたりした上で、そのような心理状態につけ込んで行われ、社会一般的にその行為者の自由な意思に基づくとはいえないような態様で行われたものである場合や、行為者の社会的地位や資産状況等に照らして不相当な多額の金銭を支出させるなど、社会的に考えて一般的に相当と認められる範囲を著しく逸脱するものである場合などには、そのような勧誘行為や物品販売行為等は、反社会的なものと評価され、公序良俗に反するものとして、違法なものになるといわざるを得ない。」

条約によって保護されている権利を侵害するこうした偏見的状況を回避するために、特別報告者は、「国家が必要と考える宣教活動へのいかなる制限も、市民的及び政治的権利に関する国際規約第18条第3項に規定されているすべての基準を満たさなければならない」と結論付けた。
元宗教または信念の自由に関する特別報告者のハイナー・ビーレフェルト氏。Xより。

献金の勧誘

宗教や信念を表明する権利には、宗教団体を設立し維持する権利も生来的に備わっており、1981年の国連総会宣言で明記されているように、寄付を募る権利も含まれている。「第6条 思想、良心、宗教又は信念の自由についての権利は、とりわけ次のような自由を含む。(b)適切な慈善的又は人道主義的機関を設立及び維持する自由、(f)個人や機関からの任意の財政的又はその他の寄付を、要請及び受領する自由」

したがって、暴力によって強制するのでない限り、統一教会の信者が教会の運営のために寄付やその他の貢献を募ることは完全に合法である。

統一教会による献金の勧誘や宗教的工芸品の販売活動については、著名な宗教社会学者であり、人種差別、外国人排斥、宗教差別と闘う欧州安全保障協力機構(OSCE)元代表であるマッシモ・イントロヴィニエ氏が発表した詳細なレビューを参照して欲しい。また、この件に関する福田ますみ氏の記事も参照のこと。

いかなる暴力要素も存在しないにもかかわらず、反統一教会の全国弁連は不当な影響力という概念を作り出し、日本の裁判所はこれを採用して寄付金が寄付者の自由意思を侵害して得られたものと認定した。

宗教団体による影響は、統一教会から発せられる場合には、「不当」であり「社会的に受け入れられない」とみなされるのである。

福田ますみ氏は2022年12月に文科省に送った意見書の中で、全国弁連のメンバーである伊藤芳朗弁護士の「他の事件では認められないような請求も相手がカルト宗教だと安易に認められてしまう、という裁判所の傾向がある」「民事訴訟では、カルト宗教だと負けという裁判所の枠組みたいなものがある」という発言を引用した。

以上の結論として、不法行為に関する偏向判決事例と「公共の福祉」を巡る瑕疵ある法条に基づく政府の統一教会に対する解散請求は、条約に基づく日本の義務に対する重大な違反を構成する。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a8%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%ef%bc%9a%e3%83%87%e3%83%a5%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%ef%bc%93%e3%80%80%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae/?_gl=1*1d7y1pt*_up*MQ..*_ga*NDM2NjU5MTU0LjE3MzA2MzkwODg.*_ga_BXXPYMB88D*MTczMDYzOTA4Ny4xLjAuMTczMDYzOTA4Ny4wLjAuMA..#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E3%80%81%E8%87%AA%E3%82%89%E7%BD%B2%E5%90%8D%E3%83%BB%E6%89%B9%E5%87%86%E3%81%97%E3%81%9F%E5%9B%BD%E9%80%A3%E8%A6%8F%E7%B4%84%E3%81%AB%E9%81%95%E5%8F%8D%E3%81%97%E3%81%A6%E5%AE%97%E6%95%99%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%B6%E9%99%90%E3%82%92%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%97%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ46


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の報告書が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本と統一教会:デュバル・レポート2 安倍氏暗殺とメディア・キャンペーン

10/08/2024 Patricia Duval

反カルト主義者たちとメディアは、安倍元首相暗殺の状況に誤った解釈を加え、これを悪用して統一教会を攻撃した。

パトリシア・デュバル著*

*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書

5つの記事の2つ目 1つ目の記事を読む

奈良の安倍元首相暗殺現場。銃撃から数時間後に撮影。Credits.

