BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ104


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本における宗教法人の解散:憲法上の問題3.宗教法人法第81条

Jul 22, 2025 by Setsu Kobayashi | Documents and Translations, Japanese

この規定は、宗教法人は犯罪で有責となった場合にのみ解散できると解釈されない限り、違憲である。

小林節

5本の記事の3本目。1本目2本目を参照のこと。
注: 日本語原文の括弧内の参照はそのまま残した。

日本国憲の原本の最初のページ。天皇陛下の上諭が記されている。

宗教法人解散命令手続きは「厳格審査」であるべきだ

既にこのシリーズで述べたように、アメリカ合衆国最高裁で確立された憲法判例として、信教の自由は「優越的人権」とされており、それを制約しようとする政府の行為は「厳格な違憲審査」に服さなければならない。これは、人間の本質が変わらない以上、わが国の憲法学説でも標準的な理解である。(樋口陽一「憲法」(第四版)144頁)

従って、国家が宗教団体に不利益処分を下そうとする場合には、㈰法律で定められた「正当な事由」(しかも特に高度の公益を守る理由)があり、かつ、㈪法律が定めた(厳重な)「適正な手続き」に従って、判断が行われなければならないはずである。これは、日本国憲法の人権の手続規定の総則である31条の母法である合衆国憲法修正5条・14条に関する確立された運用原則である。(See, BLACK’S LAW DICTIONARY, fifth Ed. p.449.)

宗教法人法81条1項及び7項に定める手続きは違憲である

宗教法人法81条1項は、「裁判所は、左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁(文科省)、利害関係人もしくは検察官の請求により、又は職権で、宗教法人の解散を命ずることができる」と規定している。

そして、次に各号として、「一 法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。」と規定している。その後の二から五号は、一号とは明らかに次元の異なる、法人が「休眠」か「変質」した場合の規定である。だから、これらの清算は国家による後見的行政手続で行われても原則として人権侵害の問題にはならないであろう。しかし、一号は、現に宗教活動を行っている宗教法人のいわば国家による「取り潰し」に等しい手続きである以上、厳格な手続きによらなければならないはずである。

日本国憲法の原本。昭和天皇(裕仁、1901-1989)および国務大臣の署名入り。

法令違憲と適用違憲

ここで、第一に問題にされるべき点は、条文上、「『法令』に違反して」とあって、「『刑事法』に違反して」となっていない事実である。これまでの、アメリカ合衆国(日本国憲法20条の母法国)とわが国の確立された判例によれば、宗教法人は犯罪で有責にならない限り解散されることはない。それは、犯罪という当事者間で処分してはならない「最高度の公益」を侵害した場合には優越的人権である信教の自由の行使といえども許されない(赦されない)からである。他方、民事法上の不法行為の場合には当事者間で金銭等で責任を取るか、あるいは和解により処理して済む私益にかかわるものなので、公権力としては、優越的人権に譲るべき場合だからである。

したがって、この条文は、そもそも文言上、「過度に広範な規制」として違憲であるというべきものである。いわゆる「法令違憲」である。ただし、この点に配慮して「法令」を「刑法」と狭く読む運用は可能である。それが、従来の政府見解であった。だから、それを行わない決定は「適用違憲」になるはずである。

そういう意味で、3月3日に最高裁判所が下した決定は問題である。旧統一教会が宗教法人法に基づく文科省からの資料提出命令に従わなかったことに対する過料を争う裁判で、最高裁は、宗教法人法81条1項に規定された「法令違反」の「法令」には「民法」も含まれるという重大な判例変更を敢えて行った。これに従った3月25日の東京地方裁判所の決定も問題である。

2024年7月、広島で解散請求に抗議する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会員たち。

憲法31条に違反

これは、憲法31条(法廷適正手続きの保障)による、公権力が人権を制約しようとする場合には、予め法律で定められた「正当な理由」と「公正な手続き」によらなければならない…という要請の前半(「根拠」の問題)に違反しているといえる。

さらに、宗教法人法の法人解散手続きには、第二に、憲法31条の要請の後半(「手続き」の問題)に違反する点もある。

宗教法人法81条7項は、本条1項の宗教法人解散命令手続きは「非訟事件手続法の定めるところによる」と規定している。

これは、宗教法人の解散命令という「優越的人権の行使の存否に関わる重大な手続き」を、国家による裁判所を利用した「後見的行政手続き」で行おうとするものである。

多言を要しないことであるが、憲法31条は、人権(今回は特に優越的人権である)を制約する場合には、予め法律で定められた「適正な」すなわち公正な手続きによることを保障しており、それを受けて、憲法32条は、誰であれ公正な裁判所における裁判を受ける権利を保障している。加えて、憲法82条は、「人権」が問題となっている裁判の「対審」は「公開」しなければならない…と命じている。

3月25日の東京地裁による解散決定に対して、旧統一教会は即時抗告を行った。しかし、東京高等裁判所においても解散という終局決定が下された場合には、最高裁に対する特別抗告が行われている間も、原裁判の執行は停止されない。そこで、清算人が選任され、教会の財産はその管理下に置かれ、そして、そこに至った一連の流れの延長線上で、債務を弁済するために売却される可能性も大きい。その結果、教会員の信仰活動に必要な教会施設について、礼拝等のための使用が制約され、教団としての宗教活動はもちろん、個々の信者たちの信教の自由も著しく制約されることは必定である。まるで解体中の家に住んでいるような不自由極まりない状態になる。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e5%ae%97%e6%95%99%e6%b3%95%e4%ba%ba%e3%81%ae%e8%a7%a3%e6%95%a3%ef%bc%9a%e6%86%b2%e6%b3%95%e4%b8%8a%e3%81%ae%e5%95%8f%e9%a1%8c%ef%bc%93%ef%bc%8e/

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ103


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本における宗教法人の解散:憲法上の問題2.優越的人権としての信教の自由

Jul 21, 2025 by Setsu Kobayashi | Documents and Translations, Japanese

人権の中で信教の自由が有する固有の地位は、宗教が自らを組織化でき、免税が認められるべきであることを意味している。

小林節

5本の記事の2本目。1本目を参照のこと。
注: 日本語原文の括弧内の参照はそのまま残した。

1940年代初頭、「ウェストバージニア州教育委員会」訴訟が始まった頃のエホバの証人。

優越的人権としての信教の自由と厳格な違憲審査基準

1本目の記事で述べたように、信教の自由を主張しようとも(例えば重婚のような)犯罪だけは許されないのであるが、合衆国最高裁判所は、それが真摯な宗教上の主張である場合には、信教の自由を人権体系上の「優越的人権」として扱ってきた。

例えばエホバの証人に対する国家への忠誠宣誓の強制の合憲性が争われたW. Virg. State Bd. of Ed.事件に対する1943年の最高裁判決は、礼拝の自由を、単なる「合理性」といった貧弱な根拠によって制約してはいけない、信教の自由は、「国家が合理的に保護できる『公益に対する重大かつ緊急の危険を除去するため』だけにしか制約を受けない」とした(West Virginia Board of Education v. Barnett, 319 U.S. 624(1943) at639.)。

以来、この立場を、合衆国最高裁は一貫して踏襲している。つまり、「『至高の公益を脅かす重大な権利濫用』だけが信教の自由の制約を許す。」(Sherbert v. Verner, 374 U.S. 398 (1963))。「国は、それが、『非常に重大な公益』を実現するための、『最も弾圧的でない手段』であるということを証明することにより、その信教の自由に対する権力による侵害を正当化することができる。」(Thomas v. Review Board of the Indiana Employment Security Division, 450 U.S. 707 (1981))。「『最高の公益』で、さらに、『その方法によらなければ実現しない公益のみ』が、正当な信教の自由の主張を否定できる。」(Wisconsin v. Yoder, 406 U.S. 205 (1972))。「信教の自由を制約するには、その『立法目的がいかに正当であってもそれは十分に重大なものでなければならず』、かつ、それは、信教の『自由を過度に制約する方法で追求されてはならない』(つまり、『最も少ない制約手段によらなければならない』)。」(Wooley v. Maynard, 430 U.S. 705 (1977))。

「『非常に重大な公益に資するためにその規制が必要であること』と、『その規制が最も穏便にその目的を達成するものであること』を、国は立証しなければならない.」(Widmar v. Vincent, 454 U.S. 263 (1981))。「宗教上の信条による行為に対して国が福祉の給付を与えない場合には、『厳格な司法審査』に服さなければならない。」(Hobbie v. Unemployment Appeals of Florida and Lawton & Company, 55 U. S. L. W. 4206 (1987))等。