安倍元首相暗殺事件の余波

統一教会は過去にも全国弁連から「霊感商法」の非難を受けて排除されていたが、2022年7月8日の安倍晋三元首相の暗殺をきっかけに、メディアによる反統一教会キャンペーンが再燃した。

安倍元首相は、統一教会と友好関係にある国連NGOである天宙平和連合(UPF)の平和構築活動に対して共感を示し、2021年にビデオを通じて、2022年にはメッセージを送ることで、2つのUPFイベントに参加した。

犯人の山上徹也は、安倍晋三が統一教会を支援していると非難した。彼は約22年前に高額の献金をした統一教会の女性信者の息子だった。彼は母親が教会への献金のせいで破産したと主張して、自分の犯行を正当化した。なぜ22年も前のことで行動を起こしたのかについて彼は説明しなかったし、2009年に家族の要請で献金の半分が返還されたことについても彼は言及しなかった。

長い年月を経た後に、彼が首相を攻撃するようそそのかしたのは何者だったのかについては、誰も疑問に思わなかったようだ。確かな事実は、山上が反カルト運動とつながりを持っていたということだ。

殺人による逮捕後、全国弁連の主導により、統一教会に対するメディアの猛攻撃が始まった。

2022年7月12日、暗殺事件を受けて全国弁連が開いた記者会見では、弁護団が次々と統一教会を激しく非難した。彼らは「旧統一教会に関して言えば、山上徹也(安倍首相暗殺者)とその母親は100%被害者であり、教団は100%加害者である」と述べ、統一教会を「反社会的」「巨悪」と形容した。

こうした報道を受けて、拡声器を搭載した極右団体の車が統一教会本部や主要都市の教会を取り囲み、「日本から出て行け!」と大音量で叫んだ。ハガキやメールで殺害予告を含む脅迫状が送られてきた。信者は学校、職場、社会で差別を受け、信仰を理由に家族から反対される者もいた。女性が夫から家庭内暴力を受けて負傷したり、離婚を余儀なくされたりするケースもあった。

続いて起こったメディアの騒動により、日本政府は教会とのいかなる関係も断つよう圧力を受け、この惨事は教会のせいだとする全国弁連からも非難を受け、政府当局は教会の解散手続きを開始し、日本から教会を排除するためのいくつかの法律を可決させた。

全国弁連は教会が敗訴した不法行為訴訟を利用してメディアの激しい非難を煽り、解散請求を促した。そして今度はメディアの攻撃によって、裁判所は教会にさらに不利な判決を下すよう圧力を受けた。

全国弁連の主要なメンバーである紀藤正樹弁護士。Xより。

そしてついに、2022年10月19日、岸田首相は宗教法人の解散要件に関する宗教法人法の解釈を変更した。同法第81条は次のように規定している:「裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。1.法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。…」

首相は一夜にして、民法上の不法行為の認定は「法令違反」に当たると判断し、統一教会に対する解散手続きが開始された。

宗教法人を所轄する日本の文部科学省が解散を申請した。文部科学省の英語名はMinistry of Education, Culture, Sports, Science and Technologyだが、その頭文字を取ってMEXTと略される。「M」は省、「E」は教育、「T」は技術を表す。「X」は「交差(cross)」を表すために使用され、文化、スポーツ、科学、宗教など、さまざまな分野が交差する領域に対する省の職掌を示している。

文部科学省は統一教会に情報提供を要請し始めた。これは日本の法律では宗教法人の解散を求めるための予備的な手続きである。

文部科学省は、2022年11月から2023年7月にかけて、統一教会に対して7回にわたり質問権を行使した。質問内容は、組織や運営に関することはもちろん、訴訟や苦情、和解などの法的事項、献金の形態など多岐にわたった。また、宗教の教義や信条そのものに関しても、それが教会への献金を信者にさせるためにどのように利用されるのかについて質問された。

最終的に、文部科学省は2023年10月13日、教会が敗訴した32件の不法行為訴訟を根拠に、東京地方裁判所に教会の解散を求める訴訟を起こした。

解散請求の当否に関する第1回審問は、2024年12月に東京地方裁判所で開かれる予定である。

文部科学省のロゴ。情報源:文部科学省

不法行為訴訟 ― 日本の裁判所の判決

既に詳述したように、裁判所は全国弁連の消費者法的観点からの論法を無条件に採用した。

この論法に基づき、彼らは献金を募った教会員の信仰を無視し、彼らの目的はもっぱら営利にあると推認できると主張した。

裁判所は、「不当な影響力」を受けたとされる統一教会員が実際には強い信仰を有していたことを認識していたにもかかわらず、彼らが告白した信仰は新しい信者を惑わすための言い訳にすぎないとみなした。

文部科学省は解散命令申立書の中で、次のように主張している(解散命令申立書):「本件宗教法人は、遅くとも昭和55年頃から令和5年頃までの間、その信者が多数の者に対し、相手方の自由な意思決定に制限を加えて、相手方の正常な判断が妨げられる状態で献金又は物品の購入をさせて、多数の者に多額の損害を被らせ、その(セミナーや集会の参加者の)親族を含む多数の者の生活の平穏を害する行為をした。」

この告発の根拠は、統一教会が32件の裁判で敗訴し、損害賠償を命じられたことである。

文部科学省は、統一教会が法令に違反し、宗教法人法第81条第1項に規定する「明らかに公共の福祉を著しく害すると認められる」行為を行ったと結論付けている。

この法律の規定は、自由権規約第18条第3項で認められた制限ではないため、明らかに国連の勧告に反しているという事実もさることながら、32件の裁判例(判決の決定部分を含む32件の不法行為事件の概要、添付資料2を参照)を根拠とすることには、少なくとも5つの要因で欠陥がある:

1.裁判所は、多くの判決で「被害者」は「救出された」ないしは「保護された」と述べている。これはディプログラミングの別の言い方であり、彼らは信仰を放棄するよう強要され、教会を訴えるよう説得されたことを意味する。これらの訴訟は統一教会に対して捏造されたものであり、信仰を撤回させるには強要が必要だったことからすると、献金した当時の元信者に信仰があったことは、明らかな事実であると結論付けることができる(32件の不法行為訴訟のうち、121人の原告が裁判所の認定によればディプログラムされていることに留意)。
2.裁判所は、精神操作という、誤りであることが既に証明された理論を用いて、元信者が当時自らの自由意思によって献金したことを示す被告側の証拠を却下した。
3.関係する事実は非常に古い(40年から20年前)が、裁判所は同じ理論を用いて、時効(3年以上)が成立しているという弁護側の主張を退けた。裁判所は、民事訴訟に有効な時効を適用することを拒否し、「被害者」は反統一教会の全国弁連に出会うまで教会の不当な影響下にあったため、被害者であることに気付かなかったと判断した。これは法律の差別的な適用である。
4.裁判所は、献金が「社会的相当性」を逸脱していると判断する場合、「推定有罪」の法理を適用してきたが、献金勧誘行為の違法性判断のために用いられるこの概念は、恣意的かつ曖昧である。
5.裁判所は、教会への献金を募るために「霊界を利用する」こと、すなわち、カルマ、地獄、救済への信仰に関連する教義の内容を非難したが、これらは宗教そのものに本来備わっているものであり、教理を語って献金を募ることは、宗教団体を設立し維持する権利でもある。

文部科学省が言及した32件の不法行為事件には、違法性に関する同じ一般論が含まれている。「特定の宗教を信じる者が、宗教活動の一環として物品販売(実質的には寄付の勧誘)を行うことも、その方法、態様及び金額等が社会的に相当な範囲内のものにとどまる限りは、違法とはならない。しかし、宗教活動の名の下に営利のみを目的として行い、勧誘を受けた者の不安や混乱を増大させ、その社会的地位や財産に比べて過度に多額の金銭を費やさせるなど、社会的に許容される範囲を著しく超える行為である場合には、違法とならざるを得ない。」

社会的相当性という曖昧で差別的な概念が、日本の裁判所によって統一教会の伝道の権利を制限し、その伝道活動を不法行為にしてしまうために利用されている。

東京高等裁判所。 Credits.