ウィリアム・J・ブレナン・ジュニア判事(1906~1997年)は、「ホビー対フロリダ州失業控訴委員会およびロートン・アンド・カンパニー」事件における米国最高裁判所の判決を書いた。

宗教活動における「結社」の重要性

人々が信教の自由を享受しようとする場合に、同じ信仰を持つ者同士が集まり団体を作りその信仰を実践していこうとすることは極めて自然で有効である。全ての信仰は、自由な社会にあっては、社会全体から見ればそれぞれ少数派で「変なもの」である。だから、信仰の自由の重要な態様の一つとして、同志が集まる宗教上の「結社の自由」が保障されてきた。従って、国家による教団の解散命令ということは、信仰者にとっては信仰の中心基盤を失うという死活的に重大な不利益であることは言うを待たない。

宗教法人に対する免税の意義

宗教法人として認証された場合には、その他の公益法人(学校、病院、慈善団体等)と同様に、免税の待遇を受けることになる。
これは、しばしば「金銭的な優遇」(特権)だとして、不当な逆差別ではないか?と言われることがある。しかし、免税の本質的機能は、金銭的な優遇ではなく、「宗教に対する政治権力の不介入」である。

合衆国最高裁で宗教法人に対する財産税免除の合憲性が確立されたWalz v. Tax Commission of the City of New York, 397 U.S. 664 (1970)で、最高裁は、次のように述べている。「この免税は、財産税の賦課に本来的に内在する危険、つまり、課税をきっかけにしてその団体に政府が介入する危険を除去するものである。つまり、免税は、政府が宗教を監視する危険を予防する合理的で均衡のとれた対策である。この免税を、教会が遂行している社会福祉活動あるいは慈善活動(つまり「公益」活動)を理由に正当化する必要はない。そのような側面を重視することは、特定の社会福祉計画の意義に関して『政府による評価とその基準』を導入することになり、いずれ、政府の宗教に対する『中立性』の原則が後退し、つまり、『評価するために政府が宗教を監視する』ことにつながる。そして、『免税をなくしたら、それは、教会財産に対する課税評価等を根拠に、宗教に対する政府による介入を拡大する傾向を生む』。だから、教会に免税を与えるという不変の慣行は、軽々しく除去されるべきものではない。これは、『あらゆる宗教的信条』の自由な遂行を助けるように作用している。」

ウォーレン・E・バーガー最高裁判所長官(1907年~1995年)は、「ウォルツ対ニューヨーク市税務委員会」事件で米国最高裁判所の判決を書いた。

このような本質に照らしても、宗教法人格の認証の取り消し(解散命令)は、軽々しく扱われるべきものではない。つまり、しばしば、「法人格を失っても、信者たちは任意団体として宗教活動を継続できる…」(光信一宏「42宗教法人の解散命令と信教の自由」憲法判例百選Ⅰ[第5版]87頁)から問題ないor困ったものだ、と言われることがある。

しかし、解散させられた場合には、その任意団体としての新しい教団は、税務当局の監視下に置かれることになる。これは、宗教人にとっては、信仰そのものに対して大きな制約を課されることに等しい。いかなる人物や組織についてもその金の流れを見れば何をしているかが全て分かってしまう。だから、宗教団体にとって会計を公権力による監視下に置かれることは、信仰そのものを管理されることに等しい。しかも、これは「優越的人権」に対する制約である以上、重大な公益目的と公正な手続きなしに奪われて良いものではない。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e5%ae%97%e6%95%99%e6%b3%95%e4%ba%ba%e3%81%ae%e8%a7%a3%e6%95%a3%ef%bc%9a%e6%86%b2%e6%b3%95%e4%b8%8a%e3%81%ae%e5%95%8f%e9%a1%8c%ef%bc%92%ef%bc%8e/

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ102


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本における宗教法人の解散:憲法上の問題1.宗教と政治:対立と癒着

Jul 19, 2025 by Setsu Kobayashi | Documents and Translations, Japanese

統一教会の抗告審が係属中の東京高等裁判所に、著名な法学者である慶応大学名誉教授が提出した意見書。

小林節

5本の記事の1本目。
注: 参考文献に関しては、日本語原文の形式をそのまま維持した。

エミール・デュルケーム(1858-1917)。 Xより。

人間の社会には宗教が必ず存在する

「これまで知られている人間の社会において、宗教が存在しないところはない」(E. Durkheim, “Les Formes elementaires de la vie religieuse,” 1912, p. 33)と言われるように人間と宗教は不可分である。

人類は、他の生物と異なり知性を持っているために、この世で生起する現象の中に因果関係を発見し、それを活用して文明を向上させてきた。同時に、この世には依然として不明なことも多く、それ故に知性を持った人間は己れの不完全性を認識して、その対極にある完全で絶対的な存在を求める思いが生まれる。加えて、人類には他の生物と異なり倫理性つまり良心も備わっているために、不道徳だと知りつつも自己利益を過剰に追求してしまうことのある己れの本性に対する反省が生じ、絶対的な善の主体への憧れが生じる。これがまさに宗教の世界である。そして、宗教はそれを信じる者に人生に対する確信と意義を与えてくれる。

そういう意味で、フォイエルバッハも指摘しているように「宗教は、人間の幸福を求める本能の所産にほかならない。」(岸本英夫『宗教学』Ⅲ頁)

人間は政治的動物である

他方、人間の生活において、政治も不可欠である。

人間は、日々、己れの欲望を充足しながら生きているが、社会が私たちに与えてくれる利益には限りがある。しかし、私たち一人一人の欲望は無限で、しかも、人間は倫理的であると同時に不道徳な存在でもある。だから、人類は、国家と法という仕組みを考案して、それにより国民相互間の利害の調整を行い、全体として最大多数の最大幸福を目指す「政治」を行うことになっている。

正に、かつてアリストテレスが指摘したように「人間は政治的存在である。」(田中美知太郎編『世界の名著 8 アリストテレス』68‐69頁)

アリストテレス(紀元前384-322年)。リュシッポス(紀元前390-300年)作のギリシア青銅器の原本をローマで複製したもの。

政治と宗教の本質的な矛盾

このように、いずれも人間にとって不可避な宗教と政治が、人間の日常生活の中で必然的に遭遇することになる。

しかし、ここで重要な点は、その政治と宗教が本質的に相容れないという事実である。つまり、政治は本来的に利害の「調整」であり、そこには「絶対的な善」など存在していない。ところが、宗教は特定の絶対的な善の存在を前提としている。

だから、歴史的経験が示しているように、(See, e.g., Everson v. Bd. of Ed. of Township of Ewing, 330 U.S.1,8-13(1947),etc.) 政治と宗教が「癒着」した場合には、悲劇が起こる。つまり、宗教と一体化して、「絶対的な善を確実に指向している」と主張できるようになる政治権力者は、もはや、民衆が「多数決で選択する相対的な善」になど従う理由がなくなる。そこで、政治権力者による民意の無視が始まり、専制に至る。また、宗教の側も、本来的に客観的な証明が不可能な領域を扱っているものなので、本来は信者の誠実な行いと教義の説得力のみで布教すべきものであるが(See, Giannella, Religious Liberty, Noneestablishmennt, and Doctrinal Development: PartⅡ. The Nonestablishment Principale, Harv. L. Rev. 513(1963))、宗教が国家権力と癒着してしまった場合には、安易に国家権力の「威を借りて」布教をするようになりかねない。それは人間的には自然なことではあるが、それではもはや宗教ではなく政治である。

このように、政治と宗教が癒着して双方が「堕落」を許し合った状態では、そこには民主政治も信教の自由もなくなってしまう。

政教分離の必要性

そこで、政治権力と宗教の間に、合理的な距離を置く、つまり両者の関係に相当な「けじめ」をつける必要が生じる。その基準として、歴史的な人権闘争を経て導き出された知恵が、政教分離の原則である。

これについては、ヨーロッパにおける失敗にもかかわらず、さらにイギリスにおける政教癒着がもたらした異端徒弾圧から逃れてきた清教徒たちが建国したアメリカにおいて、200年以上に渡る試行錯誤を経て確立された憲法原則が自由民主主義諸国の参考になっている。いわゆるレモン・テスト(レモン基準:Lemon v. Kurtzuman, 403 U.S. 602(1971))である。