文部科学省が解散請求の根拠とした32件の不法行為事件のうちの一つとして引用した2003年5月13日付東京高等裁判所の判決は、以下のように判示している:「(原告らを)段階を踏んだセミナー(修練会)やトレーニング等に参加させ、統一原理に対する理解を徐々に浸透させ、さらには教義の実践と称して具体的な伝道活動や経済活動に従事させ、その過程で自らが勧誘された過程や、自らが現に行っている活動に多少の疑問を呈するようになっても、信仰を止めることによって自己及び一族家族の現世での救済が得られなくなるという心理を持たせることによって統一協会からの離脱を困難にする契機を有するものであったということができる。」(東京高裁、6頁、2002年10月20日新潟地裁判決の147頁を支持)。

統一教会の信仰を広めることを通して信仰を表明すること自体が、裁判所によって不法行為であると判断され、被害者の自由意思を侵害するものとみなされた。裁判所は次のように判断した:「一般に、宗教を広めるために勧誘・教化する行為、勧誘・教化された信者を各種の活動に従事させたり、献金させたりする行為は、それが社会的に正当な目的に基づき、方法、結果が社会通念に照らして相当である限り、宗教法人の正当な宗教活動の範囲内にあるものと認められる。しかし、その行為が、目的、方法、結果を総合的に判断して、社会的に相当な範囲を著しく逸脱している場合には、法律上、違法であるとの評価を受けるというべきである。そして、このことは、仮に勧誘された信者が、表面的には宗教法人の教義を信仰してその信仰心に基づいて入信した場合であっても同様であり、それらの勧誘、教化を受け、現実にその宗教の伝道活動に従事し、献金等を行った信者に対しても不法行為が成立するというべきである。」

この判決は2004年11月12日に最高裁で支持された。

結論として、反統一教会の全国弁連やメディアの影響を受けて、裁判所は伝道活動や信仰の普及を行った信者を非難するために、心理操作の理論を受け入れたが、これは宗教もしくは信条の権利の侵害であると言わなければならない。

日本の裁判所では統一教会の信者に対する「推定有罪」の意識が非常に強いため、原告が信仰に基づいて献金したことを被告側が証明できたとしても、この証拠は裁判官によって不当な影響力の理論に基づいて無視され、証拠力を否定されてしまう。

そのため、教会とその信者は日本国内の裁判所で自分たちの声を届け、正義を得ることができない。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。
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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ45


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。このサイトにフランスの弁護士であるパトリシア・デュバル氏の報告書が掲載された。このたびマッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただくことなった。

日本と統一教会:デュバル・レポート1 仕組まれた不法行為訴訟

10/07/2024  Patricia Duval

統一教会に対する複数の不法行為訴訟を起こすことは、教会を破壊するための戦略の一部であり、宗教の自由に関する国際的基準に違反する。

パトリシア・デュバル著*

*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書

5つの記事の1つ目
ジュネーヴで自身の報告書について発表するパトリシア・デュバル弁護士Credits.

以下の報告書は、世界平和統一家庭連合(以下、分かりやすくするために「教会」、「統一教会」または「UC」と表記)を主題としている。

背景―国連の特別手続きの適用

我々は、被害者の会を代表して2013年7月23日に宗教または信念の自由に関する特別報告者に提出した、日本における拉致と強制棄教(「ディプログラミング」と呼ばれる)に関する、我々の前回の報告書に言及する。

本報告書は、日本におけるこうした活動に関するフォローアップである。こうした活動の結果、ディプログラムされて背教者となり、「詐欺的かつ洗脳的な伝道」(神戸地裁判決83ページを参照、大阪高裁もこれを支持した)に対して苦情を訴えさせられた信者らにより、教会に対する不法行為訴訟が雪崩のように起こった。