アメリカ合衆国最高裁判所。

それは、政治権力と宗教が接触した(例えば、政府が特定の宗派を公式に利用する、又は、公的に特定宗派を禁止する等の)場合に、その「目的」あるいは「効果」のいずれかに、その宗教を「助長」あるいは「弾圧」するものがあれば違憲だとする判断基準である。

これは要するに、政治権力と宗教がそれぞれに則を守り、「宗教活動に対する公権力の中立性を維持すべき」だという憲法上の要請である。

とは言え、たとえそれが宗教的信条に由来する行為だとしても「国法により犯罪とされている行為だけは国家により免責され得ない」ことは、不動の前提である(Reynolds v. United States, 98 U.S. 145 (1878),etc.)。ということは、それが犯罪でない限り、宗教活動に対して政治権力は介入しないという政教分離という憲法原則が適用されることになる。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e5%ae%97%e6%95%99%e6%b3%95%e4%ba%ba%e3%81%ae%e8%a7%a3%e6%95%a3%ef%bc%9a%e6%86%b2%e6%b3%95%e4%b8%8a%e3%81%ae%e5%95%8f%e9%a1%8c%ef%bc%91%ef%bc%8e/

カテゴリー: BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ

BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ101


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本における統一教会の事例:ディプログラミングから生き延びた医師の証言

Jul 3, 2025 by Hirohisa Koide| Documents and Translations, Japanese

医師である筆者は、両親およびディプログラマーによって拉致監禁された。背後には、いつものように反カルト派の弁護士がいた。

小出浩久(こいで・ひろひさ)

※本稿は、2025年6月16日にジュネーブの国連人権理事会第59会期のサイドイベント「60万人の信者を有する宗教共同体の根絶と解散:日本における統一教会の事例」で発表された文章である。

2025年6月16日、ジュネーブ国連本部で証言する小出医師

私の名前は小出浩久です。現在、東京で医師として勤務しています。私は「世界平和統一家庭連合」(旧・統一教会)の信者であり、ディプログラミング(脱会強制)の生還者です。日本では、家庭連合の信者に対する拉致監禁は、金銭目的や反宗教的な活動家だけでなく、主流派のキリスト教牧師によっても支持されていました。

多くの親たちは、子どもが新しい宗教に入信したとき、その言動を理解できずに苦しみます。彼らはキリスト教会を訪れ、対応を相談しました。多くの教会は誠実で、平和的な雰囲気でしたが、信者の強制的な「救出」に関わった牧師たちは、左翼活動家の影響を受けて極端に過激化していました。そして一部の教会は、信者の拉致監禁という恐ろしい行為が推奨される場となってしまったのです。

キリスト教会の温かな雰囲気がなければ、親たちはこれほど簡単に監禁を受け入れることはなかったでしょう。

日本基督教団と日本同盟基督教団という二つの主要教派が、反家庭連合グループの基盤となっていました。

今から私自身の拉致監禁体験をお話ししたいと思います。私は医学生時代に家庭連合の信仰をもつようになり、1990年に東京の一心病院で勤務を始めました。そこは家庭連合信者の女性医師が創設した病院で、信者である医師たちが多く集まっていました。私はその病院で働けることに喜びを感じていました。

一心病院。出典:一心病院

しかし、マスコミは家庭連合に対する多くの否定的な情報を全国に広めました。両親は、私の友人や医大の教師からこの情報を聞き、彼らを通して反家庭連合グループを紹介されました。そのリーダーは、プロのディプログラマーである宮村峻氏でした。

そのグループの集会は、新宿西教会で行われていました。その集会で両親は、監禁の準備の仕方や、親族への協力要請、さらには監禁中の精神状態の保ち方に至るまで教え込まれていたのです。

これに最も影響を受けたのが母でした。母は私を閉じ込め、信仰を棄てることを強制しました。母の影響により、父、兄、妹、その他の親族もこの監禁計画に加わりました。

1992年6月13日、実家を訪れた際、約15人の親族に囲まれ、車に押し込まれてアパートに連れて行かれました。建物の前には、家庭連合に敵意を抱く元信者約10人が待っていました。その部屋の窓には鉄格子がついて開けることはできず、外の景色も見えませんでした。

玄関のドアはチェーンで施錠され、男性が24時間座って見張っていました。部屋は5階以上の高さにあり、常時7人ほどの親族が私と一緒にいました。

ディプログラマー 宮村峻氏

私は、自分の担当する患者たちの心身に悪影響を及ぼすことが心配でした。何日も病院に連絡させてほしいと懇願しました。親や親族は、私が患者たちの情報を記録して、病院に送ることを認めましたが、この計画の真のリーダーである宮村氏は、私の願いを拒否しました。

その後、家族は私に家庭連合の教義と活動について説明を求めました。私は基本的な人権を無視した、この暴力的な宗教弾圧をやめるよう叫び続けました。

驚いたことに、宮村氏と親しい弁護士・平田寛(ひらた・ひろし)氏が部屋に現れ、「この状況は違法ではない」と皆に保証しました。親族たちはその言葉を信じ、私は強制的に旧約・新約聖書や家庭連合の教義を批判する本を読まされました。夜には、不満を抱いた元信者と宮村氏が私を「説得」するために部屋にやって来ました。

平田寛弁護士

宮村氏は「信者の心を変えるには暴力が必要だ」と考えていました。私は父と兄から激しく殴られ、父の膝蹴りでできた目の周囲のアザは、一週間以上消えませんでした。

病院の同僚が私の居場所を突き止め、病院長が東京高裁に「人身保護請求」(違法な監禁からの解放)を申し立てました。東京高裁からは両親に出頭命令が出され、通知がアパートに届きましたが、宮村氏はそれを無視し、親族に私を別の場所に移動させるよう指示しました。

私たち全員は、深夜、東京から250キロ以上離れた新潟市へと移動しました。到着後すぐに、新津福音キリスト教会の松永堡智(まつなが・やすとも)牧師がやってきました。

彼は宮村氏と協力し、同じ手法を用いていました。信者を閉じ込め、聖書の言葉を使って混乱させ、信仰を諦めさせようとしました。ただし、二人の信条には大きな違いがありました。宮村氏にはキリスト教の信仰がなかったのに対し、松永氏はカルヴァン主義者でした。

小出氏が監禁されていた当時の松永堡智牧師

こうして監禁と「説得」の日々が10か月以上続きました。その間、両親はほとんど部屋を離れることができず、さらに父は我々の状況を報告するため、毎晩のように宮村氏に電話をかけました。ディプログラマーからは「あなたの態度が悪いから、息子さんはその奇妙な宗教をやめられないのだ」と叱責されていました。

ある夜、父は私にこう言いました。「もしお前を解放したら、反家庭連合グループの活動が公になってしまい、彼らはもうやっていけなくなる。だから、お前を生きて帰すわけにはいかない。お前を殺して私も死ぬ。」そう叫びながら私の首を掴み、押し倒してきたのです。

私は父の精神状態が限界に達していると感じ、信仰を棄てたと嘘をつくしかありませんでした。父は若い頃、日本軍で訓練を受けており、常に「訓練を通して、自分は目的のためなら死ぬ覚悟がある」と語っていました。

父に殺されるかもしれないという恐怖から、反家庭連合の一員として振る舞うことを強制されました。そこからさらなる精神的苦痛が始まり、その苦しみは一年間続きました。

宮村氏の指示で、私は山中の別荘に移されました。そこで、ジャーナリスト・有田芳生(ありた・よしふ)氏と、週刊誌「週刊文春」の記者から取材を受けました。その記事は、家庭連合を批判するために利用されました。有田氏は現在、日本の国会議員です。

有田芳生氏

その後、私はTBSの番組「報道特集」にも出演を強いられました。私は部屋から新潟で最も大きな河川敷に連れて行かれ、テレビカメラで撮影されました。そこでは、父と複数の敵対的な元信者たちに取り囲まれていました。

撮影時には、ディプログラマーである宮村氏が主導的な立場にいるように見えました。私の発言が彼の意に沿わないと、彼はすぐに遮りました。そして彼は、「家庭連合は人間愛のない狂った集団だ」と言い放ちました。反家庭連合のメディアは、私の発言の一部だけを放送しました。

そこまで自分をさらけ出した後で、私は父の監視のもと、アパートを出て松永氏の教会まで歩いて通えるようになりました。教会には、私と同じように信仰を棄てることを強いられた人たちが約10人通っていました。

教会に通い始めてわずか一か月、私は両親に付き添われ、宮村氏とともに2人の弁護士、山口広氏と紀藤正樹氏に会わされました。彼らはテレビで家庭連合への激しい批判を繰り返してきた人物です。

山口広弁護士(左)と紀藤正樹弁護士(右)。スクリーンショット

私は、父と宮村氏の指示に従って話さなければなりませんでした。また、弁護士たちは私が自由な立場にないことを知っていました。紀藤氏はこう言いました。「そろそろ解放してもいいんじゃないかな。でも、宮村さんに聞かないといけないけど。」

私は基本的人権について話すこともできず、家庭連合と病院に対して訴訟を起こすという法的文書に署名を強制されました。

このような状況に置かれていたのは私だけではありませんでした。松永氏の教会では、監禁から解放されて間もない家庭連合信者たち全員が、こうした弁護士たちと面会するよう促されていたのです。

私は、弁護士たちのグループが、人々を政治的な目的のために利用しているのだと理解しました。これらの元信者たちは、親によって監禁されたことで深く傷つき、再び閉じ込められるかもしれないという恐怖をまだ抱えていました。だからこそ、彼らはこれらの弁護士を通じて訴訟を起こすしか選択がなかったのです。

私が訴訟を起こすとすぐに、さらにトラウマを伴う行動を強いられました。私は、信者が監禁されているアパートに行き、彼らと話すよう命じられました。私は今でも、罪のない信者たちの部屋を訪ねたことを後悔しています。彼らは苦しんでいました。

松永氏の教会では、毎週末、信者の親たちを対象にした相談会やセミナーが開かれていました。牧師や元信者たちは、「子どもを助ける唯一の方法は監禁しかない」と説得し、どのようにして信者を閉じ込めるか、その手順まで詳しく説明しました。特に、監禁は親や兄弟にしかできないのだと強調していました。私は監禁を勧める立場になり、そのグループの中心的な存在となっていました。まるで生ける屍(しかばね)のような気持ちでした。

松永牧師の教会

私は、教会の近くにある病院で助手として働き始めました。人の役に立てることに喜びを感じました。2か月間その病院で働いた後、銀行口座にいくらかのお金が貯まり、私はそのグループを離れて東京へ逃れることができました。

両親がショックを受けることは分かっていました。その後2年間、私は自分の居場所を知らせることができませんでした。両親がまだ宮村氏のグループと関係をもっていて、再び私を監禁する可能性があると思ったからです。

父は宮村氏の助言に従い、2万ドルを借金して、新しい建物を建てるため松永氏の教会にそれを渡しました。

その後、私はこの2年間の体験を本に書き、反家庭連合活動の実態を公にしました。この本によって、私は自分の身を守ることができ、両親や兄弟と安全に連絡を取れるようになりました。

母はアルツハイマー病を患い、家庭連合に対する憎しみもすべて忘れていました。私はようやく、母が本来持っていた温かな愛情を感じられるようになりました。いっぽう父は、結局失敗に終わったディプログラミングに20万ドルも費やしたと語っていました。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a%e3%81%ae%e4%ba%8b%e4%be%8b%ef%bc%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3/

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ100


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

統一教会の事例:日本における宗教ジェノサイド

06/30/2025 Massimo Introvigne

なぜ、いつ、誰によって、どのように宗教の抹殺は仕組まれ、遂行されたのか

マッシモ・イントロヴィニエ

※本稿は、2025年6月16日にジュネーブの国連人権理事会第59会期のサイドイベント「60万人の信者を有する宗教共同体の根絶と解散:日本における統一教会の事例」で発表された文章である。

2025年6月16日、ジュネーブにおける国連でのサイドイベントの様子

2025年3月25日、東京地方裁判所は統一教会(現在の名称は「世界平和統一家庭連合」)の解散を命じた。この決定には抗告がなされているが、教会に対する敵意に満ちた風潮は圧倒的である。「解散されても税制上の優遇措置が失われるだけだ」という嘘が広められているが、それは誤りだ。教会が解散されれば、すべての資産(銀行口座や礼拝施設を含む)は清算人に引き渡されることになる。学者たちはこの事態を表すために新たな言葉を作り出した――宗教ジェノサイド(religiocide)、すなわち宗教の抹殺である。

2025年6月16日、ジュネーブの国連人権理事会のサイドイベントにおいて、この犯罪行為が分析された。筆者は登壇者の一人として、なぜ、いつ、誰が、どのように、この犯罪行為が実行されたのかという問いに答えようと試みた。

なぜ: この事態を招いた前提条件として、高度に世俗化した日本社会に根付く、宗教組織への強い反感がある。また、日本には自国の問題の原因を外国の宗教に転嫁する「スケープゴート(scapegoat)」の伝統がある。過去の世紀にはキリスト教がその対象だった。軍国主義時代の日本では、平和主義を掲げるエホバの証人が非難され、彼らは今もその標的から外れてはいない。そして現在の標的が統一教会である。教会本部が韓国にあることもあり、嫌韓感情(反韓的な人種差別)も問題の一因となっている。

いつ: 反対派は1980年代から統一教会の解散を求めてきた。彼らの試みが成功したことはなかったが、2022年に起きた安倍晋三元首相暗殺事件が、彼らにとっての「絶好のチャンス」となったのである。犯人自身は統一教会の信者ではないが、母親が信者であった。彼は安倍氏が「教団と近しい関係にあると思った」ため、殺害したと供述しており、その背景として2002年に母親が過度の献金で破産したことを挙げている。なぜ20年もの年月を経て犯行に及んだのかについての説明はなかった。また、統一教会の信者たちが彼の家族に多額の献金を返還していた事実にも触れられていない。

サイドイベントで発言するマッシモ・イントロヴィニエ氏

誰が: 1987年に始まった反カルト運動には、統一教会や他の保守的宗教の解散を狙う政治的な動機が明確に存在していたことが、証拠から明らかになっている。その多くは社会主義者や共産主義者であり、統一教会が反共主義や親米的立場を取る宗教であることから、これを排除しようとした。また彼らは、保守的で「進歩的」な思想に反すると見なされるすべての信仰を、破壊しようとした。

どのように: 今回の解散命令の根拠とされているのは、統一教会が「霊感商法」によって人々に被害を与えたという一点である。「霊感商法」という言葉は、反カルト団体が作り出した造語であり、開運をもたらす小型の仏塔や印鑑などを高額で販売した行為という意味でつけられた。その後、この表現は献金にも適用されるようになった。こうした販売行為は過去に確かに存在したが、それらは教会の公式活動ではなく、信者個人のビジネスとして行われていたものである。統一教会は2009年、こうした販売行為を禁止し、信者に関与しないよう厳しく指導しており、安倍氏暗殺の頃には報告件数もほぼゼロにまで減少していた。

実際に、これは統一教会や研究者の主張ではなく、裁判所の解散命令の文中にも多く明記されている。しかし裁判所は、近年はごく少数の報告しかないと認めつつ、報告されていない事例があるかもしれない、将来再発するおそれがあるといった「憶測」に基づいて判断しているのが実情である。宗教団体全体を解体するという重大な決定が、こうした憶測に基づいてなされてはいけない。日本で今起きていることは、今世紀の民主主義国家において最も深刻な宗教自由の危機である。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ99


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:弁護士、ディプログラミング、そして統一教会の解散請求 エグゼクティブ・サマリー

06/25/2025 Patricia Duval

パトリシア・デュバル

全国霊感商法対策弁護士連絡会の創設者の一人、山口広弁護士。スクリーンショット

1987年、日本では急進的な左派政治思想をもつ弁護士たちが、統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)を日本から排除することを明確な目的として、弁護士ネットワークを結成した。

この団体は「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)として知られ、設立当初から統一教会の排除を掲げていた。当時、統一教会は、第二次世界大戦後のアジアにおける霊性に対する脅威とされた無神論的共産主義に反対していた。

全国弁連は、統一教会に対する積極的な攻撃を開始し、その一環として、暴力的な「ディプログラミング」(信者が「洗脳」されたとみなして強制脱会させる行為)を支援した。信者は「被害者」として証言を強要され、教会に対する損害賠償請求を起こすよう仕向けられた。