これらの不法行為訴訟はその後、政府が、現在係争中の教会解散手続きを開始するための根拠として使われている。

ディプログラミングに関する報告書では、そうした行為の被害者からの被害陳情等も含めて事例が文書化され、当時、自由権規約人権委員会にも送付された。

自由権規約人権委員会は、日本に対する第6回定期的審査でこの問題を取り上げ、問題を無視しようとする日本政府とやり取りをした後、警察と司法が行動を起こすことを拒否しているという証拠をわれわれが提示した結果、2014年8月20日の総括所見CCPR/C/JPN/CO/6)に以下の勧告を盛り込んだ:「拉致と強制的棄教 21.委員会は、新宗教運動の回心者を棄教させるための、彼らに対する家族による拉致および強制的な監禁についての報告を憂慮する(2条、9条、18条、26条)。締約国は、全ての人が自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない権利を保障するための、有効な手段を講ずるべきである。」

数か月後の2014年11月14日、初めて、そのような悪行の被害者である後藤徹氏が、家族と2人のディプログラマーに対する民事訴訟で、東京高等裁判所において多額の損害賠償を勝ち取った。これは、後藤氏の信仰を棄てさせようとして失敗に終わった12年間の不法監禁と強制的な説得に対する賠償であった。裁判所は、後藤氏が被った損害に見合った賠償を認め、松永堡智牧師によるディプログラミングそのものが違法であるとの判決を下した。この判決は、間もなく最高裁判所によって支持された。

最高裁判所での後藤徹氏。Xより。

その後、このディプログラミングの活動は終わったかのようにみえたが、統一教会とその信者を排除しようとする試みは継続し、今日に至って激増した。

この報告書は、教会の解散の脅威につながる一連の不法行為訴訟、教会資産の剥奪、統一教会向けに新調した2つの新しい法律の制定、二世信者に対する国家による新しい形のディプログラミングの実施、および信者に対するその他の深刻な差別問題、などの展開について述べる。

また、長年にわたり、自由権規約人権委員会が日本政府に対して、「公共の福祉」に基づいて宗教または信念の自由の権利を違法に制限してきたことに関して、定期的に新たな勧告を出してきたことも強調しておく必要がある。

2008年、2014年及び2022年の総括所見において繰り返し、同委員会は日本政府に対し、以下のとおり勧告した(2008年12月8日、CCPR/C/JPN/CO/5 §10、2014年8月20日、CCPR/C/JPN/CO/6、及び2022年11月30日、CCPR/C/JPN/CO/7 §37)。「『公共の福祉』を理由とする基本的自由の制限。21. 当委員会は、『公共の福祉』の概念が曖昧かつ無制限であり、規約(第2条、第18条及び第19条)で許容される範囲を超える制限を許す可能性があることに対する懸念を、もう一度繰り返して表明する。当委員会は、前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、第10項参照)を想起し、締約国に対し、第18条および第19条第3項に定められた厳格な条件を満たさない限り、思想、良心および宗教の自由または表現の自由の権利に対するいかなる制限も課さないよう強く求める。」

日本は、これらの度重なる勧告に決して従わなかった。なぜなら、日本国憲法は、現在に至るまで、「公共の福祉」の保護を根拠とする人権制限を認める条項を依然として定めているからである(第12条および第13条)。

さらに悪いことに、統一教会の解散を求めるために政府が依拠した法律条項は、「公共の福祉」の侵害を明文で規定している(宗教法人法第81条1項)。

その後の展開 ― 仕組まれた不法行為訴訟の急増

日本政府からお墨付きを得て行われた30年以上にわたる統一教会信者に対するディプログラミングの結果、ディプログラマーと反カルトの弁護士組織によって棄教させられ、説得された元信者らが、教会を相手取って起こした不法行為訴訟が雪崩のように起きた。

この組織は、全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下「全国弁連」という)と名付けられ、社会党や共産党に近い運動であり、統一教会が公然と共産主義と戦っていた時代に、統一教会と戦うために1987年に設立された。

実は全国弁連は、旧統一教会の友好団体である国際勝共連合(IFVOC)が当時推進していたスパイ防止法の制定を阻止するために作られたものだった。当時、全国弁連の主要メンバーだった山口広弁護士は、その発足式で「霊感商法で得た金が、統一教会と勝共連合のスパイ防止法制定運動の資金として使われている」と発言した。これらの弁護士は、教会が「霊感商法」で得た金が、共産主義と戦うために使われていると主張した。