過去40年以上にわたり、日本統一教会の信者約4300人が、こうした暴力的な「救出」プロセスの対象となった。彼らは家族によって拉致監禁され、主にプロテスタント系の牧師である「ディプログラマー」による説得を強いられた。このプロセスには、統一教会の教義に対する厳しい批判や、嘘の犯罪報告が含まれていた。こうした監禁と教化は、数か月から数年に及ぶこともあり、最終的に信者が信仰を放棄するまで続けられた。

弁護士ネットワークは、こうした信仰を破壊する行為を、何十年にもわたり利用し助長してきた。彼らは、親たちをディプログラマーに紹介し、ディプログラマーたちは信仰を失った信者を再び弁護士のもとに送り返していた。元信者たちは、その後、背教を証明し監禁から解放されるために、教団を訴えるよう求められた。

このような「組織的」な民事訴訟の結果、いくつかの不法行為判決が下された。そこでは、ディプログラミングを受けた後に原告役を演じさせられた者たちが、「マインドコントロールされていた」と主張した。弁護士たちはこれらの判決を根拠に、政府に対して教団の解散命令を出すよう圧力をかけた。そして本年3月25日、東京地方裁判所はその請求を認めた。

弁護士たちは、ディプログラミングへの関与を問われると、あくまで親を牧師に紹介しただけであり、牧師たちによる「救出」が身体的拘束や強制を伴うとは知らなかったと装った。

だが事実は、弁護士たちの主張と明白に矛盾していた。彼らの関与は単なる「知っていた」というレベルにとどまらず、事前に計画され、弁護士たちの積極的な協力を伴うものであったことが、以下の事実から明らかになっている。

第一に、監禁された信者によって提出された、人身保護請求事件によって、その真実が証明されている。この裁判では、全国弁連の最も著名な弁護士を筆頭に、実に200人もの弁護士がこれに反対し法廷で争った。

この出来事は全国弁連が設立された1987年に起きたもので、200人もの弁護士が、家族によって監禁され統一教会から脱会するよう激しい圧力を受けていたある不運な信者の解放に反対し、法廷で争った。弁護士たちは監禁の事実自体は認めたものの、28歳成人に対して親がもつ「正当な監護権」だとか、「緊急事態」(息子が統一教会に入教したこと)への相当な措置といった「社会通念」を根拠に、監禁を正当化したのだ。

第二に、別の人身保護請求事件では、全国弁連の主要弁護士の一人が、監禁およびディプログラミングを受けていた信者のもとを訪れ、親に対して「違法ではない」と述べ、監禁継続を促していたことが証言されている。

これは、東京で医師として勤務していた30歳の男性が約2年間にわたり拉致監禁されたケースである。監禁されて数か月後、逃げられないと悟った彼は、信仰を失ったふりをして、その後、地元の福音派教会で「リハビリ」期間を過ごすよう強いられた。背教を証明するためには、彼は他の監禁されている信者を訪問し、統一教会を否定する説得活動に加わることが義務付けられた。最終的に彼は全国弁連の事務所に連れて行かれ、統一教会に対して損害賠償を請求するよう強要された。これは、本当に教会を離れる意思があるかを証明するためだった。その後彼は脱出に成功し、請求を取り下げ、再び拉致されることを恐れ、数年間身を隠した。最終的に、彼は自らの体験を綴った本を出版し、それが彼を再び監禁されることから守る盾となった。

第三に、弁護士たちの関与をさらに裏付けるのが、信者の「救出活動」に関わる牧師たちとの間で結ばれた協定と、親向けに発行された「脱会マニュアル」である。

1991年、日本基督教団(UCCJ)の牧師が、ある教会の会議室で行われた2日間の会合において、「青春を返せ訴訟」こそが統一教会に対抗する最も効果的な手段であると発言した。「青春を返せ訴訟」とは、統一教会の若者が強制的に信仰を棄てさせられた後、全国弁連によって提訴された一連の裁判である。

この会合には、「青春を返せ訴訟」に関わっていた全国弁連の中心人物である弁護士・山口広氏が講演者として出席していた。参加者たちは、統一教会の「破壊」を目標に、「青春を返せ訴訟」を重点に置きながら「救出活動」を継続する方針で一致した。彼らの目的は、これ以上ないほど明確なものであった。

脱会説得マニュアル『統一協会の素顔:その洗脳の実態と対策』の著者、川崎経子牧師(1929-2012)。

1990年、日本基督教団(UCCJ)の牧師によって「救出」のためのマニュアルが発行された。このマニュアルは、成人した子どもをどのようにして「救出」するかを親に指導する内容であった。「信者を待ち伏せする」、「車に押し込む」、「統一教会批判ができる専門の牧師を呼ぶ」、「信者が牧師との対話を拒んだ場合は、足を縛る」または「他の手段を用いて無理やり言うことを聞かせる」といった手引きが含まれていた。

第四に、全国弁連の主要人物や、「ディプログラミング」に特化した牧師による法廷での証言からも、弁護士たちの役割は明らかになっている。

2015年、全国弁連の中心人物である山口広氏は、全国弁連が統一教会信者の親に対し、長年にわたり「救出活動」を行う牧師らを紹介していたことを、法廷で自ら証言した。

また1996年には、山口弁護士が訴訟チームの一員として関わった民事訴訟において、原告を棄教させたディプログラマーが、「救出活動」において監禁が一般的に用いられていたことを証言している。このディプログラマーは、信者に信仰を棄てさせるには強制が必要だと次のように述べた:「一度しっかり統一協会の信仰を持たれた方は、自然脱会ということは不可能だと思います。」

全国弁連の著名な弁護士、紀藤正樹氏。スクリーンショット

したがって、親たちがそうした牧師のもとに送られたのは、まさに牧師たちが強制的な手段を用いるからであった。というのも、ディプログラマーが法廷で説明したように、信者は自らの意思で教会を離れることはなかったからである。

第五に、最後の証拠は、全国弁連が何の不満も抱いていなかった親たちに直接働きかけ、彼らの意に反して、信者である子どもにディプログラミングを施すよう扇動していた事実である。

全国弁連の渡辺博氏は、統一教会信者の親宛てに手紙を送り、「お子さんが統一協会に所属したままでは、自らの力で統一協会から脱出することは不可能です。」と警告した。そして、「この問題に詳しい日本基督教団の牧師、あるいは当職に相談し、◯◯(信者)さんの救出を検討することが必要です」と伝えていた。

このようにして、全国弁連の弁護士たちは「クライアント」をディプログラマーに紹介することに早い段階から介入し、統一教会を破壊するという目的のために「被害者」を創り出していたのである。

ディプログラマーが法廷で述べたように、これらすべての事実は、日本国家がこの一連のディプログラミングという現象に共謀していたことを示している。統一教会信者に対する違法な監禁や強制改宗への弁護士たちの関与について、日本弁護士連合会は懲戒処分を科さなかっただけでなく、日本の裁判所は、政府が解散請求の根拠とした民事訴訟の判決において、むしろ弁護士たちの主張を頼りにしたのである。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ98


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:弁護士、ディプログラミング、そして統一教会の解散請求 ケース7:日本の責任

06/23/2025 Patricia Duval

パトリシア・デュバル

7本の記事の7本目

2010年韓国・ソウルの日本大使館前で、ディプログラミングに抗議する統一教会信者たち。

ディプログラミングは、統一教会を破壊するための武器として用いられ、日本の裁判官のサポートのもとで行われていた。反カルト弁護士たちが、統一教会信者に対する違法な監禁や強制脱会という違法行為に加担していたにもかかわらず、弁護士会からの懲戒処分は一切なく、むしろ日本の裁判所は、政府が宗教法人解散の根拠とした民事裁判において、こうした行為を容認してきた。

上記で紹介した札幌地裁での最初の「青春を返せ訴訟」において、裁判所によると、教会の「伝道活動」や自由意思の侵害などを訴えた原告20人のうち、少なくとも16人が、監禁され、強制的に脱会させられていた(おそらく20人全員がこのような扱いを受けていた)。

被告側弁護士が、彼らの証言は信頼性に欠けると主張したにもかかわらず、札幌地裁はこの主張に応えることなく、原告の主張を認め不法行為の成立を認定した。控訴審では、札幌高裁も前審の判断をおおむね維持したが、ディプログラミングについては具体的な見解を示した。

控訴審の判決にて拉致監禁について以下のように述べている:

「控訴人は、多くの被控訴人らが、身体の自由を拘束されるなどの手段によって棄教に至っていることが重大な問題であり、これを無視した判断は司法の公平・公正に反すると主張する。上記認定のとおり、被控訴人らはいずれも控訴人を脱会(棄教)した者であり、脱会に至るまでの過程において親族らによる身体の自由の拘束等を受けた者も多く、このような拘束等は、当該被控訴人らとの関係においてそれ自体が違法となる(正当行為として許容されない。)可能性がある。しかし、それは上記のような行為をした者と当該被控訴人らとの関係であって、必要に応じて別途処理されるべきことがらにすぎず、このような事情が存在することは控訴人の被控訴人らに対する責任に何ら消長を来すものではない(むしろ、その終期をもたらしたものといえる)。したがって、控訴人の責任を判断するに当たって控訴人の主張するような脱会までの経緯等を斟酌しなかったからといって、その判断が司法の公平・公正に反することになるものではなく、上記主張は失当である。」

要するに、原告たちが再度の監禁を恐れ、強要のもとに教会を訴えたという事実は、まったく考慮されなかったのである。

札幌高等裁判所。出典:X

実際、同高裁は踏み込んで、「むしろ、その終期をもたらしたものといえる」とまで述べた。つまり、少なくともディプログラミングによって、教会による「洗脳」や原告らに対する不法行為は終了した、という意味である。

この問題を個人の問題として矮小化し、原告に対して加えられた暴力を無視し、それが本来「公共秩序の問題」として国が責任持つべき事柄であるという観点を、自発的に無視することで、裁判所はこの行為(ディプログラミング)を容認したのである。

政府が宗教法人解散請求の根拠とした32件の訴訟の大多数は、ディプログラミングを受けた元信者によって起こされたものである。これらすべての捏造された訴訟において、裁判所は原告の監禁や強制脱会の事実について認定しながらも、それに基づくいかなる結論も導き出さなかった。

これは、裁判官の中立義務や公正な裁判を受ける権利の侵害にとどまらず、日本が署名・批准している『市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)』、とりわけ第18条第2項に規定された「宗教または信念の自由」の侵害について、日本国の責任を問うものとなる。同条項には次のように明記されている:「2. 何人も、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない。」

この規定に基づき、国連自由権規約人権委員会は2013年の日本審査の際に、この問題を取り上げ、2014年8月20日の総括所見において以下の勧告を盛り込んだ:

「拉致及び強制改宗」 21.委員会は、新宗教運動の回心者を棄教させるための、彼らに対する家族による拉致および強制的な監禁についての報告を憂慮する(2条、9条、18条、26条)。締約国は、全ての人が自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない権利を保障するための、有効な手段を講ずるべきである。

後藤徹氏。スクリーンショット

数か月後の2014年11月14日、こうした不当行為の被害者である後藤徹氏が、東京高等裁判所において家族および2名のディプログラマーを相手取って提訴した民事訴訟で、初めて多額の損害賠償を勝ち取った。これは、彼の信仰を棄てさせるため、12年間にわたり違法な監禁および強制説得が行われたケースであった。裁判所はその被害に見合った賠償金の支払いを命じ、また、松永堡智牧師によるディプログラミング行為そのものが違法であると明確に認定した。この判決は、2015年に最高裁判所によって確定された。

しかし、その後「ディプログラミング」が表向きには終息したように見えても、このように今まで構築されてきた裁判が、今や統一教会の解散とその破壊を実現するために利用されており、まさに当初からの全国弁連の弁護士たちの計画通りである。彼らは違法行為に加担していながら、一度も責任を問われていない。

もし解散命令が控訴審でも支持されれば、統一教会が犯罪組織であるという非難や、信者たちが犯罪者であるかのように烙印を押される風潮が高まるだろう。その結果、このような野蛮な行為が再び横行しかねない。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%ef%bc%9a%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%80%81%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%80%81%e3%81%9d%e3%81%97%e3%81%a6%e7%b5%b1%e4%b8%80-7/?_gl=1*urx30u*_up*MQ..*_ga*MzQxNjgxNTI3LjE3NTUzMzA1NDQ.*_ga_BXXPYMB88D*czE3NTUzMzA1NDQkbzEkZzAkdDE3NTUzMzA1NDQkajYwJGwwJGgw&gclid=Cj0KCQjw2IDFBhDCARIsABDKOJ49u-pGHeSh_Wz_q5hxg1bHljb1w0Xh7ZigCQdgilzWY4_H7GLVPpoaAk2LEALw_wcB&gbraid=0AAAAAC6C3PemuDzvge2tV2aQdk9kxEk0n

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ97


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:弁護士、ディプログラミング、そして統一教会の解散請求 ケース6:秘密の手紙

06/20/2025 Patricia Duval

弁護士たちは、「秘密の手紙」を通して、子どもが教会に関わっていることに一度も不満を訴えたことのない親たちに自ら接触し、ディプログラマーを雇うよう促した。

パトリシア・デュバル

7本の記事の6本目

「秘密の手紙」を書いた渡辺博弁護士。スクリーンショット。

全国弁連の弁護士たちは、「救出」という名の拉致監禁手段を用いる牧師であったからこそ、親たちを彼らに紹介していた。その証拠が、同弁護士ネットワークの中心人物の一人が親に送った、「秘密の手紙」である。

ジャーナリスト・米本和広氏は、これらの手紙を『渡辺博弁護士の秘密めいた手紙』、『渡辺弁護士はいまだ「監禁にいざなう手紙」作戦を続行中!』と題して、ネット上で公開している。

当時、東京の「霊感商法被害救済担当弁護士連絡会」(被害弁連)の事務局長を務め、全国弁連の一員でもあった渡辺博弁護士は、統一教会の信者の親の住所を突き止めた上で、彼らに手紙を送った。

最初の手紙は、2008年11月14日、ある女性信者の両親宛てに送られたものである。

この手紙には、次のような文言が含まれていた:

「○○(娘)さんが統一協会に所属したままでは、一生、自らの力では統一協会から脱出することは不可能です。今、○○さんのご両親が統一協会というカルト宗教の実態を理解し、この問題に詳しい日本基督教団の牧師、あるいは当職に相談し、○○さんの救出を検討することが必要です。」

さらに渡辺弁護士は、この手紙および「救出」のすべての手続きについて、計略と嘘を用いて秘密裏に行うよう、具体的な指示を出している。本人に奇襲をかけて強制的に「救出」を実行するために、信者本人との直接の接触は一切避けるようお願いしていた。

手紙の内容:

「なお、当職からこのような手紙が送られてきたこと、ご両親において○○さんが統一協会の取り込まれたことを気付いたことを、絶対に○○さんには知らせないようにしてください。

ご両親から、○○さんに対し、この問題について問い詰めたりすることは絶対にやめてください。そのような行動を取れば、○○さんをますます統一協会の活動にのめり込ませることになり、また統一協会から救出することが非常に難しくなります。

至急、○○さんに気づかれることなく、当職宛にご連絡をいただきたいと思います。繰り返しますが、この手紙のこと、統一協会のこと等を、○○さんに話すことは絶対にやめてください。

ご両親において、早急に統一協会の実態を認識され、○○さんを早期に救出していただきたいと思います。」

この手紙は、ある信者の両親に送られたものであったが、幸いにもその両親は、弁護士の指示に反して、娘にその内容を知らせた。そして2009年10月、彼女は渡辺博弁護士を東京弁護士会に懲戒請求した。しかし、この請求は却下された。

ジャーナリスト・米本和広氏は、この手紙を自身のブログで公開し、その内容について渡辺弁護士を厳しく批判した。また懲戒審査において、手紙の差出人である渡辺弁護士の代理人を務めたのが、全国弁連の中心人物である山口広弁護士であったこと、さらに山口氏に指名された約40名の弁護士たちも、強制脱会を扇動するこの手紙の作者、渡辺氏の弁護に加わっていたことを報じた。

その後、2011年2月22日、渡辺弁護士が別の男性信者の両親にも同じような手紙を送っていたことが明らかになった。

この件も、ジャーナリスト・米本氏は自身のブログで『渡辺弁護士はいまだ「監禁にいざなう手紙」作戦を続行中!』と題して報じた。その手紙にも、前回と同様「警告」と「勧告」が記されていた。

手紙の内容:

「このまま健さん(仮名)が統一協会に所属したままでは、一生、自らの力で統一協会から脱出することはほとんど不可能です。今、健さんのご両親が統一協会というカルト宗教の実態を理解し、この問題に詳しい日本基督教団の牧師、あるいは当職に相談し、健さんの救出を検討することが必要です。」

ジャーナリスト・米本和広氏。出典:X

そしてこの手紙にも同じく、秘密保持のお願いが記されていた:

「なお、当職からこのような手紙が送られてきたこと、ご両親において健さんが統一協会の取り込まれたことに気付いたことを、絶対健さんには知らせないようにしてください。

ご両親から健さんに対し、この問題について問い詰めたりすることは絶対にやめてください。そのような行動を取れば、健さんをますます統一協会の活動にのめり込ませることとなり、また統一協会から救出することが非常に難しくなります。

至急、健さんに気づかれることなく、当職宛にご連絡をいただきたいと思います。

繰り返しますが、この手紙のこと、統一協会のこと等を、健さんに話すことは絶対にやめてください。

ご両親において、早急に統一協会の実態を認識され、健さんを早期に救出していただきたいと思います。敬白」

これらの手紙は、全国弁連の弁護士たちが、信者に暴力的なディプログラミングをするため、その親を牧師に紹介しただけでなく、信者をその罠にはめるために、嘘と策略の使用まで、勧めていたことを裏付けている。

特筆すべきは、この手紙が健さんの両親に届けられた経緯である。米本氏が報じた両親の証言によれば、この手紙を届けたのは、反カルト運動家として有名な鈴木エイト氏であった。この事実が明らかになったのは、鈴木氏が手紙を届ける際に、自身の名刺を両親に手渡したからである。その名刺には「ANTI CULT ACTIVIST エイト」と記されていた。

鈴木エイト氏。出典:X

渡辺弁護士の手紙には、「ある人物」から、健さんが統一教会の信者であることを知らされたと記されている。そしてその「ある人物」が、健さんの両親の住む埼玉市の自宅に、直接手紙を届けたのだった。

つまり、反カルト運動家やディプログラマー自身が、何の不満も訴えていなかった信者の親の名前を、全国弁連の弁護士に伝えていたのである。一方、弁護士側は、「忠誠心を試すテスト」(2本目の記事参照)を通して、信者の名簿を集めていた。これは「救出活動」の一環として、信仰を棄てたと主張する信者に対し、統一教会で関わりのあった全ての人物の名前を書き出させるというものだった。

このようにして全国弁連の弁護士たちは、ディプログラマーに「クライアント」を紹介するための準備を事前に整え、「被害者」をでっち上げ、教団を破壊するという彼らの目標を達成するために動くことができたのである。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%ef%bc%9a%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%80%81%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%80%81%e3%81%9d%e3%81%97%e3%81%a6%e7%b5%b1%e4%b8%80-6/?_gl=1*tr06br*_up*MQ..*_ga*MzQxNjgxNTI3LjE3NTUzMzA1NDQ.*_ga_BXXPYMB88D*czE3NTUzMzA1NDQkbzEkZzAkdDE3NTUzMzA1NDQkajYwJGwwJGgw&gclid=Cj0KCQjw2IDFBhDCARIsABDKOJ49u-pGHeSh_Wz_q5hxg1bHljb1w0Xh7ZigCQdgilzWY4_H7GLVPpoaAk2LEALw_wcB&gbraid=0AAAAAC6C3PemuDzvge2tV2aQdk9kxEk0n

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ96


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:弁護士、ディプログラミング、そして統一教会の解散請求 ケース5:法廷での証言

06/18/2025 Patricia Duval

反カルト弁護士の中心メンバーは反対尋問の中で、信者の親たちをディプログラマーに紹介していたことを認めた。

パトリシア・デュバル

7本の記事の5本目

家庭連合(旧統一教会)の解散を命じた第一審決定の後に行われた記者会見での山口広弁護士。スクリーンショット。

日本政府が教団の解散請求の根拠とした訴訟の一つにおいて、2015年6月15日、脱会した信者によって提起された東京地方裁判所での裁判で、山口広弁護士が統一教会に不利な証言をするため召喚された。

この訴訟の原告は、名門大学を卒業し、一流企業の幹部候補としての道を歩んでいた。彼女は2001年に統一教会と出会い、信仰を受け入れた。教会に9年間在籍したのち、2010年12月に実家に戻った際、親族に拉致監禁され、ディプログラミングを受けた結果、教会を離れるに至った。

原告は、教団の違法行為について証言するよう、山口弁護士を証人として召喚した。これに対して、教会側の弁護士である福本修也氏が山口氏に反対尋問を行った。福本弁護士は、全国弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)が、信者の親たちをディプログラマー(脱会屋)に紹介していた件について問いただした。

山口弁護士の証言は次のとおりである:

Q質問(福本): 2000年当時、あなたは宮村(ディプログラマー)にもう紹介を始めてたんですね、この頃は。

A回答(山口): 東京都区内からで、例えば、「奥さんが統一協会の信者として活動してる、どうしたらいいんだろう」というときに、基本的に日本基督教団の牧師さんを私は紹介するようにしておりましたが、やはり、その日本基督教団の牧師さんがお忙しくて対応して頂けない、というようなケースもあるんですね。そういう場合に、「それじゃあ、候補者としてこういう方もいますけれども、電話、必要であれば掛けてみるということもあるかもしれませんね」ということで、複数の候補の一人として、宮村さんをリストに挙げたことはあります。

このように、全国弁連の中心人物である山口広弁護士は、全国弁連が統一教会信者の親に対し、長年にわたり「救出活動」を行う牧師らを紹介していたことを、法廷で自ら認めたのである。

福本修也弁護士

弁護士たちは、牧師たちによる「救出活動」が監禁と強制的な説得を伴い、信者が信仰を放棄しない限り、解放されないことを十分に承知していた。

この事実は、1996年に神戸地方裁判所で行われた民事訴訟の口頭弁論において、ディプログラマーである高澤守牧師が、全国の牧師たちが「救出活動」で用いていた手法について、明確な証言を行ったことからも裏付けられている。

神戸での訴訟は、2001年10月4日に最終判決が確定したもので、原告は3名。神戸の著名な全国弁連の弁護士・吉井正明氏を含む、36名の弁護士によって損害賠償を求めて提訴された。

東京に事務所を構える全国弁連の中心人物・山口広弁護士も、吉井弁護士の指名により訴訟に加わっていた。

裁判の中で、原告側の高澤守牧師(ディプログラマー)は反対尋問を受け、「救出活動」において監禁が一般的に用いられていたことを証言している。

Q質問:拘束したのはいつごろからですか。

A回答(高澤):今申し上げましたように、10年ぐらい前からだと思いますが。それは私だけではなくて、全国的なそういった救出に携わってくださってる牧師さんたちの大体統一した、そういうことだと思います。(1996年5月21日 証人調書 p.25-26)

このような行為の違法性について問われた際、高澤牧師はそれを認識していると認めつつも、上記の人身保護請求訴訟で全国弁連が用いたのと同様の理屈で正当化した。彼は下記のように、成年信者を対象とした拉致監禁は、親による「保護」の一形態であるため、違法ではないと述べた: Q証人が今までやってこられた救出活動に対して被告統一協会のほうがあれは拉致監禁であるというふうに非難していることはご存じですね。 Aはい、知っております。 Qそういう非難に対してはどのようにお考えでしょうか。 Aこれはやっぱり拉致監禁ではなくて、親御さんが一緒なわけですからあくまでも「保護」と心得ております。(1996年3月26日 証人調書 p.80-81)

さらに、弁護人がその「保護」の必要性について尋ねた際、彼は信者に信仰を棄てさせるには強制が必要だと率直に認めた: Q救出活動を受けなくても自然脱会したり、それから統一協会から離れていったりというような人はいるんでしょうか。 Aもうしっかり統一協会の信仰を持たれた方は、自然脱会ということは私は不可能だと思います。(1996年3月26日 証人調書 p.81-82)

より具体的には、ディプログラマーからの許可が下りるまでは、親が子を解放することはできないと明言している: Q.親御さんのほうが解放してしまうという、こういう事はあなたにとってはいかんことなんですね。 Aまあ話合いができないままで終わってしまいますからですね。(1996年5月21日 証人調書 p.29-31)

山口氏(左)、もう一人の著名な全国弁連弁護士・紀藤正樹氏(右)。スクリーンショット。

この訴訟における原告側代理人の一人であり、全国弁連の中心人物である山口広弁護士は、ディプログラマーの証言によって明らかになった事実を、無視することはできなかった。「知らなかった」と正当化した全国弁連弁護士たちの主張は、痛ましい茶番劇としかいえない。