「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は、消費者法にヒントを得て、かつて教会の信者の一部が(主に彼ら自身の私的企業によって)行っていた商法を指し示している名称だ。彼らは印鑑、彫像、壺、ミニチュアの仏塔などを、本来の価値よりかなり高い値段で販売していたが、こうした慣行はカトリック教会などの一部の伝統的宗教にも見られる。

全国弁連は、統一教会とその活動を支援するために行われた寄付に対しても「霊感商法」というレッテルを貼った。地獄と救済の概念はほとんどの宗教に共通する信仰であるにもかかわらず、彼らは、統一教会は永遠の救済を「販売」し、信者に不安を抱かせて寄付を獲得していると主張した。

「霊感商法」は反カルト活動家が作った言葉で、宗教的マイノリティへの寄付を消費者法の問題とみなし、詐欺的な商法として寄付者への返金請求を可能にするものである。この用語は、他の国の反カルト運動によっても使われており、例えばドイツでは1997年に、反カルト団体が「人生の困難を克服することを助ける商業サービス」(「人生支援」)と呼ぶ行為を規制する法案が提出され、この法案は反カルト協会によって「サイコ契約法」と呼ばれた。

1997 年夏、ドイツのルーテル教会とカトリック教会の代表は、国会の上院である連邦参議院に共同声明を送り、法案の厳しい制限が彼らの教会にも適用され、特に彼らが提供する精神的なカウンセリング・サービスへの報酬にも適用され得ることに対する懸念を表明した。その後、法案は廃案になった。

全国弁連の弁護士らは、統一教会への寄付は、こうした信仰に基づいて「不安を煽り」、寄付者の「自由意志」を奪うことで得られたものと推認すべきだと日本の裁判所を説得することに成功した。

全国弁連の山口広弁護士。スクリーンショット

全国弁連の弁護士らは消費者法に基づく論法で、寄付金を集める教会員の信仰を無視し、彼らの動機はもっぱら営利であると主張している。彼らが告白する信仰は、信者を騙すための隠れ蓑にすぎないとみなされるべきだと弁護士らは主張している。

監禁され強制的に棄教を強要された元信者は、ひとたび棄教すれば全員が、不法な寄付金勧誘や布教活動を理由に教会を訴えて損害賠償を獲得するため、ディプログラマーや家族によって全国弁連の弁護士を紹介される。

社会学を専攻した有名なフリージャーナリストの福田ますみ氏は、この現象全体を徹底的に調査し、数多くの「ディプログラミングを受けた」信者にインタビューした。その後、彼女は調査結果を記した意見書を政府に送り、解散請求を取り下げるよう求めた。

彼女は、日本には身体的暴力や欺罔によって拉致され、アパートやその他の場所に長期間監禁され、信仰を棄てるまで解放されなかった信者が4,300人以上いるという数字を挙げた。

彼女は、不法行為を主張する原告のほとんどが、そのような過程を通過して、損害賠償請求訴訟を起こすことによって、本気で教会を脱退する意志を証明しなければならなかった信者たちであると結論づけた。

彼女はディプログラミングのプロセスと、それに続く不法行為に基づく民事訴訟について以下のように詳しく説明した。「日本における17世紀の切支丹迫害では、彼らの命を救うには当局に対して自分はキリスト教の信仰を棄てたと告げるだけでは不十分でした。彼らはもはや切支丹ではないことを証明するために、イエスの絵を踏むことを求められたのです。同様に、ディプログラムされた信者たちも、彼らがもはや統一教会の信者ではないと告げるだけでは不十分でした。彼らは自分が「霊感商法の被害者」であったと主張し、購入した大理石壺や多宝塔、印鑑などの物品の代金の返還を教団に要求する訴訟を起こすことによって、彼らが本当に教会を離れたことを証明しなければならないのです。」

彼女はまた、反統一教会の弁護士連絡会がディプログラミングの問題に深く関与しており、最終的に信仰を棄てることに同意した人々は皆、教会を訴えるために組織的に彼らに紹介されていたと指摘した。