全国弁連が1987年に設立されて以来、数十年にわたり、同弁連の弁護士によって親たちが牧師に紹介されてきた際、彼らは統一教会信者に対してどのような手段が用いられているかを完全に把握した上で行ってきたのである。

信者が自然に教会を離れることはないというディプログラマーの法廷での証言にもあるとおり、まさにその強制的手段を用いる牧師たちだからこそ、弁護士たちによって、親たちはそこに紹介されたのである。

これこそが、信者に脱会を迫り、「背教者」を作り出して教会を訴えさせ、最終的に解散へと持ち込むという、全国弁連の一貫した戦略だった。

さらに全国弁連が、特に問題を訴えていなかった信者の親にまで積極的に働きかけ、ディプログラマーによる「救出活動」を使うように扇動していたことも、この戦略の一端を裏付けている。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%ef%bc%9a%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%80%81%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%80%81%e3%81%9d%e3%81%97%e3%81%a6%e7%b5%b1%e4%b8%80-5/?_gl=1*rort3a*_up*MQ..*_ga*MzQxNjgxNTI3LjE3NTUzMzA1NDQ.*_ga_BXXPYMB88D*czE3NTUzMzA1NDQkbzEkZzAkdDE3NTUzMzA1NDQkajYwJGwwJGgw&gclid=Cj0KCQjw2IDFBhDCARIsABDKOJ49u-pGHeSh_Wz_q5hxg1bHljb1w0Xh7ZigCQdgilzWY4_H7GLVPpoaAk2LEALw_wcB&gbraid=0AAAAAC6C3PemuDzvge2tV2aQdk9kxEk0n

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BITTER WINTER家庭連合関連記事シリーズ95


信教の自由と人権のための雑誌「BITTER WINTER」がインターネット上で発表した家庭連合関係の記事を紹介する連載。このサイトの運営者であるマッシモ・イントロヴィニエ氏はイタリアの宗教社会学者で、1988年にヨーロッパの宗教学者たちによって構成される「新宗教研究センター(CESNUR)」を設立し、その代表理事を務めている。マッシモ・イントロヴィニエ氏から特別に許可をいただいて、私の個人ブログに日本語訳を転載させていただいている。

日本:弁護士、ディプログラミング、そして統一教会の解散請求 ケース4:ディプログラマーの手引書

06/17/2025 Patricia Duval

1990年、故・川崎経子牧師は、信者に対して暴力の使用を公然と扇動する、脱会説得マニュアルを出版した。

パトリシア・デュバル

7本の記事の4本目

1993年、川崎経子牧師は、キリスト教系の新聞『キリスト新聞』にて、自身のディプログラミング活動についてインタビューを受けている。

1990年、日本基督教団の牧師が、「救出」のためのマニュアル(以下、手引書)を出版し、脱会説得の詳細を明らかにした。

日本基督教団・谷村教会の川崎経子牧師(1929?2012)は、1990年4月に教文館から出版された『統一協会の素顔:その洗脳の実態と対策』という書籍を執筆した。この中で彼女は、統一教会の信者に対する「救出」活動を推奨し、その方法を指南している。

教文館は、日本における最大かつ最も影響力のあるキリスト教専門出版社とされている。1887年創業という長い歴史を持ち、キリスト教書籍を専門とする出版社の中では、その出版物の幅広さと事業規模の点で際立っている。東京には大規模な書店も構えており、神学的資料の中心的拠点として、日本で最も著名なキリスト教出版社といえる。

この「手引書」は、教文館から一般書として出版され、一般の読者でも購入できる形で流通していた。

特筆すべきは、この「手引書」は露骨なマニュアルとしてではなく、「ある母親とその脱会した娘の体験談」という体裁で書かれていた点である。その内容は、家族が信者となった親族をどう「救出」すべきかについて、具体的な助言を与えるものだった。

この本では、母娘の証言を通して、以下のようなことが推奨されていた:

 1.親は、仕事を辞めてでも「退かぬ覚悟」で、子どもを教会から脱会させるよう努力すべきである(p.41)。
 2.信者を監禁する際は、親族などと綿密に計画を立てること(p.32)。
 3.信者が銭湯などに行くタイミングを狙って待ち伏せし(p.33)、複数人で襲いかかり、口をふさぎ、車に押し込んで腕を拘束して搬送する(p.12-13)。
 4.拉致に使用する車とは別に、先導車も用意しておくこと(p.13)。
 5.移動中は、本当の目的地は言わず、嘘をついて信者をだますようにする(p.13-14)。
 6.逃げ出すことが難しいような場所、たとえば民宿などを監禁場所に選ぶ(p.33)(p.16)。
 7.監禁中は、逃亡を防ぐため複数人で見張ること(p.16)。
 8.監禁当初、信者は心理的ストレスから激しく取り乱したり暴れたりすることがあるため、親族の協力を得て身体を拘束する(p.15)。信者が「家に帰りたい、気分が悪い」と訴えても、決して解放してはならない(p.34)。
 9.監禁場所には、統一教会批判ができる専門の牧師を呼び、信者に対して説得を行わせる(p.17-20)。
 10.信者が「これは人権侵害だ」と主張して牧師との対話を拒んだ場合は、足を縛るなどして無理やり言うことを聞かせる(p.35)。
 11.信者が逃げられないことを悟ると、脱会したふりをする場合がある。たとえ牧師の話を素直に聞いているように見えても、だまされてはならない(p.16-18)。
 12.時には、他の統一教会信者が監禁されている信者を心配して捜しに来ることがある(p.21)が、地域住民の協力を得れば簡単に追い返せる(p.38)。
 13.信者が川崎牧師のもとに連れてこられれば、脱会を装っているかどうかを見抜くことができ、真に脱会させることが可能である(p.22-27)。
 14.脱会こそが信者にとっての幸せへの道である以上、親は必要とあれば子どもの足を折ってでも脱会させるという覚悟で、脱会説得に臨むべきである(p.29)。
 15.信者が監禁中にどれだけ苦しもうとも、最後まで根気強く脱会説得を続ければ、最終的には感謝の言葉を述べるようになる(p.28-29)。

2010年ソウル、統一教会の日本人信者たちは、日本大使館前でディプログラミングに反対する抗議を行った。

この「手引書」はその後、横浜地方裁判所での訴訟に提出された。この訴訟は、牧師による脱会説得が失敗に終わった統一教会信者らが、日本基督教団の牧師を訴えたものであった。この裁判で牧師側の弁護を務めたのは、全国弁連の弁護士、山口広、渡邉博、紀藤正樹であった。

信者側の弁護士は、この手引書の「救出」に関する助言が記された部分のみを証拠として提出した。これに対し、全国弁連の弁護士は、手引書の著者による統一教会批判の部分を強調する目的で、書籍全体を証拠として提出した。

つまり、この「手引書」は単に公に出版されただけでなく、全国弁連の弁護士たちによって実際に法廷で使用されたということになる。彼らはこの本の存在と、その中に含まれる手引きの内容をよく理解していた。

横浜地方裁判所。

さらに、全国弁連の弁護士たちは、最初から親たちをディプログラマーに紹介することで「救出」活動に関与しており、信者の脱会を強制するために暴力的な手段が用いられることを完全に承知していた。

この事実は、山口弁護士や、脱会説得を行った牧師たちの、法廷での証言によって裏付けられている。

以上の記事のオリジナルは以下のURLで見ることができます。

https://bitterwinter.org/%e6%97%a5%e6%9c%ac%ef%bc%9a%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%80%81%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%80%81%e3%81%9d%e3%81%97%e3%81%a6%e7%b5%b1%e4%b8%80-4/?_gl=1*1meg8d7*_up*MQ..*_ga*MTA3NjQ5Nzg0Ni4xNzU1MzI4ODE2*_ga_BXXPYMB88D*czE3NTUzMjg4MTYkbzEkZzAkdDE3NTUzMjg4MTYkajYwJGwwJGgw&gclid=Cj0KCQjw2IDFBhDCARIsABDKOJ49u-pGHeSh_Wz_q5hxg1bHljb1w0Xh7ZigCQdgilzWY4_H7GLVPpoaAk2LEALw_wcB&gbraid=0AAAAAC6C3PemuDzvge2tV2aQdk9kxEk0n

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