彼女は以下のように書いている:「全国弁連もこの拉致監禁に深く関与しています。元信者が、教団に対して行う訴訟を優先的に担当するからです。弁護士たちはこれで潤いますし、脱会屋やキリスト教の牧師たちも、元信者の親族から謝礼と称して、かなり多額の金品を受け取ります。」

福田ますみ “Bitter Winter”の写真

実際、連絡会の弁護士は、ディプログラミングを通じて親族を棄教させるよう家族に助言するなど、ときには最初からこのプロセスに関与することもあった。「弁護士たちは信者の親から相談を受けると,まず脱会屋を紹介し,拉致監禁により脱会に成功すると、今度は脱会屋から元信者を引き継いで原告に仕立て上げて訴訟を起こすのです。紀藤弁護士や有田芳生氏、鈴木エイト氏ら反統一教会陣営は、いまだにこの信者に対する拉致監禁を『保護説得』であると強弁しています。」

政府が教会の解散を請求する上で依拠した不法行為訴訟の一つでは、原告3人が家族に拉致監禁され、本当のキリスト教の教えは統一教会とは異なると「説得」しようとしたプロテスタント牧師2人によるディプログラミングの対象となった(神戸地方裁判所、2001年4月10日判決、事件番号9。同裁判所は請求を棄却したが、大阪高等裁判所は2003年5月21日に地裁判決を破棄し、原告に損害賠償を認めた)。

彼らは「詐欺的かつ洗脳的な伝道」を根拠に損害賠償を請求していた。ディプログラミングの後、原告らは教会の教義が無意味であると信じるようになり、教会を離れることを決意した。

2人のディプログラマーのうちの1人である高澤守牧師は、口頭弁論中に尋問と反対尋問を受け、次のように述べた(神戸地方裁判所、証人調書、1996年3月26日、81ページ)。

「Q:証人がいままでやってこられた救出活動に対して被告統一協会のほうがあれは拉致監禁であるというふうに非難していることはご存じですね。

A:はい、知っております。

Q:そういう非難に対してはどのようにお考えでしょうか?

A:これはやっぱり拉致監禁ではなくて、親御さんが一緒なわけですからあくまでも保護と心得ております。」

彼は続けて述べている:

「Q: 拘束しだしたのはいつごろからですか。

A: いま申し上げましたように、10年ぐらい前からだと思いますが。それは私だけではなくて、全国的なそういった救出に携わってくださってる牧師さんたちの大体統一した、そういうことだと思います。」(神戸地方裁判所、1996年5月21日証人調書25ページ)。
神戸地方裁判所 Credits.

その後、このディプログラマーは、この行為が通常は違法であることを知っていたものの、次の理由により継続するつもりであったことを法廷で認めた(神戸地方裁判所、1996年3月26日証人調書、81~82ページ)。

「Q:ただ、救出活動を受けなくても自然脱会したり、それから統一協会から離れていったりというような人はいるんでしょう?

A:もうしっかり統一協会の信仰を持たれた方は、自然脱会ということは私は不可能だと思います。」

まさに、統一教会信者の揺るぎない信仰を打ち砕くためにディプログラミングの技法が創出され、政府の庇護の下で、「全国的な」家族による活動へと発展したのである。

信者が篤実な信仰と強い信念を有していたという事実が持つ意義を無力化するために、不当な影響力または「洗脳的伝道」の理論が捏造されたのであり、これが親たちにこの種の「保護」を実践するよう助言した全国弁連の弁護士たちが提起したすべての不法行為の申し立てを基礎づけている。

問題は、これらの弁護士が国際人権法に違反する行為に関与したと思われ、現在に至るまでそのような行為を推奨しているという事実はさておいても、彼らが長年にわたり日本の裁判所から一連の不法行為判決を獲得することに成功し、それが教会に対する解散請求に利用されたことである。

日本の裁判所は、原告に献金を返還するよう命じる判決を正当化するために、彼らが献金したときには強い信仰を持っていたことをディプログラマーが説明するのを聞いた後でさえ、統一教会による「不当な影響力」の理論を支持してきた。

この「不当な影響力」を根拠に、裁判所は統一教会の活動を「違法」と判断したのであり、ディプログラマーらの証言を基にしたこうした判決は、政府の解散請求の根拠にされているのである。

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